RPG観測記 2001冬

ニャーが最近発売されたRPG関連物を紹介し、やりもしないで文句をたれるという、大変不愉快なコーナーです。


博士と助手の会話

博士(瀧澤仁哉/オタク):いやー、『メタルヘッド』もリニューアルされたし、意外と滅びないものじゃ。
助手(桜上水鮪子/メガネっ娘):でも博士、今手に入るテーブルトークって、だいぶ少ないですよね?
博士:う……そうだな。ちょっとまとめてみようか。
助手:まず富士見の「ソードワールド」「ガープス」は手に入りますよね。比較的新しい「天羅万象※」「ビーストバインド」「ギア・アンティーク※」「メタルヘッド※」「ヴァンパイア」「パワープレイ※」「ブレイド・オブ・アルカナ」は大丈夫ですね(※は新版)。「深淵」と「ブルーフォレスト」は…
博士:黄色信号じゃ。基本セットが入手困難になりつつある。SWとガープスは文庫版のサプリメント類がまだまだ手に入るのじゃが、中には入手困難なものもあるようじゃ。
助手:ホビージャパンから出てたものは…?
博士:「クトゥルフ」「ルーンクエスト」「指輪物語」など「深淵」以外の箱類は一部サプリメントを除いて絶望的。意外なところでは「メガトラベラー」が割と入手可能。
助手:角川、富士見のは?
博士:えーと、文庫はちょっと把握してないんじゃが…「ロードス島RPG」は手に入るかも、あと、「MAGIUS」の基本を含めた大半は大丈夫かな。しかし、実は文庫RPGは古本屋で発見できる可能性が大変高いのじゃ。
助手:じゃあ、社会思想社系も?
博士:うむ。さすがに「ウォーハンマー」は入手困難じゃが。「T&T」とかはまだ普通に売ってた気もする。因みにわしが古本屋で見かけるRPGベスト3は「ロードス島コンパニオン」「T&T」「真ウィザードリィRPG」じゃ。あれ、あんまり文庫じゃない。えーと、SWやガープスは追加ルールやリプレイはすごくよく古本屋にあるけど、基本ルールはあんまり見かけないんだよね。ないわけじゃないけど。
助手:実はRPGは、博士の嫌いな大型古本チェーン店によくありますよね。
博士:うむ。屑のような本まで無用に陳列されてるせいでな。
助手:あと往年の名作「D&D」や「ウィザードリィ」は?
博士:D&Dは主婦の友版を含めて、入手不可能。「ウィザードリィ」は旧版はもちろん、新版もさっき言った古本屋以外ではちょっと難しいかも。
助手:まあ、どんなものでも、インターネットオークションで入手できるようですが。
博士:しかし、D&Dなどの人気アイテムは、莫大な価格がついたりするらしい(あくまで伝聞)。
助手:こうしてみると結構手に入るようで、欲しいものだけはない、てな感じですか。
博士:うむ。詳しくは「RPG入手難易度」で。


『ソードワールドRPG ゲームマスターアクセサリー』補足

同梱CD−ROMの内容について、「同人フリーウェアを集めたかのよう」と書きましたが、間違いでした。訂正します。清松みゆきHPをみたところ、「ちゃんとSNEから発注して作らせた」ようです。その出来の悪さには、清松みゆきも大変憤慨したとのこと。しかしまあ、結果的には、そんな出来の悪いプログラムのせいであの値段だったとしたら、やっぱり憤慨、なのです。


『ガープス・ドラゴンマーク』

 友野詳/グループSNE 富士見書房刊 3800円 「ガープス」追加ルール

 滅びた平行世界の自分に変身して、多くの平行世界を滅ぼす侵略者と戦う、という塩梅のサプリメント。こう書くと「ミルククローゼット」みたい。プレイヤーはファンタジー風世界の有翼人の騎士、西部劇風世界の拳銃使い医師、などのアーキタイプに変身できる。アーキタイプは「気持ちは分かるが、魅力的でない」感じのものばかり。せめてもうちょっと種類が多ければ…。まあ、どうせやらないけど。もちろん「自作もできる」って書いてあるけど、ねえ。まあ、妖魔夜行的「ベタなもの」好き狙いってことか。


『ガイド・トゥカマリリャ』

 アトリエサード刊 4800円 「ヴァンパイア」ワールドガイド+追加ルール

 「仮面舞踏会の掟(人間から吸血鬼の存在を隠蔽する)」を守る側のヴァンパイアの組織「カマリリャ」について詳述するサプリメント。「カマリリャ」解説のほかに、上級の超能力のルール、マスタリングの指針など。相変わらず大変な情報量。全部読んだら何もできなくなりそう。


『メタルヘッド・マキシマム』

 高平鳴海/F.E.A.R ゲーム・フィールド刊 5000円 「メタルヘッド」基本ルール

 かつてホビージャパンから発行されていたサイバーパンクRPG「メタルヘッド」のリニューアル版。とりあえず気付いたのは、キャラクターが職歴パックを組み合わせることで作成できること。好き勝手に作れない半面、キャラのバックグラウンドが即座にできるし、キャラメイクもいい感じで簡略化できるね。黄金律的組み合わせがすぐ発見されそうな気もするが。あとは、「超能力者+交渉役」みたいな無用のクラスができていたこと。「パンドラシステム」というヒーローポイント的ロールブーストルールが加わっていたこと。しかし、特筆すべきは、過去にお蔵入りになっていたサプリメントが、収録されていること。その辺りの製作者の喜び様は、序文、後書きを参照のこと。


助手:でも、今後サプリメント等の発売予定があるのって
博士:「ヴァンパイア」。以上終わり。
助手:じゃあ、雑誌とかでサポートがあるのは…
博士:「ヴァンパイア」「真女神転生」「深淵」「レイトショウ」「天羅」「セブンフォートレス」…あと、ゲームフィールドから出てるその他のモノが毎号2ページくらいずつ。わし好みでないのばかりじゃ。


瀧澤博士のちょっといいはなし

 博士:みんなは日本で最も詳しく紹介された、架空の土地を知っているかな? そう、ロードス島じゃ。ソードワールドの「ロードス島ワールドガイド」「ロードス島コンパニオン3」が最も詳しい資料じゃが、そのほかにも「ロードス島RPG」や小説の「ロードス島」、パソゲーの「ロードス島」攻略本、アニメの資料などを合わせると、膨大な量になるのじゃ。プレイヤーに自分より詳しい奴がいて「この近くの村にはチャ・ザの寺院があったはずですよ。」などと言われそうで、最もマスターをやりたくない土地の一つじゃ。……とはいえ、みんなが知ってる標準RPG世界なので、それはそれでまあ、便利だよね。


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