RPG蒐集記 2001夏

ニャーが最近発売されたRPG関連物を紹介し、やりもしないで文句をたれるという、大変不愉快なコーナーです。


『ダンジョン&ドラゴン』

 コートニー・ソロモン(監督) 東宝/GAGA HUMAX配給 1800円(一般) 映画

 珍しい「テーブルトークRPG映画」。舞台は魔術師階級が貴族として支配する国家。その中で、突然女王が平等主義を唱え、保守派の宰相と対立。両者ともにレッドドラゴンをコントロールする伝説の杖を求める。市井の盗賊青年、見習い魔術師らがその争いに巻き込まれ、杖を捜索する羽目となる。というような筋。
 話としては、単純な勧善懲悪+若者の成長物語。特撮は一昔前の香り。
 気が付いたつまらないことを。主人公の盗賊が、中ボスの頭の上を飛び越して、背後からとどめを刺していた。「あ、なんか盗賊っぽい」と思った(ルール的にはバックスタブではないから、背面から+2の修正で刺した訳だけど)。連れの魔法使いが、「どーもこいつ、危機に陥っても魔法使わねーなー」と思ってたんだけど、あるシーンで敵が落とした(? よく観てなかった)小袋から何か粉のようなものを出して撒き、突然魔法を使った。「あ、触媒がないと魔法使えないんだ!」と気づく。わかんねーよ、わしみたいなナニ以外は! あと、この魔術師は登場したときにはメガネ娘だったのに、すぐにメガネを無くしてしまったので、残念。予告編に出てくるビホルダーは、本当にただ出てくるだけ。戦闘もしない。
 まあ、RPGなので酒場のシーンもあるのだが、それがもう「スターウォーズ」そのもの。無用にオークとかゴブリンとか居やんの。まあ、「SW」(ソードワールドに非ず)の影響力は大きいけど、あんなにそのままでなくても…。あと、あの紫の三つ目の人は何て種族?
 「D&D」の映画として問題なのは、「ダンジョンには主人公の盗賊しか潜っていない」ことや「パーティーがほとんど別々に戦闘している」こと。つまり、パーティープレイ、「パーティーの各員がそれぞれの役目を果たして協力し、危機を切り抜ける」ことが描かれていないので、なんか「D&D」っぽくはないんだよね。些細な部分は「D&D」っぽいんだけど。
 ストーリーはベタ、特撮はチャチ。見ての通り、わしのようなナニは料金分楽しみましたが、ナニでない人には全く見るところのない映画ですな。どこの館でも一週間で終わるってのはまあ、話題作の多いこの夏では当然ですね。今までなかった試みだったので、実に残念です。


助手:つまらなかったですね「D&D」
博士:…まあ。予想通りというか。パンフ見ると三部作とか書いてあるけど、もうないだろ
博士:まあ、「指輪物語」に期待かな。


瀧澤博士のちょっといいはなし

 博士:テーブルトークを映画にするという試みは世界初ですかねー。「クリスタニア」もテーブルトークアニメ映画と言い張れば言い張れなくも…ちょっと苦しいかな。「ヴァンパイア」はドラマになってるらしいですが。


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