アンの愛情の言葉 第26回

「今日は、私の人生でもっとも美しい一日だったわ」その夜、アンはフィルに語った。「お父さん、お母さんを、見つけたんだもの。二人の手紙を読んで、両親が本当に生きていたんだって実感したの。私はもう、孤児じゃないわ。まるで一冊の書物をひらいたら、ページの間に、過ぎさりし日の薔薇の花が、甘く、きれいに咲いているのを見つけたような気持ちよ」──第21章「過ぎし日の薔薇」より

"This has been the most beautiful day of my life," Anne said to Phil that night. "I've FOUND my father and mother. Those letters have made them REAL to me. I'm not an orphan any longer. I feel as if I had opened a book and found roses of yesterday, sweet and beloved, between its leaves."──Chapter 21 "ANNE OF THE ISLAND" by L.M.Montgomery

孤児として育ったアンは、大学生になってから、自分が生まれた家へ行き、20年くらい前に母が父に宛てて書いた手紙の束を受けとります。
それは、両親の婚約時代のラブレターであり、また、生まれたばかりのアンの愛らしさを綴る母の手紙でもありました。
父母のよすがを何一つ持っていなかったアンは、自分が生まれる前に両親が心から愛しあっていたこと、そして自分が愛されて生まれてきたことを知り、感激に胸をふるわせます。
そのしみじみとした喜びの言葉が、今日の文章です。

すべての人が、両親から生まれています。
生きていることが空しく思える日、人生が厚い雲に覆われているように感じられる日は、ぜひ想像してみてください。
あなたがこの世に生まれてきた日、両親が、祖父母が、どんなに喜んだことでしょう!
どんなお祝いの言葉が語られ、どんな笑顔が交わされたことでしょうか?!
あなたは愛されて、待ち望まれて生まれてきた!
心からそう信じる時、あなたの人生は、また新しく始まります。
あなたの人生の始まりには、愛情と祝福の薔薇の花が、かぐわしく咲いていたのです。(次へ)
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