アンの愛情の言葉 第12回

「あの世とこの世は、世間の人たちが考えているほどは違わないと思うの。生きている時とほとんど同じような暮らしが続いていくのだと思うわ……今の自分自身のままで……」──アンの台詞『アンの愛情』第14章"

I don't think it can be so very different from life here as most people seem to think. I believe we'll just go on living, a good deal as we live here -- and be OURSELVES just the same -- "──Chapter 14 "ANNE OF THE ISLAND" by L.M.Montgomery

肺病で死を予感する19歳のルビー・ギリスに、アンは優しく、静かに語りかけます。
その台詞を、ご紹介しました。
ふだんは忘れているのですが、私たちはいつか必ず死んでいきます。
あなたも、私も、いつかみんないなくなります。
この世から去った後、私たちは、どこへ行き、どうなるのでしょうか?
その答えは、人によってさまざまだと思います。
ルビーと同い年の19歳のアンは、死について考えるようになります。

アンの結論は、こうです。
……天国はこの世の続きなのだから、あの世へ行ってから急にいい人になるのではなく、天上の善良で崇高な暮らしは、生きている今から始めなければならない、と……。
死を考えることは、逆に、今を生きていることの意味を、深くアンの心に刻んでいきます。
あなたも秋の静かな美しい日に、いつか私たちが死んでいく命を生きていること、だからこそ今が輝いている意味を考えてみてください。

台風が大きな被害をもたらしました。
心よりお見舞いを申しあげます。

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