■ 秘宝堂 [Nikon F3 (F3の初期から中期にかけての変更点)] Page 1

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 私が調べて分かった範囲で書きます。後期までに更に変更されてるでしょうし、中期まででも多々見落としが当然あるものと思われます事を最初にお断りしておきます。

防滴性能の強化

  下カバーを外すと分かりますが防滴用ゴムカバーが現在は貼って   有ります。以前は有りませんでした。   F3の底部ゴム以外の防滴強化についてですが、外から見える部分として、’82年3月に発売されたハイアイポイントファインダー(DE−3)は、カメラ本体との合わせ部周囲に防滴用のゴムが貼られています。  

 また、その他内部については水滴浸入防止用のオイルバリアー(水滴をはじく撥水性の溶剤)塗布を随時実施してあるとのことです。(シャッターダイヤル、巻き戻しクランク廻りの防滴性があがりました。)

 底部のゴムの追加ですが、これは結構早くて81年頃との事です。

  • MD−4も同様に初期より防滴性アップの改良が施されてるとの事です。

シャッターダイヤル廻り

  シャッターダイヤルのスローシャッター目盛りの8秒のとなりのバルブ(B)がオレンジ色から白に変更。これはバルブと8秒を間違え易いとのことからの変更。カタログより   82年頃と思われます。

多重露出レバーの形状の変更

 これは初期は太短い感じの物から若干細長い感じの物になりました。操作性からかどうか、理由はちょっと分かりません。普通のF3とスペシャルモデル(F3P、F3L、F3T)との違いでフィルムカウンターの地色が青から白へ。多分視認性向上の為と思われます。またPやLはカウンター窓の形状も円形になってます。

ファインダースクリーンの改良

  ファインダースクリーンが初期の物より約1/3EV明るくなりました。スクリーン枠に赤点が追加されて識別可能です。これは82年頃からの変更です。

フォールディンググリップの素材の変更

 初期はF3のデザイナーであるジウジアーロが拘ったステアリング素材のビニールレザーでした。これがクロロプレンゴムにシボを打って滑りどめ効果をあげた物に変更。81年終わりか82年頃に変更になりました。82年末に出たF3Tでは既に改良型になってます。

 そのほかメモリーロック釦のRと突出量が違い、現行の物の方がRは小さく尖っており、突出量も多く操作し易くなってます。

 前板(前ボデーダイキャスト)の形状も初期はマウント側から見て11時と1時付近に突起が有りません。中期の物とAFモデルには有ります。

 これは1983年4月   (S58年)に発売された、F3AF用の前ボディダイキャストと   共通化したため、AFレンズとの通信用接点を取り付ける、ビス穴の肉付け突起がそのまま残っている為だそうです。初め初期のニッコールレンズ2.1cmF4を着けるためのレバー代わりに追加されたかと思いましたが、上記の理由だったのです。

 因みに2.1cmはF3では使えません。F,F2ではミラーアップして使えることは皆さんご存じだと思います。しかしF3ではミラーボックス内の底部に、露出測光用の受光素子の入るスペースを確保するため狭くなり、ここがレンズ後方と干渉するためだそうです。またF4にも同様だそうです。もちろん無限止めのレバーが無い事も理由に有ります。

 イルミネーターボタンの形状の変更も初期より操作し易くなってます。

  • 春に販売が終わってしまいましたがF3PはF3の中では防滴性が高いモデルです、F3を使いたいと思ってる方はこちらを探してみても宜しいかと思います。

(丸前)

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