Nikon S2様は1954年5月発売を予定していたが、フォトキナーでのM3の出現により日本光学は、当初目標にしていたVfの機能はクリアーしているもののM3との性能の差に発売を延期、フィルム巻き上げをレバー化(小刻み巻き上げ可)、フイルム巻き戻しにクランクを使用、ファインダー倍率を等倍にするなど変更を行い、約半年遅れの12月10日発売となったライカとはちょいと因縁のあるカメラです。
しかし、半年間ではM3の可変ブライトフレーム・一軸不回転式シャッターの対応が取れず、1957年に日本光学はSP様を発売、S2様は主役の座を譲ることとなります。
S2様には、前期モデル・後期モデル・ブラックモデル・モータードライブ対応のS2Eが存在しますが、いまだかつてS2E様のお姿を写真ですら見たことがありません(笑)。前期モデルと後期モデルの違いはシャッターダイアル・シンクロ切り替えダイヤルの色がクロームがブラック違いです、一度ニコンハウスでS2ブラックオリジナルを見ましたがとても手が出る金額ではなかったです。もう一台お迎えしたら黒塗りにしたいです(自爆)。
私のは前期モデルですから約40年前のカメラですが、巻き上げは『しっとりスムーズ』・フォーカシングギアは『滑らかな動き』・シャッター速度は『狂い・バラツキもない』、それもニコンサービスでOHしたお陰です、S2様をお迎えになったら一度OH出す事をお薦めします。
使い勝手ですが、シャッターボタンの位置が手前過ぎるとか、50mmのフレームしかないのは不便だと言う声も聞きますが、使う人が慣れる・使い方を工夫すれば良い事です、私はシャッターにはAR-1を付けて指先と言うより指の腹部分で押すような感じで対応、良く使う35mmレンズ使用時はファインダー全体がほぼ35mmフレーム代わりであることが判りました。
S2様の絞りを決め・シャッター速度を決め・ピントを合せてシャッターを切るテンポは、下町を歩きながら写真を撮るのにはピッタリ。
S2様は、『シンプル is ベスト』そのものです!。
あえて欠点となるのはレンズが少ないことですネ(笑)。