秘書猫パンジャの記録

6月3日(土)
早朝に母から電話あり。
受話器をとるなり子猫の鳴き声。それもかなり頼りない。
「ねぇ。猫拾ったんだけど、あんた飼わない?」
わが家は昼間誰もいなくなるので、動物を飼うことは諦めていたというのに、 あまりにあっけらかんとした母の言い方につい、「見に行く。」と答えてしまった。
夕方、都内で約束があったにもかかわらず、数分後にはハンドル握りしめ、千葉の田舎へと向かう。

母の話を総合すると、それは、「ペルシャみたいな長毛種の白猫で、目が青、洋猫の顔つき」らしい。片手に乗るほど、 小さい、とか。
正直、私はペルシャで良しとされている「へちゃむくれ顔」が苦手。
長毛種で、洋猫の顔つきとなると、かなり「へちゃむくれ」てるんではと懸念される。
困ったな。子猫は欲しいけど、きりっとした顔の方が好きなんだよな。
などと思いながら1時間ばかり車を走らせると実家に着いた。

拾ってきてすぐのパンジャ
実家に着いて子猫と対面。
なるほど。
白くて長毛。でこっぱち。顔のパーツが全て真ん中に集まっている。
たしかに、実家のアメリカンショートヘアの子猫時代とは、全然顔つきが違う。
この顔が大人になったらどう育つのか、へちゃむくれになったら困るなぁ、でも、飼えば都かなぁ などと思案している私の脇で、子猫にすっかりめろめろになっている母が 「ね、可愛いでしょ。こんな可愛い猫は見たこと無いわ。」と褒めちぎる。
さて、どうしたものか。

結局、相方にも夜に来てもらって、2人で飼うか飼わないかは決めることにした。

一端、夜の約束のために都内に行き、そこから相方と実家に帰ることにした。

夜、再び実家に行くと、相方は猫が白いのを見ただけで、感動してしまっていた。
どうやら、彼の頭の中に「白い猫」というものは存在していなかったらしい。
「へええ。白い猫っているんだ。」とわけのわからない感想をつぶやき、猫を見ては感動している。

一日猫を眺めていて「うちで飼う」事に決定。
顔が好みではないとはいえ、白くて頼りない存在に心動かされた私と
白い猫という存在に心動かされた相方。
とはいえ、まだ子猫のうちは、昼間家を空けてしまう我々には世話が出来ないので 実家で預かってもらうことにした。
立派な抱き猫に育てるために、母に、子どもの頃から 抱いて抱いて抱きまくることをお願いした後、 実家の猫、プーを乳母兼教育係に任命。
プーには、私たちでは教えられない猫界の掟をみっちりたたきこんでくれるよう 依頼した。

名前は相方が電車の中で考えていたらしい。
ネコ科最強のオスになるようにという願いから、 パンジャ(ジャングル大帝のレオのお父さんの名前)か、小鉄(じゃりんこチエに出てくる猫) が候補だったらしい。
猫が白いという事実から、猫の名前はパンジャに決定。 私が口を挟む隙さえ、与えられなかった。

翌日、母の手によって初病院を果たしたパンジャは医者に衝撃の告白をされることになる。
「あ、メスですね。」
何匹もの子猫を育て上げてきたにもかかわらず、この猫はオスだと豪語した母にとっても パンジャという雄々しい名前を付けた私たちにも痛恨の一打。
その後、メスにふさわしい名前を考えたが、結局は パンジャという名前に対する相方の思い入れが強かったために そのまま続投。
・・・今に至る
生後一月半位?
ぐー
2001年3月現在、彼女は9カ月。 顔は、まったく普通で、でこっぱちの集中顔だった面影は全くない。
目下、我がjunkfactoryの立派な秘書猫として活躍中。

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