天羅番長 最終回 
「戦慄! メガネっ娘だらけの永久戦争実験室」


■プレイ日時/場所
 2002年3月10日/府中市 住吉文化センター


■PC

●“メガネ番長” (プレイヤー:たかや)
 メガネをこよなく愛する。語尾は「…でヤンス」。
 「女」の番長釦を持つ。
●“ブルマ番長”(プレイヤー:Gom)
 制服とブルマをこよなく愛する。忍術も使う。
 「幼」の番長釦を持つ。
●“虫番長” (プレイヤー:おーりん)
 爆発式式神を用いるテロリスト。肉体は貧弱。
 「拐」の番長釦を持つ。
●“ナース番長” (プレイヤー:だんぞう)
 人々を癒す誓いを立てた番長。男。
 「事」の番長釦を持つ。


■NPC

●“お風呂番長改め征夷大番長”源静香
 番長の闘争に終止符を打つため、全国制覇を目指す。
 「連」の番長釦を持つ。
●源春香
 静香の妹。メガネっ娘。
●“戦乙女番長”卜部桜子
 戦闘用傀儡。藤原雑務の学園の番長。永遠の闘争と逃走を目指す。メガネっ娘。
 「誘」の番長釦を持つ。
●“諸行無常番長”平篤盛
 平家の番長。
 「続」の番長釦を持つ。
●“振り込み番長”北条村正
 幕府の実権を得ようと画策する、小物番長。
●“黒幕番長”大鋲院K
 ナース番長の父。いろいろ因縁があったのだが、語られることはなかった。
 「件」の番長釦を持つ。
●“コズミック・マッスル番長”
 番長界のイモータル。
●“哭き番長”龍
 彼の周りでは、運命の嵐が吹き荒れるという。麻雀が得意。


■用語

●番長:無類の強者(つわもの)を指す言葉。全国の武士団の頭、腕自慢の貴族ども、命知らずの傾き者らが、自らを番長と称する。

●番長釦:真の番長の証である。世界に八つ存在し、それぞれに文字が刻まれている。全てを集めたときに、驚くべきことが起こると噂される。

●学園:藤原雑務の屋敷地。向学心をもち自由を愛する若者らが集っていた。

●平安京華撃団:桜子の側近で、少女番長のみにより構成された戦闘集団。彼女らは大義のためなら死も厭わず、血刀を振う姿は鬼神を思わせるという。


■シナリオ本編

●決戦
 PC全員+静香+春香と、平篤盛との戦闘。

篤盛「この時代は渡さん! 貴様にはな」
静香「…奴を討て」

●終幕?
 平篤盛は死んだ。篤盛によって支えられてきた平家の支配体制は崩壊した。
 源静香、源春香率いる武士団により、平家は完全に殲滅された。
 政権の座を奪取した静香は、政令により、徴税権と東国の支配権を得る。次いで征夷大番長の称号を得ると、彼女の政府、幕府を鎌倉に設ける。
 全国の番長は御家人として、幕府の集権体制へと組み込まれつつあった。

●転戦
 眼鏡番長と虫番長は春香の側近として、武士団を引き連れ全国を転戦する。
 春香は気乗りしないようだが、姉の命令なので。
 “消費者金融放火殺人番長”と戦う。

●静香の思惑 
 静香は鎌倉で、新政府の設立に忙しい。
 ナース番長とブルマ番長は幕府の役職に取り立てられる。

 ブルマ番長からの報告を受け、
静香「ふうん、春香は? そうか、まだ生きているのか」

●北条家の思惑
 北条村正が接触してくる。
 麻雀をしながら、村正は話す。
「腹を割って話しましょう」
「静香ちゃんの下にいると、いずれは我々も首を切られます」
「あの人のやり方は強引過ぎる。急ぎすぎだ。力でシステムを構築しようとしている」
「私は幕府の実権が欲しい。あなたがたは番長釦が欲しい。それでいいじゃないですか」
「あんた、背中が煤けてるぜ」

●桜子との戦い?
 藤原雑務とその部下の番長を撃てとの命令が下る。
 妹姫番長卜部桜子がPCたちの前に立ちふさがる。
 桜子とその部下達は、全員がセーラー服に身を包み、メガネをかけている。

「あー、元気でしたかー。皮肉なものですねー。また、敵味方なんてー」
「あのー、悪いんですけどー、わたしたち、引きませんよー」
「私たちと一緒にー、番長の世界を取り戻しましょー」
「番長釦こそ、世界を流転させる歯車。ゴルディアスの結び目」
「番長たちが現出させるのは永遠の闘争の平野、ヴァルハラの野」

●北条村正の最期
 城内で、北条村正が殺される。
村正「…どうだ…俺を斬った奴は捕らえたのか」
村正「…違う! そいつじゃねえ! 本当に、事を進めているのは…(死)」

●静香の思惑
 PCたちに、春香を暗殺するよう頼む静香。
静香「奴は危険だ。いずれ、今の体制をおびやかす。今のうちに…」

●静香と黒幕
 静香の背後には、大鋲院Kがいて、いいように操っている。
静香「なによなによ、私だって、こんなにがんばったのに」

●大鋲院K、源静香との対決?
 途中の雑魚は桜子の部下「平安京歌劇団」が迎え撃ち、次々に相討ちする。
 メカ鬢螺鈿出現。

●大鋲院K
 黒幕番長が登場する。
K「貴様らには分かっておらぬ。男気や根性が世界を動かす時代は終わる。番長など要らぬ。必要なのは官僚だ。時代が求めた要求なのだ」

●終幕
 まあ、いろいろあってオチ。


■プレイレポート

●決戦! 平篤盛
 いきなり決戦。この展開は、最近読んだきくちたけしのリプレイの影響。
 まあ、篤盛は倒されるんですが、戦闘に参加しなかった静香はいきなりプレイヤーたちの反感を買う結果に。番長釦もPCに奪われる(笑)
●展開!
 そんなわけで、PCらは静香に従う気さらさらないんだが、まあ、前のシーンで静香が殺されなかっただけでもまあよしとしよう。
 メガネ番長と虫番長には、メガネっ娘春香に「お願い、いっしょに戦って」と言わせて、消費者金融放火殺人番長と戦ってもらう。まあ、こいつは雑魚なんで。
●幕府で…
 そんなわけで、ブルマ番長を使役するために、静香は「幕府の職員への制服着用、メガネの着用」という条件をのまされる。
 …ていうか全員に「番長釦を集める(目的)」ていう因縁取らしとけばよかったなー。しかしまあ、最初続くとは思わなかったしなー。
 春香に対する静香の態度を見て、「現実と同じなのか」と言われる。仰る通り、静香=頼朝、春香=義経なんだけどね。
 予定通り、村正が麻雀で誘いをかける。が、あまりなびくそぶりなし。哭き番長はここでのみ出演。
●学園――戦う乙女の園
 メガネ番長と虫番長は、藤原雑務の配下の番長と戦うように指示を受ける。
 PCたちは桜子と再会する。桜子と何となく協力することになる。
 ちなみに番長の復権を主張する桜子に、春香は反発するが、パンチを食らって黙らされる。
 PCたちは学園の建物を出てしばらくすると、そこに式神爆弾を撃ち込む。気絶した桜子から番長釦を奪い、
虫番長「敵番長の襲撃だ! (桜子の)番長釦を奪った番長は取り逃がした」
 PCたちの嘘に騙された桜子と平安京華撃団は敵を追って東へ。
●暗殺指令
 静香からブルマ番長に、春香暗殺の依頼がくる。
 鎌倉を出たブルマ番長は、虫番長と春香らを出迎える。
 そして、静香の命令なので「悪いが死んでもらう」と春香に告げる。
●決戦! 鎌倉城
 協議の結果、PCたちは、春香を城下に隠し、登城。春香は暗殺した、と告げる。
 それを聞いた静香は、春香殺害は自分に対する反逆であるとして、PCたちを始末しようとする。
 戦闘の結果、静香は倒される(気絶)。
 そこに、致命傷を負った村正が入ってくる。そして、静香を操っている者がいると告げる。
 そのころ、城下で火の手が上がった。桜子と平安京華撃団が無差別殺戮を行っているのだった。
 そこへ、
K「甘い、貴様らは大甘だ!」
 PCたちの元へ、黒幕番長が出現する。
「お前など番長ですらない」などとPCたちに糾弾され、
K「…そうか、俺が間違っていたのか?」
K「十年後、貴様らと決着をつけよう。それまでこれは預けておく」
 とPCたちに番長釦を投げ、黒幕番長は立ち去った。
●その後
 鎌倉幕府は事実上崩壊した。鎌倉近辺の実権は一時桜子が奪取するが、すぐに他の番長に取って代わられた。
 桜子が望んだ通り、全国は番長による群雄割拠の混沌へと戻っていった。
 静香はPCたちが連れ出し、調教されることとなった(笑)。
 春香はこの後大陸へと渡り、“蒙古番長”として西欧を席巻したと言われている。
●番長釦の秘密
 ついに八つの番長釦が揃った。
 ダイスの勝負に負けた虫番長が全部の釦をつける羽目に(みんな嫌がっているのだ)。
 全ての釦を身に着けた虫番長の全身は白く輝きだし、筋肉質の肉体へと変貌した。そして、彼の口が勝手に喋り出した。
「私はコズミック・マッスル番長。よくやった。以後も精進せよ」
 虫番長の能力値が上がった!
 そして番長釦は空中に舞い上がり、八方へと飛び散っていった。

●天羅番長最終回の秘密
 天羅番長は、当初、ただのネタだったので、キャンペーンにする気はちっともありませんでした。
 しかしまあ、何の因果か、こうして続いてしまったわけで。
 それにしても、曲がりなりにも一応終わったキャンペーンなんてものを見るのは二度目ですよ(一度目は学生時代の「Call of Cthulhu」)。自分がマスターをしたものではもちろん初めて。しかし、よりによって「天羅番長」とは…。  
 番長釦とかの元ネタは、知ってる人には言わなくても分かるし、知らない人は言っても分からないと思いますが『筋肉番長』です。
 最終回は本当はPC全員を殺戮する予定で、事前に「死に様を申告せよ」などと言ってあったのですが、結局、誰も死なず。結局申告させたネタで生きたのは、ナース番長の父の話くらい。
 …そういえば、虫番長のプレイヤーに死に様の希望を聞いたら「孫や子供に囲まれて大往生する」と言われた気が。
 結果的に、プレイヤー諸氏の結論は「我々は天羅に向かない」ということ。
 番長釦の秘密は、本当に最後の最後まで考えてませんでした。コズミック・マッスル番長はアドリブです。


■新番組「天羅八犬伝」予告

 時代は下って、室町の世、安房は里見家の危機を救った伏姫と犬八房は、運命の悪戯により、山中で殺害される。その時、飛び散った八つの珠。その珠に導かれ、八人の犬士が、自らの運命を探す旅へと出た。再びの安房の危機を救うために。

 ていうか、「天羅番長」も「天羅八犬伝」も舞台は「天羅」じゃねえ。


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