■ 秘宝堂 [Nikon FA Gold] Page 1/2

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  「おお〜っ、こ、このマブしいお姿は〜っ、一体全体、どこのどなた様だぁ〜っ!。」

っと、思わずひれ伏したくなるような(えっ、ならんてぇ?。そのような不届者は、この先読まんでもよいわぁ〜っ)神々しいお姿!。ボディには「FA」の文字がぁっ!。 そうなのです(って、なにが「そう」なのかよう判らんが)。畏れ多くもFAゴールド様で御座いまするぅ〜っ!。へ、へぇ〜っm(_ _)m。

 少なくともこの当時、実用一点張りであられたニコン様に於かれては、それはそれは珍しい限定モデルであられたのでした。某ラ○カみたいに、色違いやら、なんとか記念やらの限定モデルの洪水で、スタンダードモデルの方が希少価値のありそうな状態だと、ゴールドモデルは珍しくもないんですけどね(^^;。

 でも、よーっく考えてみたら、ニコン様でも、F2Titan様や、レンズとボディ、ナンバーお揃いセットのF3T(白)様と、この頃からこの手の商魂逞しい商品が出始めたんですなぁ(-_-;。

 いやいや、邪念に囚われてはならぬわいっ!。

 兎に角、ニコン様から市販された、唯一のゴールドモデルだったのですっ!

 えーっと、ここでなんで「市販された、唯一」なんて説明入れなければならないかってねぇ、まぁ、黙っていた方が価値も上がっていいんですけどぉ。実はニコン様謹製のゴールドモデルとしては、残念ながらすでにF様、FM様がいらしたんですね(^^;。もちろんそのお二方共、ニコン様ご自身からの贈答用で、特にFゴールド様は、ほんの何台か作られた程度らしいですけど。

 さて、このFAゴールド様。その名の所以の金色(「こんじき」って読んでね(^^;)の装いは、単なる金色仕上げではなく、な、なんと正真正銘純金(24K)メッキなのです!!。厚さは平均約5ミクロン。専用取り説によると、「上カバー、アクセサリーシュー、底カバー、巻き戻しクランク、エプロン部、シャッターボタン、レンズ着脱ボタン、電池室のふた、連動接点キャップ等、合計20ヶ所」、となっています。

 あれっ、9点しかないぞぉ?。あと11ヶ所はどこじゃいな?。ネジの類も点数に勘定されているのか、と勘ぐりながら、取り説の先を読むと、「またこのほかに、上カバーや底カバーを止めているビスや、付属のレンズの着脱リングも同様の仕上げとなっております。」ということで一安心(^^)。

 レンズキャップのニコンのロゴは、流石に金メッキでは無く、「金色仕上げ」だそうです(^^;。ちなみに付属のレンズの公式名称は「50mmF1.4Sゴールド」で、最初から「露出計連動爪」(カニ爪)が付いていません。

 このFAゴールド様がニコン様のサービスに持ち込まれると、「それは大変な騒ぎで。何しろ、高価なものですし、純金で柔らかですからキズがつきやすいというので、その取り扱いには大変神経を使ったものでした。」(関係者談)だったそうです(^^)。

 ふんふん、流石、高級感に溢れかえっておるなぁ、なんて思いつつも、ちょっとした疑問が・・・。だいたい、このFA様に使われた金の価値ってどのくらいなんでしょう?。全く大雑把ですが、金メッキを施された表面積は・・・、えーっと・・・、うーんと・・・、えい、まぁ400平方センチくらいにしておきますかぁ。で、厚さが5ミクロン=0.0005センチですから、全部で0.2立方センチ。金の比重は約20、って事は、総量約4グラム!?。計算合ってるかなぁ?。今、金は1グラム・・・、え〜っ!、たった千円ちょっとなのぉ(;_;)、と、答えを出すと悲しくなりそうなので、この件はお終いっ(^^;,。

 さてさて、なんでゴールドモデルが出されたのかってぇ?。おまけに当時のフラッグシップF3様でなくてFA様でぇ?。

 それはですねぇ、FA様が1984年6月に「第1回カメラグランプリ」を受賞されたからなんですねぇ。カメラグランプリは今でも毎年授与されます。しかし、その栄えある第1回を受賞したのがニコン様、というのは当然と言えば当然ですが、うーん、やっぱりジーンと来ますねぇ(^^;。ちなみに受賞理由は、世界初(異論もあるでしょうが・・・)のマルチパターン測光機能でした。ニコン様現行AF機の全てに搭載されているこの機能のルーツは、FA様だったのです。

 その受賞を記念した「グランプリ銘板」が、誇らしげに追加されています。

 思えば、主にドイツ製カメラに追いつけ追い越せと、戦後発展を続けた日本のカメラ産業。技術的に、60年代にはトップに並び、70年代には単独首位に立った感がありました。しかし、なんにしろ舶来好みの日本人(だけじゃないですけど)。特に一般消費者にとって、海外での受賞には関心、ステータスがあっても、日本国内のカメラの品評会でどうのこうの、なんてのには、その当時、あまり興味無かったでしょうね。

 それが1984年、日本国内で、日本人による、初のカメラ品評会が大々的に行われた訳です。これは日本のカメラ産業の歴史に於いて、人類の月着陸に匹敵する大きな出来事だったでしょう(^^;。

 カメラと言えば日本製、というのが当たり前の世の中になったんですね。輸出向けカメラに行われていたJCII検査も、この頃から徐々に廃止。日本のカメラ業界が名実共に世界一になった、輝かしい時代でした(^^)。

 そんな中での第1回受賞。「こりゃもう、なにがなんでも受賞に相応しい、豪華な記念モデルを出さずにはおられんわい!。」ってな勢いだったのではないでしょうか(^^;。

 

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