「戯奴(わけ)が為 我が手もすまに 春の野に 抜けるツバナそ 召して肥えませ」・・・・紀女郎 |
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秋には葉が紅葉し、春から秋まで楽しめる花である。 この花の根茎を陰干しにしたものを茅根(ぼうこん)と呼び、顕著な利尿消炎作用があって、黄疸、腎炎、急性肝炎に用いられ、若い花芽と花穂は強い止血作用を示し、鼻血、喀血の止血剤となった。 葉は屋根の茅葺(かやぶき)の材料となり、穂は火打石で火を起こす際の火付け材として用いられた。 チガヤの名の由来は諸説あり、群生する様から千(1000)の茅(かや)からチガヤになったとする説、赤い花穂から血茅(チガヤ)になったとする説、葉が紅葉するので血茅(チガヤ)になったとする説等いろいろである。 ツバナの名の由来も朝鮮語では 「ち」 と呼ばれ、チバナからツバナになったと言う説や、火ツケバナからツバナになったとする説がある。 アジアの熱帯地方に広く分布し、日本でも温暖な地方の刈り取り草原の代表種で、野原や田の畦を彩るイネ科の花であり、かっては貴重な甘味源であった。 |