アンの愛情の言葉 第47回
「アンのことを、ずっと愛してきたんだよ、
学校で、きみがぼくの頭に石板を打ちつけて割った日からずっと」
" I've loved you ever since that day you broke your slate over my head in school."
モンゴメリ作『アンの愛情』 第41章より
"Anne of the Island" by L.M.Montgomery
みなさま、こんにちは、お久しぶりでこざいます。
今朝は東北地方で、大地震がありました。
メルマガの読者のみなさまは、大丈夫でいらっしゃいますでしょうか?
心配しております。被災のお見舞いを、申し上げます。
そして5月は、メルマガを発行できず、本当に申し訳ございませんでした。
さて、今日の言葉は、『アンの愛情』最後の第41章で、ギルバートがアンに求婚した後、さらにアンへの愛を告白する台詞です。
彼の言葉の背景には、『赤毛のアン』のエピソードがあります。
みなさま、よくご存じの、「ニンジン事件」です!
『赤毛のアン』第15章で、アンはギルバートに赤毛を引っぱられ、「ニンジン!」と呼ばれたことに腹を立て、彼の頭に石板を打ちつけ、まっ二つに、叩き割ったのです!
ギルバートは、子ども時代のその日から、ずっとアンを愛していた……。
ハンサムで成績もいいギルバートの頭を、石板でぶっ叩くような勇ましい女の子は、彼のまわりに、いなかったのでしょう。
それだけに、アンのふるまいに、彼は、電流が流れたような衝撃を受けたのです。
それにしても、あのニンジン事件の日、アンは11歳。
ギルバートが求婚したこの時、アンは22歳。
ということは、ギルバートは、11年間、アンを思い続けてきたのです。
大勢の人々を愛する人物に、小説家としては興味がありますが、私自身は、一人を、いつまでも愛し続ける人に、惹かれます。
それはむずかしく、それだけに、尊い関係だからです。(次へ)
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