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ゼニアオイ タチアオイ
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ウスベニアオイ ハイアオイ
「鴨の子を 盥(タライ)に飼うや 銭葵」・・・・正岡子規 かっては、夏の花と言えばアオイ(葵)を思い浮かべるほどアオイは日本人に親しまれてきた花であるが、タチアオイ、ゼニアオイ、ウスベニアオイ等のいわゆるアオイはいずれもヨ−ロッパ原産の渡来種で、在来種ではない。 |
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オクラの花
タチアオイは室町時代に中国経由で渡来し、ゼニアオイは江戸時代に渡来したが、鑑賞用もさることながら、むしろ薬草として有名であった。 特に、ゼニアオイやウスベニアオイのゼニアオイ属の花はギリシャ時代から薬用として用いられ、16世紀のイタリアでは 「総ての病に効く」 意味の名で呼ばれ、特に呼吸器系の病気に薬効があった。 現在でもゼニアオイエキスとして、化粧品に使われており、仲間のウスベニアオイはハーブテイとして有名である。 又、タチアオイの仲間のウスベニタチアオイ(マッシュマロウ)の根の樹液に卵白等を加えた菓子がマシュマロで、現在ではゼラチンで作るが、花の名前が菓子の名前の語源である。 ゼニアオイの名の由来は諸説あって、花の大きさがちょうど五珠銭(ごしゅせん)の大きさであるとか、種子が輪状にならぶ果実を銭(ゼニ)に見立てたとか言われる。 アオイ(葵)の名の由来は葉に向日性があり、太陽を仰ぎ見る、つまり 「あうひ(仰日)」 から来たとする説や神を饗応する日からアウヒ(饗う日)、あるいは韓国語の名から来た等、やはり諸説ある。 現代はタチアオイばかりが目につくが、ゼニアオイもかっては何処にでも見られた花で、表題の正岡子規にの句に有るように夏の風物詩であった。 |
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自生のゼニアオイ
夏を彩るタチアオイはハイビスカスと同じ仲間で、派手な印象を受けるが、野原で見るゼニアオイはむしろ可憐な花である。 |