RPG観測記 2000夏〜秋

ニャーが最近発売されたRPG関連物を紹介し、やりもしないで文句をたれるという、大変不愉快なコーナーです。


博士と助手の会話

博士(瀧澤仁哉/オタク):いやー、『ヴァンパイア』も翻訳されたし、『ヒーローウォーズ』も訳されるらしいのう。意外と滅びないものじゃ。
助手(桜上水鮪子/メガネっ娘):でも博士、テーブルトークやってるの?
博士:う……この前、D&Dやった。
助手:その前は?
博士:だいぶ前に天羅をちょっと。
助手:そうやって、やらなくなっていくんだ
博士:……


『天羅万象・零』

 井上純弌/F.E.A.R エンターブレイン刊 3800円 「天羅万象」基本ルール

 かつて(といっても比較的最近だが)ホビージャパンから出ていた「天羅万象」の新版。まあ、戦国時代風の世界が舞台のRPG。キャラクターの心に淀んだ「因縁」をロールプレイすることで「気合」(ヒーローポイント)を獲得し、「気合」を使うことで心に「業」(トラウマ?)を溜め、一歩狂気に近付く。てな感じかしら? 今回の改訂の「キモ」は「零システム」だそうなのだが…。その「零システム」のなかで気になったのは、プレイヤー間のロールプレイ相互評価システムだ。一人のプレイヤーが評価役になって、よいロールプレイをした人に、(マスターから委託された)「気合」を与えていく。一定数を配り終えたら、次の人に評価役を回す。なんだか、安心できない感じ。まあ、理屈では、相互評価によってロールプレイが促進されていくんだけど…。わしこういうの苦手なんだよなー(わし自身の問題かい)。


『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』

 アトリエサード刊 6000円 「ヴァンパイア」基本ルール

 久々(「アースドーン」以来)の翻訳もの。いわゆるストーリーテリング志向のRPG(「ゲームマスター」ではなく「ストーリーテラー」である)。プレイヤーキャラクターは全員ヴァンパイア。ルールは単純な半面、キャラを立てるための膨大な能力や技能の細則や、氏族、派閥といったヴァンパイア社会の情報が収められている。かっこいいストーリーのためならルールを曲げてもよいようなことが書かれている。なるほど人はこれを見て「燃える戦国時代RPGを作ろう」とか「もっと人間関係に特化した妖怪のRPGを作ろう」とか思うのかもしれない。


『パワープレイ・プログレス』

 山北篤/F.E.A.R ゲーム・フィールド刊 3600円 「パワープレイ」基本ルール

 どーすかねー、これ。何で? この版の目玉はなんと「ワールド作成ルール」。こんなボクでも背景世界が創造できたり、彼女ができたりするゾ! その他のルールとかは、旧版とあまり変わった感じしないけど。旧版やってない(いや…一度だけY先輩のマスターでやったよーなやらなかったよーな)けど。相変わらずプレイ時間が経験値。アニキが作れるようになったり、ネコミミやウサギミミの女の子が作れるようになったとどこかで書きましたが、調べたら前からできました。


『HERO WARS』

 グレッグ・スタフォード Issalise.inc刊 7000円位だった気が…。 「HERO WARS」基本ルール

 ベーシックロールプレイシステムと決別したRune Quest in Glorantha。内容は、購入した英語版もWebの抄訳版も読んでないので知らん! 一つだけ言えるのは「ボックスセットで買おう」ということだ。プレイヤーブックもマスタールールもボックスの中身と同じ物がバラ売りされているのだが、ボックスでしか手に入らない、冊子やマップが入っているのである。内容は日本語版が出てからだ!(スザクゲームスかどこかで翻訳するらしい)


『DUNGEONS&DRAGONS』第3版

  さあ?円 「DUNGEONS&DRAGONS」基本ルール

 わしが知っているのは、「出た!」ということだけだ! とりあえず「プレイヤーブック」「マスターブック」「モンスターブック」の三冊が必要らしい! 見た目はグッと「AD&D」に近付いた感じだな!


『RPG一発男』

 Dr.モロー ゲームフィールド刊 1000円 漫画

 「ゲーマーズフィールド」連載中の漫画だが、大半は「RPGマガジン」掲載のもの。「どいつもこいつも 毛唐のカードゲーム ばっかりやりやがって!!」「RPGマガジンって ほとんど MTGマガジン だもんな…」「来年の今ごろは RPGの記事なんて3行くらいに なってたりしてな」「このままでは いつこのページも TCG一代男やら ガンダム一代男やら はては読者参加一代男やらに ならないとも限らん」など、「RPGマガジン」終末期の有り様が仄見えるネタ満載。


博士:リニューアルものと最近の物のサプリメントは、結構出ている。書いてないけど、「トーキョーNOVA」のサプリメントとかも出ているよ
助手:でも、旧来の物はもうほとんどサポート打ち切りだよねー。バカスカタイトルだけは出てるけど、ほとんどゲームフィールドとスザクゲームスだから、コケたらみんななくなるしねー。出れば出るほどサポートもどんどん薄くなってくよねー。
博士:むう。富士見も「ガープス」はまだ出すみたいなんだけど…。それより「ソードワールド」のサプリメント出せよ。
助手:商売にならないんじゃない? 新作なら一定数買うバカがいるけど、「ソードワールドだけやってる人たち」はもう充足しちゃってるんじゃ。(「ガープス」の新サプリメントは新しいタイトルを出すのとほとんど同義であることに注意)
博士:…まあ、「ルールよりは少ない数しか売れない」んだけど…。でもみんな、ケイオスランド(※)とか行きたいよね、ね?
助手:あんた、やってないじゃん
博士:…

※:ソードワールドの世界のある地方。次にその地方を紹介するサプリメントが出るといわれている。


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