アメリカフウロ

アメリカフウロ

アメリカフウロは小さな花を数多くつける雑草で、数多いフウロソウの中でも野原で最も目立つ花であるが、その名の通りアメリカ原産の帰化種で日本古来のフウロソウではない。
フウロソウ(風露草)は世界の温帯に12属700種ぐらい生育し、日本にもハクサンフウロ、イブキフウロ、アサマフウロ、グンナイフウロ、ヒメフウロ、アケボノフウロ等、種類も多く、ゲンノショウコもその仲間である。( 「ゲンノショウコは現の証拠」 の項参照)
一般にこれらフウロソウ科フウロソウ属の花はいずれも花びらが5枚の両性花で可愛らしい。
グンナイフウロ、ハクサンフウロ、イブキフウロ等、日本では山の花として有名で、又、ゲンノショウコは薬草として名が有るが、何処にでも見られる花ではなく、それぞれ、それを目的として探しに行かないと見つからない。

  グンナイフウロ    白花ゲンノショウコ    紅花ゲンノショウコ

   ヒメフウロ         ヒメフウロ        アケボノフウロ

一方、表題の写真のアメリカフウロは日本中の道端や野原いたる所で繁茂しており、散歩道の途中で否が応でも目に付く。
北アメリカ原産で昭和初期に京都で最初に見つかった帰化植物で、その強い繁殖力で日本中に広がり、フウロソウの仲間ではあるものの、他のフウロソウに比べると花も小ぶりで、葉っぱのほうがよく目立ち、全体像ももう一つである。

アメリカフウロと草紅葉

色合いは薄赤色から白色で、小さいながらも五花弁の花を付け、花が終わる頃、葉が紅葉する草紅葉(くさもみじ)となるので、野草としては花でも葉でも良く目立つ。
フウロソウの名前の由来ははっきりしないが、植物学者の牧野富太郎博士によると、いわゆる風露草はイブキフウロ(伊吹風露)のことで、名の由来は不明であるが、江戸時代に浅草の植木屋が風露草として売っていたとある。 アメリカフウロはアメリカ産のフウロソウの意味である。
可憐な花の形と色合いで人目を引くフウロソウ科の花は多いが、アメリカフウロは土手や道端に雑草として繁茂し、実が直立し、はじけて種を遠くに飛ばして勢力範囲を広げる。

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