ビッグサイズで廉価なクルマが欲しい

2003/5/24

固定観念

日本のメーカーはどうも「デカい=高級」という固定観念にとらわれすぎの気がします。
このミニバン全盛時でも、デカい車はやたらと「高級」にしたがるのね。普通のクルマに比べりゃミニバンは5ナンバー車でも十分デカいっちゅうのに、それがちょっと大きくなっただけですぐ「高級」に持っていきたがる。あたしに言わせりゃナンセンス。「どこ見とんねん」「何聞いとんねん」ってなもん。ちったあユーザの声を聞けっちゅう感じなのです。

まず、ミニバンを買うほとんどの人の理由っちゅうのは、
・人をたくさん乗せるため
・モノをたくさん載せるため
・広い空間が欲しいから
のいずれかなのですよ。つまり「スペースが欲しい」わけ。「高級な車に乗りたいから」ではないのです。あってもそれは副次的なもの。メインの要求ではないのですね。それに、不景気のこのご時世だから、当然出費は抑えたいわけです。だから、スペースがあって、安くて、そこそこ満足のいく、例えばステップワゴンなんかがよく売れると。

チープ派

私自身ステップワゴンに乗ってるけど、値段に対する満足度はけっこう高いのです。チープなつくりは、値段を考えると「そんなもんだ」と思える程度のもんだし、そんなに気になるほどでもない。それより、チープな割によく走るし、乗り心地なんかも満足出来るから、安くても決して満足度は低くないのです。

でも実は、あたしだって出来ればアルファードくらいのサイズの車が欲しかったりするんですな。それは、やっぱり広さが欲しいから。サイズ的には「許せる範囲で最大」のが欲しいです。
ところが、アルファードはあろうことか「高級車」。値段がぜんぜんダメです。ステップワゴンでクルマとして満足してしまっている私には、値段に対する満足度もダメでしょう。だって、あたしゃ車にステップワゴン以上のものを求めてないもん。「高級」である必要ないんだもん。よく走って、よく止まって、ひととおりの装備が付いてて、十分広くて、そして値段が安ければいいんですもん。他人に自慢するわけでもないし、ゼイタクを一人で悦に入るような趣味も無いし、多少チープな感じでも、そんなのまったくかまわんのです。

そんな私の乗っているステップワゴンっちゅうのは、えらく売れてるんですね。同類のセレナとかノア・BOXYあたりも結構売れてる。セレナやノア・BOXYはステップワゴンよりちょっと高いんですが、右スライドドアが付いてることと、トヨタやニッサンというメーカと、形の好みなんかと、そういった理由で差額を出す程度の話でしょう。
ということは、世の中には、あたしのような「チープ派」が少なからず存在するということです。こういう人たちが一大市場を形成しているはず。
そして、そんなチープ派の中にあるニーズが、実は「デカくて安い車」なんじゃなかろうかと思うわけです。

デカくて安いクルマ

例えば、ステップワゴンの形そのままで、全長を30センチ、全幅を10センチ広げてみる。エンジンは重量を支えられるように2500くらいに。丸っきりメルセデスのVクラスですね。
エルグランドの余計な装備を外して、バンパーなんかもプラスティックにしちゃって、180万で買えるようにしちゃう。
アルファードの余計な装備を外して、底上げされてる床を下げて、バンを作っちゃう。ハイエースばりのロングボディとかジャンボルーフとかを用意しちゃったり。

こんなのが200万とかで買えるようになれば、これは日本のファミリー購買層だけでなく、商業車界、バニング界、キャンピングカー界、おまけにVIP大好きなヤンキー界も巻き込んで大ブームになること間違いないでしょう。

国外を見ると、VWのT-4やNシリーズだっけ。メルセデスのT1N、フィアットのデュカトなんかがありますね。最近は韓国製もあったり。長さは5m弱、幅が1.9〜2m、高さは1.8〜2.6くらいまで様々。このくらいが使いやすい最大のサイズです。日本の5ナンバーじゃあ、ちょっと小さい。もちろん余計な装備は一切無し。荷台にはシートすら無かったり。値段もメルセデスは装備がさすがなんでけっこう高いけど、デュカトなんかはかなり安いみたい。金を出しゃあ良いものが手に入るのはあたりまえ。「良いものを安く」です。

そういえば、スモールサイズの高級車ってのはあるし、輸入車も数多く入ってきてますが、ビッグサイズの廉価車ってのはあまり見かけません。マージンが取れないからでしょうか。コストを切り詰めねばならないからこそ、国産車でやるべきカテゴリじゃないでしょうか。是非とも国内メーカに作って欲しいと思うのであります。

 


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