アンの愛情の言葉 第9回

「お祈りを唱えている時も一人じゃないのよ、デイヴィ。神様はいつもそばにいて耳を傾けてくださっているの」アンの台詞──『アンの愛情』第7章

"You don't say them(prayers) alone, Davy. God is always with you to hear you."──from "ANNE OF THE ISLAND" by L.M.Montgomery

みなさん、お元気でおすごしですか?
しばらくアンの言葉をお送りできなくて、すみませんでした。
9月に発行される久しぶりの小説集『引き潮』の世界にどっぷり浸かって、推敲に追われていました。
また月刊誌『旅』(新潮社)の取材で、イタリア、ミラノへ行っていました。
日中は30度くらいで暑かったのですが、夜になると、男も女も、とくに30代から上の人たちが、お洒落をして出かけているのが印象的でした。
ここしばらくドイツ、イギリス、アメリカ、カナダと、アングロサクソン系で新教徒の多い国ばかり行っていた私は、久しぶりにラテン系カトリックの土地へ行き、人々の陽気な情熱と色気に圧倒されました。みなさん、生きる歓び、食べる歓び、装う歓びを存分に味わっている感じでした!

さて、今日お送りする文章は、アンが、お祈りをするデイヴィに語る言葉です。
たとえ宗教の信仰を持たない人でも、神様にお祈りされることがあると思います。初詣、七五三、願い事がある時、などなど……。
お祈りをする時、あなたは一人ではなく、神様はそばにいる……、あるいはそれ以外の時もそうかもしれません。
祈ることは、神様との対話であるとともに、自分との対話だと思います。
自分の願いをじっと静かに見つめ、自分の気持ちの深いところを考える、そんなひとときを持ってみてください。

暑い日が続きますが、生きる歓び、食べる歓び、装い歓びに満ち満ちた、楽しい夏をおすごしくださいますように……。(次へ)

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