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「ヨンサン ハチロク」の普通

※1 フィルター径52mm HN-3フード使用可

※2 通称「ヒゲ」と呼ばれる被写界深度目盛り

※3 直進式ズームを86mmまで繰り出した全長が

  一番長い状態

Nikon F-3とAi Zoom- NIKKOR 43〜86mm F3.5及び

Ai NIKKOR 28mm F2.8sで撮影

 

 上の写真に写っているのは、ニコンFマウントの初めての標準ズームレンズとして生まれた

Zoom Auto- NIKKOR 43〜86mm F3.5 通称「ヨンサン ハチロク」の末裔です。

今となっては地味な存在のレンズです。雑誌等でNikon F2の特集が有ると植村直己氏の

F2チタンに装着された「ヨンサン ハチロク」を、目にするくらいでレンズそのものの

記事を目にすることは少ないでしょう。因みに植村氏は、Zoom NIKKOR28〜45mm F4.5

との組み合わせで使用していたようです。

 このレンズの外観の特徴としては、今では珍しい直進式のズームレンズだということで

す。この頃のズームレンズとしては当たり前の、被写界深度を示す「ヒゲ」も、今となっ

ては懐かしい存在です。

 さてここでは、43mmというニコンでは珍しい少し広角ぎみの画角を、35mmと50mm

のレンズと比較してみましょう。

35mm
43mm
50mm
Nikon F3にて絞りf8AE撮影
 この作例を見てもお分かりの様に、少し広角よりではあるが標準レンズに近い画角である事が、見て

取れると思います。個人的には、40mmであったならば広角レンズとして使えただろうし、このレンズ

の運命も変わってきたのではないかと思います。

 最短撮影距離が、1.2Mで広角側が43mmでおまけのマクロ機能も無しと、飛び抜けた特徴の無い

いたって普通のズームレンズが「ヨンサン ハチロク」です。

 Ai-sになること無く消えていったレンズですが、程良い大きさと重さで使いかっては悪くありません

私としては、直進式のズームレンズが好きなので、スナップのお供に連れ出したりします。F値が3.5の

固定なのも精神衛生上好ましいものが有りますが、使うときはf5.6より絞って使うレンズです。開放

近辺の描写は、お世辞にも良くないので・・・(ニコン様ごめんなさい)

レンズ名 画角 レンズ構成 最短撮影距離 最小絞り 重量 発売年月 価格
Zoom Auto NIKKOR43〜86mm F3.5 53°〜28°30′
7群9枚
1.2m F22 410g 1963/1 32.300円
Zoom Auto NIKKOR43〜86mm F3.5C 1974/2 38.000円
New Zoom NIKKOR43〜86mm F3.5 8群11枚 450g 1976/4 43.000円
Ai Zoom NIKKOR43〜86mm F3.5 1977/3 44.000円
参考文献 ・ニコンF3完全マニュアル (株)えい出版社

・使うニコン (株)双葉社 著者 飯田 鉄


撮影データ
Camera Nikon F3
Lens Ai Zoom-Nikkor 43〜86mm F3.5
Film 400PR
絞り f11(AE)
2001/07/01撮影

(C)ぴょん吉

 

  モノクロフィルムを詰め込んだカメラと相性が良い様に思ふ。

(2002/3/30 ぴょん吉)

 

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