■ 秘宝堂 [Nikon F2 高速モータードライブカメラ] Page 1/2

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F2H01.jpg (30128 バイト)

左 F2アイレベル+MD−1+MB−1 右 F2高速モータードライブ。
カメラ大きさの違いがわかっていただけると思います。

1.機械の特徴

本機は、昭和53年に報道用特需仕様として報道関係に向けて発売され、正式名称は説明書に「ニコンF2高速モータードライブカメラ」と記載されています。

外観上の特徴はボディの軍艦部、ペンタプリズムカバー、裏蓋、底カバーがチタン製であり、独特の縮緬ブラック塗装となっています。

巻き上げレバー等はF2オリジナルと同パーツを使用しています。なお、この縮緬塗装はニッコールレンズに採用されている縮緬仕上げとは違っており、F5のチタン部の仕様が最も似通った仕上げといえます。

機構的な特徴は、クイックリターンミラーと開放絞り機構を採用せず、半透明固定ミラーと手動式絞り機構により専用の高速モータードライブMB−100と組み合わせて最高秒間10コマの撮影を可能としています。

また、MB−100もチタン製であり頑丈で高い信頼性を保っています。

ニコンでは「F」の時代から高速モータードライブを開発しており、初代はミラーアップしたままで専用ファインダーを外付けして7コマ/秒を、2代目は半透明固定ミラーを採用して9コマ/秒を達成しています。そして本機が登場、その後F3高速モータードライブカメラ(F3H)により13コマ/秒を達成しました。

ライバルとしてキャノンF−1高速モータードライブカメラがありますが、ニコンとの最大の違いはキャノンがペリクル(半透明膜固定式)ミラーに対して、ニコンは半透明固定ミラーを採用していることです。ちなみにF−1仕様は9コマ/秒、NewF−1仕様で14コマ/秒となりました。また、ペリクルミラーを採用したEOS−RTが5コマ/秒、EOS1N−RSが10コマ/秒の仕様となっていす。

2.ニコンF2高速モータードライブカメラ性能仕様 (通常F2アイレベルの仕様)

ボディ F2H−MD (F2アイレベル)
シャッター チタン幕メタルフォーカルプレーンメカニカル式、幕速10ms1〜1/1000、X接点1/80、(T、B、1/2000を加える)
シンクロ X接点連続撮影時非連動(3.8コマ/秒以下で連動)
ペンタプリズム 銀コーティング
ミラー 半透明固定式ミラー(クイックリターンミラー)
フォーカシングスクリーン 標準B型(標準K型)、交換式18種類
ファインダー 像倍率0.8倍、視野率100%
絞り 手動絞り(完全自動絞り)、押しボタンにより開放絞り可能(プレビュー装置)
巻き上げ 手動、巻き上げ角120度、予備角20度、分割巻上可能、モータードライブによる自動巻き上げ
巻き戻し クランクによる手動、モータードライブによる自動巻き戻し
大きさ 幅152.5mm 高さ98mm 奥行56mm 重量700g(720g)
価格 172,000円(ブラックボディ81,500円)

 

高速モータードライブ MD−100(MD−1及び2)
撮影コマ数 3〜10コマ/秒(2〜5コマ/秒)
コマ速度変換 コマ/秒 H=10、M3=7.5、M2=6、M1=6、L=3

(ニッカド電池MN−1使用時 H=5、M3=4.3、M2=3.8、M1=2.5、L=1.3)

(単3電池使用時 H=4、M3=3.5、M2=3、M1=2、L=1)

大きさ 幅147mm 高さ110mm 奥行77mm 重量480g(470g)
価格 140,000円(80,000円)

 

高速モータードライブ用直結式バッテリーケース MB−100(MB−1)
使用電池 ニッカド電池MN−1・4個使用(MN−1・2個または単3電池10本)
大きさ 幅148mm 高さ38mm(75mm)奥行78.5mm 重量420g(225g)
価格 35,000円(12,000円)

f2h02.jpg (42372 バイト)

F2高速モータードライブカメラの軍艦部
T、B、1/2000が省略されています。

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