Rune Questシナリオ 99年6月
歪んだ遺産
■元ネタ
『世界の果ての壁(ソードワールドシナリオ集)』の山本弘「世界の果ての壁」ほぼそのまんまパクリ。
流石、山本弘(と学会会長)のシナリオは実に良質でやんす。
■登場人物
- “窓の”ビル
エティーリーズの商人。PCらの現在の雇用主。
- モウネ・ネネ
コーラートの祈祷師。ヨハンの師匠
- オランディナ
元、フマクトの冒険者。現ジャカベア。
- リナ
オランディナの娘。盲目の少女。
- グラーフ
人身御供にされた少年。
- アルミラ
ビルの姪。ランカー・マイの入信者。
■本編
●Chapter1 ビルの依頼
- PCはビルから依頼を受ける。依頼の内容は以下の通り。
- 「ボクにはね、オランディナという名の従姉妹がいるんだ」
- 「オランディナはある事件をきっかけに、フマクトに入信したんだ」
- 「彼女の父親、ボクの叔父だけどね、大反対、あげく勘当さ」
- 「彼女は冒険者のグループに入って各地を放浪したらしい。愚かなことさ」
- 「オランディナは、その後、ダックポイントの近くの村で死んだらしい。10年ほど前らしい」
- 「ところで最近、その父親である叔父が病気で死んだのさ」
- 「勘当されているとはいえ、オランディナは叔父の一人娘なんでね、もし生きていれば財産権なんかもある」
- 「叔父の財産は最も近い血族のボクのものになって然るべきなのだが、どうも当局が、オランディナの死が確認されていないといって、認めないのだ」
- 「そこで君たちには、オランディナが死んでいるという証拠を持ってきてほしいのさ」
- 「それが確認されれば、叔父の持っている呪文書が…おっとこれはよけいな話だった」
- 「もしオランディナの死の証拠を持ち帰ったら、通常の傭兵料金に加え、一人200ルナーをあげよう。証拠がなければ、傭兵料金のみだ」
- 「そうそう、君たちのお目付けにボクの姪アルミラについていってもらうよ」
- 「道草して料金を増やされてはかなわんからな。くれぐれも彼女を危険な目に遭わせないように」
●Chapter2 冒険者仲間
- PCが叔父の関係者やフマクト寺院で調査するなら、オランディナの仲間はすぐ判明する。
●オランディナのパーティー
- ファルベル (♀ バービスター・ゴア侍祭) リーダー
- オランディナ (♀ フマクト入信者)
- グレオリック (♂ イェルマリオ入信者)
- アルワイン (♂ ランブリル入信者)
- ダニエル (♂イサリーズ入信者)
- 現在接触できるのはダニエルのみ。彼から聞ける情報は以下の通り。
- オランディナはダックポイントの近くのデュビュッフェという村の近くで死んだ。
- 場所はうち捨てられた遺跡。
- その時、彼女の恋人だったアルワインも死んでる。
- 嫌な思い出なのでもうあまり話したくない。
- どうも、彼は何か隠している風だ。
●Chapter3 村村
- デュビュッフェはダックポイントから一日の山間の村。
- PCが村に入ると、村人は怪訝そうに見る。
- 「この村には泊るところなどないから、早く出ていってくれ」
- 得られる情報は以下の通り。
- オランディナについては、数年前にそんな人たちも来たかもしれない程度。
- 何人かの冒険者が遺跡に向かったが、皆帰ってこない。
- 夜、村の様子を見ていると、一人の少年が家から連れ出され、村の外へ連れて行かれる。
- 家族はついてゆかない。少年を連れて行くのは、村の男達。
- 後をつけると、最初は大勢だったものが、遺跡の近くで男二人と少年のみに分れる。
- 男たちは少年を遺跡まで連れて行き、貢ぎ物(食料など)を持たせて中に押し込む。
- ここで村人が去った後、遺跡にはいるなら、オランディナ達と遭遇。戦闘になる。
- 少年の家族に話を聞くと、ここ数年、半年に一度ほどトロウルの使いがやってきて、子供を差し出せと言う。
- 最初は聞きもしなかったが、そうしたら、ブルーがやってきて、家畜にひどいことをして帰った。
- ひどいことって? そりゃあもう、ひどい事ですよ。
- そのため、最近はしかたなくいう事を聞いている。
- 村はオーランス信徒の弱小部族なので、傭兵(フマクト信徒など)も雇えないし、ルナー軍の助けも借りれない。
- 話を聞いた後遺跡に向かうと、途中で逃げてきた少年に出会う。
- 少年は、中で食われるかと思って、必死に逃げてきた。
- 聞ける情報はだいたい家族といっしょ。遺跡では、暗くてよく分からなかったが、かぼちゃのような頭の人と、山羊のような頭の人がいたと言う。
●Chapter4 遺跡
★事の真相
- 遺跡にいるのは、ジャカベアに変貌したオランディナとブルーになったアルワイン。他にブルー×数人。トロウル×1。そして、オランディナの娘リナ。
- 遺跡には神知者の「混沌作成機(若干故障中)」がある。
- 10年ほど前、オランディナのパーティーはこの遺跡を探索。混沌作成機をいじり、ひどい目に遭った。
- オランディナはジャカベアに、アルワインはブルーに変身してしまう。
- それを見たダニエルは逃亡。残りは戦いを挑んできたため、やむなく倒す。
- その後、オランディナは出産。子供(リナ)は普通の人間だった。
- オランディナは、子供が変わり果てた自分たちの姿を見ることが無いよう、目を潰す。
- その後やってきた冒険者などは、殺したり、食ったり、屈服させてブルー化して家来にしたり。
- 最近は子供の遊び相手と情操教育のため、村から子供を差し出させている。また、リナのため、「人間的な」食料も差し出させている。
- しかし、そこは混沌のあさましさ、差し出された子供がリナをいじめたりしようものなら、食っちまってる(幸運にもリナはそれを見ることはない!)。
- リナを守り、また家来を支配するため、オランディナは混沌能力を強化(要は諸相を増やした)。
- そのことが、彼女の精神を圧迫(諸相により「混沌的」INTを得た)。
- その辺のいきさつはオランディナの日記に記されている。
★少年の後をつけて遺跡に入った場合
- 遺跡に入ったところで、走ってくる少年とぶつかる。
- 「うわあ、何すんだよ! 追いつかれちまうよ!」
- 少年は(PCが制止しない限り、近くの草むらへと逃げ込む。
- すぐに下っ端のブルーが出てきて、問答無用で戦闘に。
- オランディナらは、数ラウンド後に到着。やっぱり問答無用。
★村で話を聞いた後、出発した場合
- PCが到着した時、オランディナたちは留守。遺跡にはトロウルとリナしか残っていない。
- なんでかって言うと、少年が逃げた(あるいは来なかった)、その報復。村を荒らしているのである(PCたちとは行き違いになった)。
- 急いで村に引き返すなら、村で暴虐の限りをつくすオランディナ一行と遭遇。問答無用で戦闘。
- この場合、敵のMPなど若干減っている。村人も助力する(盾代わりにはなるだろう)。
- 半日以上遺跡に留まると、オランディナ一行が帰ってくる。
- PCが残っている場合、ここで戦闘になる。
- 半日経つ前に遺跡を出た場合、村への道中でオランディナらと遭遇。
★遺跡のこと
- トロウルは遺跡の部屋Aに閉じ込められている。
- トロウルは最初は戦うが、劣勢と見るとすぐに降伏する。
- 「おらを逃がしてくれ。いやだめだ。奴等に見つかったらえらいことだす」(交易語で)
- トロウルはオランディナ達に捕えられ、使役されている。彼は言いなりになっているだけで、遺跡にいる人数以外の事はほとんど何も知らない。
- トロウルのデータは、トロルパックなどの、あまり強くないトロウルのデータを使用。
- リナは部屋Dにいる。
- リナの話は以下の通り。
- 「お母さんが遊び相手を連れてきてくれるけど、わたしがちょっといじめられたりするとすぐいなくなっちゃうの」
- 「最近お母さんは苦しい、苦しいって。お前のことがよく分からなくなりそうだって」(混沌的INTにより真の混沌へと精神が変わりつつあるのだ)
●Chapter5 結末
★少年のすぐ後に遺跡に入った場合
- 村には何の被害もない。
- 少年の母親はじめ、村人に普通に感謝される。
- その後、遺跡を探索すれば、リナとトロウルに出会う。あまり日を置くと、二人とも餓死してしまう。
- リナを連れ帰り、彼女について正直に話すと、村人は嫌悪を示し、かわいそうだが村にはおけないと言う。
★村で戦闘した場合
- 感謝はされるが、村人に被害が出ていれば、村は重苦しい空気に満たされる。
- 少年の母親は大変に感謝するが、少年に対し、村人の反応はやや冷たい。
- リナについて正直に話すと、村人は嫌悪を示し、「かわいそうだが村にはおけない」と言う。
★遺跡で待って戦闘した場合
- 遺跡でオランディナの一行を待った場合、村はさんざん荒らされた後である。
- 少年を連れ帰った場合、母親は感謝するが、他の村人の反応は冷たい。
- リナについて正直に話した場合、村人の怒りはリナに向かう。リナを村人に渡すようなことがあれば、私刑のうえ、惨殺されるだろう。
★ビルと報酬
- 何らかの証拠を持ち帰ると、ビルは約束通りの報酬を払う。
- 証拠があれば、ビルの権勢は更に増すことになる。
- 「混沌製造機」について聞いた場合、近いうちにビルは(イリピー・オントール信徒などを含む)別動隊を編成、調査に向かわせるであろう。商売になるかもしれないからね。
- 証拠を持ち帰れなかった(持ち帰らなかった、報告しなかった)場合、ビルはしぶしぶ約束の報酬を払う。
- リナについて真実を聞けば、「身内から混沌がでて、村を荒らした」などと世に知れたら商売あがったりだし、損失を被りそうなので、手元に置いておこうと申し出るだろう(いずれなきものにするのだが)。
- 「混沌にさらわれてきた子だ」などと報告すれば、「知ったことではないので、君たちで対処してくれたまえ」。
NPCのデータ
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