< F2ケタシリーズの上位機種 >
1992年9月発売のF90はワイドタイプのクロスAFセンサーや、3Dマルチパターン測光の採用、ストロボのマルチパターン測光化など、当時の新機能を搭載したモデルです。ネーミングもF2ケタシリーズの最初の機種となりました。
さらに改良が加えられ94年10月に発売となったF90Xのベースとなったモデルでもあります。
Dタイプレンズを使用すると距離情報を測光のデータに加味して最終的な露出を決めるので、より正確な露出が得られる、と言うことでしたが私が使ってみた限りではその効果が的確に現れるのはストロボ撮影時です。日中シンクロやスローシンクロで3Dマルチ調光はそのすばらしい真価を発揮すると言っていいでしょう。
F90Sの裏蓋にはマルチコントロールバックMF−26が標準装備されています。夜景撮影をよく行う私にとってインターバルタイマーとブラケット撮影を同時に行える機能は評価しています。夜景の微妙な光の条件では適正露出を得ることが難しく、この機能はとても役立っています。
おそらく35ミリカメラとして初めて電子機器との接続を可能にしたのがF90でしょう。
これは当時としては先行技術だったはずで、F90はある意味で新技術の市場実験的な役割を担っていたのではないでしょうか。この技術は後に発売になるF5にモディファイされた形で搭載されているのです。
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