毛筆崩し書体生成システム・サンプルソフトウェア

                                   




使用法




  Ougishi4lb.exe が実行ファイルです。前面に現れるウィンドウに任意の手書き文字を書き、ウィンドウ右枠内の[変換表示]ボタンを押下することによって、その毛筆崩し書体への基本的な変換と表示が行われます。

  入力用のウィンドウとしてA,Bの2画面を持っています。双方の機能は全く同じで、同様の操作を行うことが出来ます。


  
   標準操作

  ウィンドウ右枠内の[崩し][太さ]などのバーの操作によって、生成される文字の形態を変化させることが出来ます。
  その下部の[書体]内の各コマンドは、それら変換値を組にしてシステム設定したもので、書体を一気に変化させることが出来ます。




   文字の書き方

  崩し文字は元の手書き文字のラインの流れに直接的な数理的変換を加えることで形成されるため、その形態は元文字の書き方に大きく左右されます。
  バーの値や[書体]の変更で良好な文字が得られない場合には、以下の点に注意して新たに文字を書き直してみてください。

  ※ 通常、書いた文字を([行書・標準]程度の)標準的な値で変換して全く見栄えがしないような場合には、バーの値や[書体]をいろいろに変更してもその質が大きくあがることはほとんどありません
  良好な文字にならない場合には、(コマンドで無理に調整しようとするよりも)一般に元文字をどんどん書き直していく方がかえって効率的です。


 
大きさ

   ○現状では文字はあまり大きなものにせず、用紙部分の縦に5文字程度以上は入る大きさで描いてみてください。

 
形状

   ○変換は文字認識に基づいて行われるものではないため、元文字の形を特に明瞭に(四角張った形に)書く必要はありません。かえって滑らかな崩し文字が得られにくくなります。
    また、乱れた文字の整形に主眼を置いたソフトでもないため、ぎこちなさ過ぎる文字の場合も良い結果を得にくくなります。
    出来るだけぎこちない元文字や、四角張り過ぎた元文字にならないようにしてください。慣れるまでマウスではなかなか描きづらいものですが、紙の上に(おおよそきれいな)楷書系の普通の手書き文字を書いたときのような状態の元文字を描くようにしてみてください。
   


   ※要は、このHPのサンプルの上部に幾つか示している元文字の程度の形(の乱れのレベル)と大きさの元文字を書けば、その変換文字として示されている程度のものは一般に得られます。これ以上にぎこちなかったり、四角張ったり、倍以上に大きかったりする元文字による変換文字の品質はその度合いに応じて一般に下がります。

    多少ぎこちないという程度の元文字であれば、変換バーの[崩し][筆脈]の値をやや大きめにして崩れの度合いを強くすることで、全体としての文字の品質を上げられる場合があります。
  
     形状の微修正

   変換文字の線の長短や接続性や配置の具合などを変更したい場合には、そのまま単純に、 元文字の対応部分を意図する方向に向けて強調して書き直してみてください。
   たとえば、変換文字のある箇所の線が短すぎるように思えれば、元文字を書く際にその線を長めに書き、ある線と次の線が([連綿]を小さめにしても)接続し過ぎるように見えれば、それらの間を離し気味に書きます。


 
方向

   ○毛筆崩し体は縦書きが一般的であるため、このソフトにおいても文字列は通常は縦書きで、かつ右から左へと書くようにしてください。横書きの文字列を変換しても(元文字自体のバランスのとりづらさ・文字列としての本来的な崩しづらさ・ソフトの変換性などの)様々な理由で、見栄えのするものにならなくなる可能性が高くなります。
   特に横書きの文字列を作ろうという場合には、一種のロゴ文字列として、一文字づつを個別に作り、 グラフックソフトに取り込んで横に並べるといった方法を採る方が、かえって効率的な場合が多いかも知れません。



    
補遺
   
かな文字

  ○ひらがなの連綿体は、文字をやや小さめにし、かつ文字と文字の間を広めに取って書くと見栄えのよくなる場合が多くなります。
     
“雄渾系”文字

  ○現バージョンは中筆以下の太さで書かれる標準的な崩し書体の生成に対応したものですが、 「雄渾系」の文字を特に書こうという場合には、(1)大きめに書いて[掠れ]を入れたり、[形状]−[滑らかさ]を小さくして変換する。(2)そもそも変換を行わずに、[太さ]や[掠れ]を大きめにして、一般の書道ソフトと同様に、手書きしたそのままの文字を使う、といった方法を採ってみてください。
   
試し書き

   ○文字の書き方による変換のされ方の相違を見るために、同一画面に大きさや形や書法を変えながら同じ文字を何文字か書いて変換(の実験を)してみるという方法を試して頂くのもよいかも知れません。

 






   注意点

    初期エラー

  ○比較的リソースを必要とするソフトであるため、他のソフトを数多く動作させている場合や、パソコンを起動後に長時間が経過している場合には、
  (1)他の不要なソフトを出来るだけ終了させる
  (2)パソコンを再起動してみる
   といった標準的な方法をまず試してみてください。
   またWindows系の過去のOS上で使用される場合には、再近年のInternetExplorer(IE6 SP1以降)が導入された環境で動作させるようにしてください。

  ○まず問題ないと思いますが、上記の点が全てクリアされているにも関わらず基本的な起動そのものが全く行えない場合には、お手数ですがまずこちらから TabletPC SDK を(パソコンそのものがタブレットPCであるかどうかに関わりなく)ダウンロードしてセッティング後、再試行してみてください。
 それでもなお動作不能または非常に不安定といった場合、お手数ですがご一報頂けましたら幸いです。




    画像の他のソフトでの利用

   作成した画像を他のグラフィックソフト等で利用する場合には、ファイルメニューの[エクスポート]を使用して画像を保存してください。その際、現れるファイルダイアログの[ファイルの種類]を変更することで 、画像の形式を変更することが出来ます。
   また、[編集]−[クリップボード]を使用すると、少なくともウィンドウズ添付のペイントソフト等からであれば、その[貼り付け]機能などを用いてそれらのソフトで画像を簡易に取り込むことが出来ます。




    印刷

   [ファイル]−[印刷オプション]の[モード]を[ベクトル]にすると、ごく滑らかな線質での印刷が行えます。
(ただしリソース等の問題で不備が起きたり、時間が掛かり過ぎたりすることがあるかも知れません。その場合には[粗度]の値を大きくしていくと改善出来ることがあります。)

   なお、環境やプリンタの機種によっては当ソフトの印刷機能を使用出来ないことがあるかも知れません。その場合には、前段の方法を用いて他のグラフィックソフトで画像を取り込み、それらのソフトから印刷を行ってください。
   またその際、.svg、.swf、.psのベクトル形式の画像を取り込む機能を持ち、かつそのままでの印刷が可能なソフト(アドビ社のイラストレータやマクロメディア社のフラッシュなど)をお持ちであれば、上記の精細なベクトル型の印刷を行うことが出来ます。




    書体シミュレーションについて

  [書体]での書家名の付いたコマンドは、崩しの強さや太さなどの基本的要素を、そのおおよその傾向に合わせて内部設定したものです。順次その精度は上げていく予定ですが、現状ではラフなシミュレーションという段階のものであり、ご了承頂ければと思います。






   バージョンアップ


  改定版は当面http://www.ne.jp/asahi/o/o/ougishi/download.htmlから参照可能なURLに置くようにする予定です。ご使用の際には出来るだけ最新版を参照して頂くようお願いいたします。

  ※なお、特に評価版の段階では、文字の変換表現の細部の、新しい版での互換性は保証されません。(つまり、ある版で作成した文字データファイルはそれ以後の版でも読み込め、同様の形の文字が画面に再現されますが、部分の形状や太さなどがある程度変わってしまうことがあり得ます。)
   したがって、あるバージョンで比較的良好な書体に変換出来たデータがあり、それを保存していて、さらに後でその微修正を行う可能性があるといった場合には、恐縮ですがその旧バージョンのソフトの方も保存しておいて頂ければと思います。





サンプル画像 (on the net)





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Mikihiro Ohba o@o.email.ne.jp   2005/12