Call of Cthulhu シナリオ0104

殺戮の島


CallofCthulhuシナリオ

■元ネタ
「BATTLE ROYALE」(主に映画版)

■NPC
・田中亜美
 JACKの仲間の女の子。中学2年。
・猿島啓太
 亜美の彼氏。亜美がいなかったので登場せず。
・葉月(はづき)
 いろいろあって急遽できたNPC。文芸部長。14歳。
・百子(ももこ)
 いろいろあって急遽できたNPC。帰国子女。14歳。
・山本くん 藤原くん 前田さん
 その他の登場人物。中学生。

■本編
●1
 PCの携帯に亜美から電話がかかってくる。大変取り乱している様子。
 内容は以下の通り。
・文化部合同合宿のため、西妹島という小島に来たのだが、大変なことになった。
・同級生や後輩がもう何人も死んでいる。
・助けにきて欲しい。でも、港などには入らない方がいいし、空も危ない。
 PCが突っ込んで聞こうとすると、突然電話の向こうで叫び声があがる。
 銃声のような音が響く。超能力をもつPCなら、電話の向こうで超能力が使われる「感じ」が伝わってくる。電話は切れる。
 警察などに持ち込んでも、相手にされない。一応、西妹島の駐在所に連絡をとり、なんの問題もないとだけ告げる。
 PCたちが観念して島に向かう場合、何を持ってゆくのかを明確にさせ、別紙に書かせる。

●2 西妹島へ
1.船で向かう
 西妹島は八丈島に出た後、別の船に乗り換えねばならない。定期船は、一週間後まで出ない。
 漁師などと交渉すれば、渋々であるが、船を出してもらうことはできる。それ相応の謝礼を出さねばならない。船を持っている、買い取る(!)ことができれば、それでもいい。
 もちろん、勝手に船を盗んで向かうこともできる。当然、操船の技能が必要。
 西妹島には3〜4時間の航海が必要。
 昼に島に着いた場合、一見は何事もなさそうに見える。
 夜は、村の明かりなどが、まったく見えないことに気づくだろう。
2.空から
 どうにかしてヘリなどを用意できれば、空から侵入できます。飛行機などは滑走路がないのでダメ。
 ヘリなどを用いた場合、70%の確率で、上空を旋回しているビヤーキーと遭遇することになります。ビヤーキーは果敢にヘリ(など)に攻撃を仕掛け、小破させる。〈操縦〉ロール。ロールの如何にかかわらず、ヘリは島に軟着陸する。二度と飛ぶことはできません。
 超能力などの手段を用いても、40%でビヤーキーと遭遇。ただし、ビヤーキーは深追いはしない。

 島のマップは例のあの島のマップを使用(映画版)。
 西妹島は過疎化が進んでおり、現在、数十人しか住民はいない。3つあった村のうちの2つは既に廃村になっている。

 島に向かった中学生たちは、文化部の1、2年の部員30名ほど。

● 上陸
1.
 上陸して分かることは、まったく人(そして動物)の気配が感じられないこと。もっとも、人気のないところに上陸したにしても。
 島にある植物は、どうも生気がなく、くすんで見える。
 島にある集落には、まったく人の気配は感じられない。
 そこで〈目星〉。「学生風の人影」をちらりと遠くに見る。
 森の中、などは、そこここに「人がいたらしい跡」だけは見つかる。
 そこで〈目星〉。「人間以外の何か」を見る。SANチェック不要。

 大胆にも港に進入した場合、やはり人影は見当たらない。
 村などには彼ら以外に人は見当たらない。しかし、何かがいる気配はひしひしと感じる。
 船からPCが全員降り、半日以上そこを離れた場合、船はなくなる。NPCが乗っていた場合、NPCもろとも。
 港には、他に一隻しか船は停泊していない。後で調べれば、それは四菱関連の会社の所有であることがわかる。その他の船は、みな沖に沈んでいる。

2.
 空から落ちた場合、ランダムな場所に落ちます(海上は振り直し)。
 まあ、全員どこかに1D6ダメージ。

● 遭遇
 PCたちが、「森を探索する」「ある建物に入る」などをした場合、最初に遭遇するのは「気の触れた男子学生」である。
 彼は、意味をなさない言葉を乱発しながら、PCに挑んでくる。
 まず拳銃を向けるが、弾切れである。次はそれを捨てて、包丁で戦闘を仕掛けてくる。
 包丁を取り上げ、縛るなどすると、おとなしくなるが、彼から意味のある情報を聞き出すことはできない。
 「みんなだめだぁぁ」「殺すんだろ、オレ」「赤い奴がいるんだ」など。

● 亜美
 次にPCたちは亜美と再会する。
 どこかを通りかかったPCたちに、拳銃を向ける男子学生がいる。それを、亜美が制止する。
 啓太は非常に疲弊している(正気度が磨り減っている)感じ。「気が狂いそうだよ」「亜美が、あんなすごいことできるなんて…」

●生き残り
 PCたちは、異様にねじくれ、全身がただれた人物に出会う。(赤い)
 彼(真治)は、たどたどしい言葉で戦意がないことを示す。
 真治は、元々の島の住人である。彼は島に起こったことの顛末を話す。
 四菱の研究者たちがやってきて、調査をすると言った。村人全員を招待して、宴会を開いた。真治は仕事で遅れ、会場に近づくと、(眠らされた)村人が担架で続々と運び出されていた。
 真治はそこから逃れる。翌日戻ってくると、元村人のゾンビに追いまわされることとなる。
 現在、港の警備とホテル跡の警備が厳重なことを彼は知っている。
 助けてもらうことを条件に、彼は情報を提供する。

●中学生たちのタイムテーブル
23日午前
 中学生たち八丈島に到着。西妹島ゆきの便に乗り換え。
23日午後
 西妹島に到着。船はすぐに引き返す。すぐに島の異常に気がつく。
 電話などは通じず、電気水道など、一切使用できない。
 とりあえず、宿泊予定だった西妹分校へと向かう。当然、宿泊の準備など一切行われていない。
23日夜
 ゲームの開始。
 生徒会長が殺される。凶器はナイフのようなもの。一瞬、パニックが起こる。書記と演劇部部長が、場を収める。解決を探るのは明日にし、厳重に戸締りをし、見張りを立て、就寝。
 明け方に悲鳴。
24日午前
 演劇部部長が殺されている。再びパニック。
 校舎内に無用に銃器や武器があることが発見される。
 天文部長をリーダーとする偵察隊が出る。
24日午後
 偵察隊、港に接近。ゾンビと銃撃戦。死傷者が出る。
 この時に、亜美からPCへの電話がかかる。
24日夜
 分校では、夜半「オレ、聞こえたんだよ、一人しか助からないって」「生き残った奴だけ助けてやるって、誰か言ってるのを聞いたよ」
 南村の方から得体の知れない音が聞こえる。
25日午前
 偵察隊が戻らないため、捜索隊が出る。(リーダー:書記)
 偵察隊、薬などを求めて隠密行動。
25日午後
 偵察隊、重傷者が死亡したため、分校へ戻ることにする。
 分校で再び殺人。「生き残った奴だけ助けてやる」という声を全員が聞く。
 疑心暗鬼。犯人探しがはじまる。
25日夜
 偵察隊、またもゾンビに追われる。途中で捜索隊と遭遇し、誤射。
 銃撃戦。双方に死傷者が出る。
 分校にはビヤーキーの襲撃。分校にいた者たち、散り散りになって逃げる。
26日午前
 食料が尽きはじめる。
26日午後
 分校から出たグループA、内輪もめ。同士討ち。

●ゲームの概要
 中学生を、最後の一人になるまで戦わせる。
 生き残った者のみ、生かして帰してやると言う。
 実際は、生き残った中学生は、儀式のための生贄である。
 〈陰陽術〉を持っているまたは〈オカルト〉のロールに成功すれば、蠱毒の法ではないかと気づく。
 港に近づくと射殺する。

●PCたちへの対応
 島にPCたちが侵入したとわかったとたん、島中にゾンビが放たれる。
 ゾンビは「中学生以外を殺せ」と命じられている。つまり、徘徊しているゾンビはPCしか標的にしない。

●島での遭遇表(半日に一回)
1〜5 なし
6〜9 中学生
10〜11 中学生(好戦的)
12〜15 ゾンビ
16〜17 異邦人
18〜19 なし
20 ビヤーキー

●陰陽師
 陰陽師は、山で儀式を行っている。
 また、儀式のために、島の五箇所に呪符が配置されている。呪符は木製の板でできており、呪文が刻まれている。呪符には《隔離》に相当する呪文がかけられている。
 呪符のある場所を結ぶと、五忙星形となる。
 陰陽師は、ゾンビとビヤーキーによって守られている。
 儀式の場に接近すると、中学生を装ったゾンビと遭遇することになる。
 銃器を使うと、接近していることがばれ、それ相応の準備をされる。

■アイテム
超能力賦活化ラブドラッグ「JKP」
 2D6のPOTを持つ。POT×5%で、超能力がランダムに発動する。その後、トータルHPにPOTに等しいダメージを受ける。

■プレイヤーキャラクター
・あやむら(プレイヤー:Gom)
 クリエイター。奇妙な死を遂げる。
・山さん(プレイヤー:Gom)
 刑事。銃を持ってる。
・藤井(プレイヤー:たかや)
 元自衛官。拳銃をもつと活躍する。
・四方山(プレイヤー:おーりん)
 カーエンジニア。車を持ってる。
・米倉(プレイヤー:だんぞう)
 雑誌編集長。船を持ってる。
・泉(プレイヤー:大石)
 喫茶店のバイト。プレイには登場しない。憤慨。

■実際のプレイ
 前回のプレイで解決していなかった草薙in亜美の処遇についてPCに検討してもらう。その途中で、PC全員がJKP(アイテムの項参照)を飲んでみることになる。そこで、わしがシャレで超能力のリストに入れておいた「人体発火」が発動する。

《人体発火》 PK
消費MP:1 範囲:本人 時間:1ラウンド
 能力を持つ者本人が発火する能力。発動すると、全身から炎を吹き出して、1ラウンドのうちに燃え尽きる。周囲1m(ヘックス)以内の者は4D6のダメージを4つの部位に、2mなら3D6ダメを3つの部位、3mなら2D6を2つ、4mなら1D6を1つ、与える効果がある。本人は5D6のダメージを全部位に受け、燃え尽きる(RQの《肉体の治癒》でもない限り助からない)。時に、ダメージの低かった脚や腕の一本などが、燃え残ることがある。

 PC一人は完全に燃え尽き、NPCの草薙in亜美も燃えてしまう(死亡)。
 さようならクリエイターあやむらゆういち。君のことをボクたちは忘れない。
 亜美の精神を元の肉体に戻したあと、シナリオの導入に使おうと思っていたわしは唖然。急遽、女子中学生二人を作成、無理矢理PCたちと知り合わせる。
 物語の裏で、他人の肉体に入れられたまま、本来の肉体を失った亜美は大変数奇な運命状態になってしまったのだが、まあ、しょうがない。
 数日後、葉月から助けを求める電話がかかってくる。
 PCたちは下調べなしで、即島に乗り込む。所持する小型船で、岸壁に乗りつける。ここでNPCを船に残し、島から船を離れさせたのは、大変賢明かつマスター的には残念な判断であった。PCの私物だけに、ぜひ沈没させたかった…。
 PCは心神喪失状態の中学生に遭遇後、港を守るゾンビと遭遇。戦闘。その後、葉月たちのグループと合流。合宿の予定地で、多くの生徒が残っている分校へと向かう。
 が、分校はビヤーキーに襲われた後であった。生徒たちは散り散りになってしまっている。分校周辺に残っていたグループと合流。武器も入手する。
 この後、PCたちは生徒たちを船に乗せ、NPCに八丈島に送り届けさせる。
 PCたちは引き続き島内を捜索。神社や寺院内で儀式用の呪符を発見する。射撃でこれを破壊。ちぇ。手か近接武器で触れてくれないと…。
 PCたちは灯台へ向かう。「BR」を観たプレイヤーの予想通り、灯台には生徒たちがいて、ばんばん射撃してきた。PCたちはこれを説得。船が戻るまでの間、生徒たちをここに立て篭もらせ、自分たちはさらに調査に出た。
 港で車を調達すると、まだ行っていない場所へと調査に向かう。途中ビヤーキーと遭遇するも撃退。
 車を降りて調査中、「赤い人」と遭遇するが、これは射殺。
 その後、陰陽師&中学生ゾンビと出会って対決となる。陰陽師が素のままの魔法のルールで魔法攻撃をしたら、全然通らず、魔法の弱さを実感。そんな間に陰陽師は拘束される。
 PCは陰陽師を尋問するが、肝心なことを言おうとした陰陽師の肉体は崩壊する。
 そして朝日とともに、迎えの船からの通信が入るのであった。

■その他
 当初は「陰陽師によって生徒が一箇所に集められ、腹中に「虫」を植え付けられ、「一週間で虫が育って腹を食い破る。殺しあって最後に生き残った一人だけ助けてやる」と陰陽師に言われる」という展開を考えていた。が、あまりにも「そのまんま」だし、収拾がつかなそうだったのでやめた。まあ、もともと「バトル・ロワイアル」って人間蠱毒ができるなあ、と思ってできたシナリオなので。
 アイホート(クトゥルフルールブック参照)も考えたんだけど、潜伏期間が長すぎるんで。「ジョジョ」第二部か「コブラ」ダーククルセイダー編向き。
 遭遇表とかも作りましたが、全然振りませんでした。「バトル・ロワイアル ランダム武器決定表」も途中まで作ってたんですが、プレイに間に合わず(ていうか何に使うんだ、それ)。
 初回よりあまりに便利に活用されている「携帯」「ネット」「車」の使えない状況を作ろうというのも、今回のねらい。この三種の神器は、導入された「魔法・超能力ルール」の300倍くらい便利に活用されているし。(まあ、魔法とかはわざと「使いにくい」ようになってるけど)
 まあ、次回からは衛星携帯電話がPC間で普及したりするかね。ところでイリジウムって今もあるの?
 あっち側も「ディープワン」「ミ=ゴ」「ビヤーキー」「ティンダロスの猟犬」など有名どころは出してしまったので、次回はより未知の生き物かも。
 そういえば以前、ティンダロスの猟犬が意外と簡単に撃退できましたが、それはわしが「魔法の武器からしかダメージを受けない」という部分を見落としていたので。次に会ったときには、まあ、そういうことなので。

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