■ 秘宝堂 [Nikon F3] Page 1/2

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Nikon F3 の主なスペック

型式 電子制御式35mm一眼レフカメラ
レンズマウント ニコンFマウント
測光 中央部重点ボディー測光
露出制御 絞り優先・マニュアル
シャッター チタン幕メタルフォーカルプレーンシャッター
(8〜1/2000秒、タイム、バルブ、X<1/80秒>)
シンクロ X接点のみ、X(1/80秒)以下で同調
電源 1.55V銀電池(SR44タイプ)2個、3Vリチウム電池(CR−1/3Nタイプ)1個または1.5Vアルカリ電池(LR44タイプ)2個
大きさ・重量 約148.5×96.5×65.5mm・約715g(ボディーのみ、電池除く)

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F3、ニコン最後のMF一桁機オリジナル、F4は無くなっても現行製品。露出制御は絞り優先AEとマニュアルです。

シャッターは8秒から1/2000までとT、B、X同調は1/80、ストロボは専用スピードライトにてTTLオート制御可能。視野率は100パーセント。金属ボディ発売は1980年、この年に産まれた子はもう来年大学受験(家の従兄弟の子がそう)。

当時はP社LXやC社NewF-1、当時Y社のCブランドRTSU、M社のX-1(motor)等のヘビー級35oが各社から発売されていました。私は初めて1眼レフを購入した直後であったので興味津々でした。しかし、しがない中学生にとっては高嶺の花、ボンボンか親がカメラマニヤでもない限りおいそれと手にできるモノではありません。

あと、F一桁といえば超重い、放送部のモヤシ君である私にはとても扱えないだろうと思っていました。それに当時はカメラよりオーディオに興味があったので、少ない予算はそっちに消えて行くのでした。

月日は(ドドーンと)流れ、ちょっとした弾み(笑)で私はニコン信者の会の会員になってしまいました、しかし何と入会当時ニコンのカメラを持ってなかったのです。以前持っていたことはあったんですが、ちょうど空白の時期なのでした。

ただ慢性ツアイス症候群に陥ってボディの故障に泣かされ、ハッセルの故障でノックアウト寸前になった私は丈夫なニコンボディの購入を検討していたので、ちょうど良い踏ん切りとなったのです。

中古で、丈夫なMF現行機ということで当初FM2titanが候補でしたが、4,000円の違いでF3を見つけてしまい、ボーナス一括払いにて購入してしまいました。5月4日の事でした。

私の購入した機体は、値段も値段だけあって、初期のモノです。Noは13から始まりますし多重露出レバーも大きいタイプです。外見の状態はまあ並の上てなモンです。ちょっと肩の塗装が剥がれてますが、今更F3のピカピカをぶら下げるのも気恥ずかしいと言うことにして一人納得してます。

さて、さすがにF一桁、持った感じが違います。ガッチリしていて手応えがしっかりしています。骨が太いというのが伝わってきてて信頼感があります。巻き上げは、比較的スムーズですが、始めと終わりとでトルク感に変化があります、巻き上げ完了直前にガックと抜ける感じがあり、F3以前やM社の古いモノと比べると気持ちよい巻き上げとは言い難いところもあります。

レリーズ感は深くて重いと感じました、しかしそれは私がコンタックスを常用しているからでしょう。どの辺で切れたかは分かりやすいので、よいレリーズです。シャッタースピードのダイヤルも回しやすくて良いのですが、回転方向が他社と違うので慣れるまで暇がかかりそうです。

裏蓋開閉の2重ロックは慣れると別に気になりません。

さてファインダー、標準装備のスプリット・マイク・ロマット(k)で、50o f1,4をつけた時の見え具合はとてもクリアでHPより高い倍率はピントの山もつかみやすく出来は上々です。

ただ解放f値が4より暗いレンズになると、とたんにマット面がざらつき、スプリットもマイクロもちらつき、鬱陶しくなります。絞り込みプレビュ時も同様です。さすがにピントの山は分かりますが、気持ちよいとは言えません。全面マットでもこの傾向は変わりません。対策としてF4のスクリーンと入れ替えようと思います。

またファインダー情報も親切とは言い難いモノがあります。一応シャッタースピードが液晶で表示されます。後、直で絞り値も読めます。ストロボのチャージ完了も出ます。マニュアル時+−の表示は出ますが、一体何段ずれてるのか分かりません。

AE時も露出補正やAEロック等の表示もありません。暗いときの表示を照らすライトのボタンはないも同然です。中央部重点測光は結構癖がありますが、慣れで解決できる範囲でしょう。ボディ測光なのに、ハーフミラーを使っていないので、偏光フィルターも普通のものが使えます。

シャッター音は高級感のある心地よいモノですが、ミラーの作動音はちょっとうるさく思います。レリーズ時のタイムラグは短く、画面の消失時間も今のAF機と比べるとすごく短く感じるでしょう。当時としても短い方です。

ミラアップや絞り込みプレビュは勿論完備。露出補正はありますが、その都度固いロックを解除しなければならないので実用とは言いがたいモノがあります。AEロックは押している間だけ作動するタイプで、手巻きの場合場所は悪くはないのですが、モードラ装着の場合ちょっと指で押し続けにくく、今となってはついているだけと言っても良いでしょう。

そしてモードラ、デザインのマッチングは取れてるんでしょうが、でかい重い、うるさい、電池は単三8本もいる。でかいのに縦位置レリーズボタンがビルトインでない。三脚の穴も偏ってしまう。対策は別売アクセサリーが出ていますが、アルミの固まりのようなモノで、ただでさえ重いのにさらに重くなってしまいます。付けっぱなしだとちょっと辛い。

でモードラしかない。ワインダーはない。しかし秒5、5コマ(単三アルカリだと4コマ)はいらなくても付けてないと片手落ちの感がします。重い固いはF一桁の伝統と割り切りましょう。

しかしフィルム装填時にモードラの着脱ができないのは不便です。するとかぶります。あとクリップオンストロボが専用以外つかない、付けると手動巻き戻しが面倒です。これもアダプターはありますが、私はグリップタイプの社外品の外光オートストロボをシンクロコードで繋いでます。シンクロ接点があるのも今となっては上級機の印でしょうか。

フィルムのあたるレールはとても幅が広く、今の一般のモノの倍はあります。長さも充分です。フィルム圧版も見合ったモノがついています。フィルム平面性の高さが伺えます。ミラーボックス内の内面反射もよく処理されていますが、TTLの受光部が気になります。ファインダー及びスクリーンの脱着も分かりやすくスムーズ。

ファインダーの外装が少し薄いのでは?という感じもしないではありませんが、クラッシャブルにしてプリズムを守っているという話を聞いたことがあります。

結論としては、F3は堅牢で、信頼の置けるボディです。ただ、ファインダーは暗くなりやすく、情報が乏しく、AEの補正系が使いにくいため、明るい単焦点レンズと単体露出計の使用を前提にしているようにも取れます。

(以前の記事に、モードラに巻き戻し軸連結部の蓋の収納場所がないとしておりましたが、バッテリーケースのすぐ内側に収納できます。謹んで訂正させていただきますとともに、関係者にご迷惑をかけたことをお詫びいたします。)

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