■ 秘宝堂 [Reflex-Nikkor 500mm F8 <New>] Page 1

menu

 

 というわけで「Reflex-NIKKOR 500mm f8 <New> 様」です。

 この神器は、一時期たいへん流行った「レフレックスレンズ」というタイプのレンズで、その名のとおり、レンズに入ってきた光を鏡筒の中で二回反射(=レフレックス)してフィルムに伝えるという仕組みのレンズです。

 そのため、このニコン様の長所はなんといっても、その焦点距離の割には小さく、軽くおわせることでしょう。徒歩でのお散歩撮影スタイルでも、さほど気にせずお連れすることができます。サファリパークなどで、狭い車内から中距離にいる動物の表情を狙う場合などには、持ってこいのレンズといえるでしょう。

 この望遠を生かせば、ポートレートも自然な表情で撮影できます。ISO400のフィルムを詰めることでGN28のストロボで7mまで離れて撮影できますので、結婚式の披露宴などでは、フィルムの端に室内の明かり等をワザとピンぼけさせて撮影し、レフレックス特有のリングぼけを画面の隅に写し込んだ後、多重露出を使って、遠くから花嫁さんの自然な表情をこっそり狙えば、プロ顔負けの写真が撮れる事まちがいなしです。

 1.5m弱という最短撮影距離も、500mmという焦点距離にしては優れものと言えるで しょう。つま先立ちをすれば、ギリギリ床が撮影できてしまうという最短撮影距離。小さな名刺をファインダーいっぱいに捕らえることさえも可能で、もはや「マクロレンズ」と呼んでさしあげてもおかしくはないお力です。
 短所はやはり暗いことでしょうか。「f8」という絞りは固定ですので、開放もなにもありません。常時「f8」ということになります。

 手持ちで撮るとなると1/500は欲しいところですが、そういう条件だとISO100のフィルムでは「ピーカンでやっとこさ」ということになります。つまりベルビアは問題外になります。

 画質が大きく低下する寸前ということでISO800を詰めても、少し暗いシーンはアウト。撮る条件を選ぶレンズといえるでしょう。

 マニュアルフォーカス専用というのも短所といえば短所でしょう。直径8cmを超えるピントリングを手動で一周半も回転させるのは容易ではなく、気がつくと腕がキメられた状態になっていることも少なくありません。また、軽いとはいっても手持ちには負担で、腕はプルプルしファインダは地震中継状態。絞れないためにピント面は紙一重、まさにピント合わせはニコン様頼みです。

 しかし、逆説的な利点もあります。このレンズの「望遠にしては小さく軽い」という長所を生かし、手持ち撮影をするなら、そのF8固定という暗さゆえ、高感度フィルムが手軽に使えるネガしか選択の余地がなくなります。

 また、f8の固定絞りレンズですから、絞りの選択の余地ももちろんありません。フードも自作する以外、申し訳程度に、長さ1.5cmほどのものしか付属してませんので、やっぱり選択の余地はありません(実は写真に写っているレンズの先端1.5cmは添付のフードだったりします)。フィルタにしても、前に装着しようものならこの大口径、そうは種類がありませんし、後ろに装着するフィルターは5枚が最初から付属されています。

 ということで、このレンズの場合、ないないづくしを楽しむレンズといえそうですが、私的には、お連れする頻度はかなりのものになってます。望遠も体験したいけど、持ち歩きが……というあなた。1本お迎えしてはいかがでしょうか?撮影の幅がぐーんと広がることまちがいなしのありがたい神器ですよ。

Reflex-NIKKOR 500mm f8 <New> 様 ご活躍写真

 

(C)フルタニアン
富士サファリパークにて



(C)フルタニアン
結婚式2次会の招待状

(2001/5/22 フルタニアン)

■ 秘宝堂 [Reflex-Nikkor 500mm F8] Page 1

menu