その日、父親は初めて一眼レフカメラを購入した。まるで壊れ物を扱うかのように箱から取り出されたブラックボディのカメラ。
箱にはNikon FEと書かれていた。同じように、丁重に箱から取り出されたAi
Nikkor 50mmF1.4がFEにセットされる。
(ニコン様に導かれた時・HARI編より)
この「ニコン様に導かれた時・HARI編」は、一部を除けばフィクションである。初めてHARIが手にした一眼レフはFE+Ai
Nikkor 50mmF1.4であった。
その後、HARIがFE2及び(AFの誘惑に負けて)ミノルタα7700iを購入するまでは、HARIが撮った写真はすべてFEを使用していた。そして、FEは常に期待に応えてくれていた。
これは、考えてみれば当然の話である。当時、主力だったニコンのF一桁であるF3のサブ機として姉妹機FMとともに多くのプロカメラマンに愛用されていたのだから。(サブではなくメインとしても使われた事は言うまでもない。) |