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S3様とNikkor 3.5cm F2.5様S3ってどんなカメラ?

 ミレニアムモデルで一気にブレイクしたS3。 SPというスーパーマシンのスペックダウンモデルとして捉えられている(実際にはSP 3兄弟のベースモデルとして同時に開発されたようです)S3ですが、3.5cmのフレームがSPよりも使いやすいということが大きなアドバンテージといえます。等倍ファインダーの3.5cm枠というと、周辺まで認識するのはきつそうに感じられますが、S2のフルフレームや、同じフレーム構成のキヤノンPなどより遥かに視野が広く、非常に実用的です。また、パララックス補正が入っていないのも、ファインダーのクリアさを確保する上では役立っているのではないでしょうか。
 もう一つ、SPと比較して優れているのは重量バランスでしょう。SPは複雑なファインダー機構を持つため、 ホールディング時にやや頭が重い印象を受けます。ファインダーがシンプルなS3はニュートラルです。反面、シャッター音は同一と言われているSP布幕よりもやや大きい印象があります。これはファインダーの構造や、重量からくるものなのか、私が接したことの有るボディの個体差なのかはなんともいえないところです。

S3様ファインダーS3のファインダー

 デジタルカメラでS3のファインダーを撮ってみました。 外側が3.5cm(黄緑)、真中が5cm(白)、一番内側が10.5cm(白)のフレームです。各フレームの内側に見える小さい三角マークは、パララックス補正マークです。 対物側からライティングしてますので、かなりフレアーっぽいですが、実用範囲ではもっとクリアです。また、個人差があるので断言はできませんが、3.5cmフレームはこの画像より見易いと感じています。残念ながら、二重像で スプリットイメージ的なピント合わせはできません。

作例S3の実用性

 個人的には、Nikon Sマウントレンズを楽しむのに最も向いているボディがS3であると考えています。それは、3.5cmと5cmレンズの使用感に他のモデルにはない使いやすさがあるからです。特に3.5cmはSマウントレンズ中で最もバラエティがあり、F値、新旧の差も使って楽しいところですから、ストレスを感じないフレームは助かります。そして5cm使用時は、フレーム外側の余白が大きいので、レンジファインダーの本領発揮、といったところでしょうか。

  なんだかんだいわれても、復刻にあたってNikon様がS3を選ばれたのはやはり納得がいくところであります。

 作例は、横浜にて、レンズは5cm F1.4の黒鏡筒です。 瑞々しく写る好きなレンズです。

(のんこ)


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