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| テーブルを取り巻く |
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出席者は皆、どのように振舞って良いのか分からず、まごついていた。
ウエイターが颯爽とやってきて、出席者一人一人に飲み物を渡していく。
(このグラス、どうやって持ちゃいいんやろか。私しゃ、酒は飲めんとやけど…)
(かあちゃん、ワシが飲んぢゃろか? (^ニ^) )
(ばか、お前はまだ未成年やろがね)
目配せで、会話する母子。
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| ワシじゃないよ |
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3号 「かあちゃん、ワシもビール欲しかった。なんか、この写真、ワシが注いでもらいようごたるね。ああ、飲みたかったあ」
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| 豪華な室内 |
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金屏風に、シャンデリア。
こんな所初めてです。
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| そろそろと |
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次第に、テーブルのそばに人が集まってきました。
かあちゃんは、お腹ペコペコだったので、ピラフを皿にとり、口に入れてびっくり!
熱いのです。ふるぬくいんだろうと思ってたら、これが熱い。
イケルやないですか。
興味本位で入れ物の下をのぞいたら、ちゃーんとありました。火種が。(こうやって書いてて、名称が分からないのが情けない)
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| ピーフストロガノフ? |
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名前は知っているが、喰ったことはない。
いや、正確には、友人の旦那が丹精込めて作ってくれたピーフストロガノフとは、とても味が違ったので、本当にそういう名の料理であるかどうか、確信が持てないのだ。
が、旨かった。
肉の味が違っていた。安物ではない!
(安物を出すはずは、ないだろうなあ)
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| 寿司喰いねえ |
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かあちゃんは、寿司には手をつけなかった。きっと、ネタは九州の方が旨いにきまっている。それより、喰ったことないようなしろものに、どんどん手を伸ばす。
3号 「かあちゃん、やっぱ違うねぇ。庶民のバイキングやったら、1枚の皿を使い回すけど、ちょっとでも空になった皿やらグラスやらは、テーブルに置いただけで、すぐになくなっていくよ」
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| ローストビーフ? |
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おそらく、これがローストビーフというものだろう。
しかし、残念ながら、このビーフは口にあわなかった。
3号 「かあちゃん、さっきから、あの子がメロンばかり食べようとよ。きっと、夕張メロンやと思うけど」
母 「おっ、そりゃ、食べなこて。コータが50円足りずに食べられんかった、夕張メロンソフト…」
3号 「いつまでも、うるさいねぇ。あ、もうメロンないよ」
母 「む、ぬかったな」
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| エビフリャー |
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食べるものを、パチリ、パチリ。
かあちゃんの頭の中には、もう食べ物しかなかった。
パチリ。 ん、旨っ。
パチリ。 ん、旨っ。
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| えー、では次に… |
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「お食事がすすんでおりますが、ここで、入選者の方々からスピーチを…」
(なぬっ! スピーチですと? えらいこっちゃ。こんなもん喰っとる場合じゃなかとです)
「ええっと、まずは出だしに、こう言って、そして次にこの話をして、そして、最後にこう締めて……」 と、かあちゃんは食べ物に集中していた脳をフル回転してスピーチを考え始めた。
なんてこと。これが一番いいダイエットかも(v_v)
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| 滅多に来れるところじゃありませぇーん |
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本日はこんなに盛大に祝っていただいてありがとうございます。
早めにスピーチしなければならないことを、伝えてくださっていれば、準備万端整えて臨みましたものを。
このような立派な建物に、そうおいそれとは入ることはできないと思い、後学のため、三男を同伴しました。
来て、びっくりです。フカフカの絨毯が敷き詰められていて、「しっかり踏みしめて帰ろうね」と、子どもと話しておりました。
主催者側の笑いを取り、次の話に進むかあちゃん。
悲しいことに、日ごろの仕事の癖で、ついつい、聴衆を見渡しながら話している。(うっ、仕事のクセが…)
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| 座敷わらし |
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広い会場を縦横無尽に駆け巡る子がひとり。
シャッターチャンスの早いカメラでも、捉えられないほどのスピード。
うん、うん、元気でよろしい。
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| フカフカ絨毯 |
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これが2階の廊下です。
いや、ひょっとするとロビー?
ええい、このさい何とでも呼べ。
ホテルでもこんな豪華なところへは行ったことはございません。
全部、絨毯敷きでした。
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| 親子写真 |
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3号 「かあちゃん、二人で写った写真がないよ」
係りの人 「私がシャッターを押しましょう」
母 「ありがとうございます。こんな所、めったなことじゃ来れませんから。いい記念になります」
スピーチの時もそうであったが、かあちゃんは、決して 「二度と来れない」 とはいわない。
「めったなことじゃ」 と、言うからには次がある。
そして、そう、次は絶対に、一番に決まっている。ホー、ホッ、ホッ、ホーッ。
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| 帰りの車内で |
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パーティはまだお開きではなかったが、列車の時間があったので、一足先に会場を後にした。
コータはまた東京駅で、コインロッカーまで、荷物を取りに降りて行った。
つくづく、今回のお前は荷物持ちだったね。
でも、学校休んでまで行った甲斐があったろう。
会場でも主催者の人が言ってたじゃないか、
「ここは、一流企業の社長さんが出入りするところですから」
って。誰でん、彼でんち、入られんとよ。
3号 「はいな、最後の写真っと。あーあ、かあちゃん、くたびれた顔して」
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Last updated: 2005/3/29 |