■ Vol.9 | 2008年6月23日号 ■
小さいものの命
 ノワ・アコルデ音楽アートサロンのコンサートも主催・自主を問わず、小さいキャパにふさわしい楽しい曲や企画が増えて来ました。

♪ 5月3日 サロン2周年と音楽レッスンマンション20周年記念のコンサートは、おやこで楽しんでもらえたら嬉しいことだ。

午前は、ドイツのビュルツブルグからはるばる来て下さったカトリン・トリクワルトさんがコントラバスでサン・サーンス「動物の謝肉祭」より象、ロバ、白鳥、亀 etc. やリムスキー・コルサコフの「熊ん蜂の飛行」を。
 コントラバスの体重からいろいろな構造までをピアノの林典子さんとの質問形式のお話付きで、子ども達の手が挙がり、皆さん真剣に聴いておられる姿を見て、無事にここまでつつがなく実現できたことに大いなる感謝の気持ちが湧き上がる。

♪ 午後の部は藤田隆さんが、「リコーダーの一音だけで、誰でも演奏会ができるんだよ」と言って、オリジナル曲を吹いてくださって、大人も小さいお子さんも「へえっ」のあとに「そうなんや、一つの音でもリズムにのれば音楽になるんや」って感じられたことでしょうね。対位法や和声も素晴らしいが、小さな音一つだって面白いんやって気付かされましたね。

♪ 6月22日(日)は 京都芸大卒業をした俊英=3人の愉快なトリオコンサート。毎日続く長雨でエアコンを入れても湿度が高く、コントラバスは大変だったと思いますが、お客様の席数はちょうど良く、拍手も高く、自主コン主催者のHさんから一同大満足のメールが入りました。

♪ クラリネットの特性を活かした曲、インマークライマー(だんだん小さくなる)は、楽器の先のラッパ形の部分が、まづ消えて(会場からはドっと小さな歓声)ピアノの上に鎮座して、次にメロディーは吹かれながら、○○がお役を果たして、一番前のお客様用空席に大事に置かれ、3番目に○○が背後の席に消えてなくなると、いよいよどうなるとみなさん思われたことだろうが、4番目はアッと言う間に、○○がもちろん演奏者自らの片手で外されて、くちばしのような黒いエボナイトとリードと言われる葦の一片を金具で締め付けた部分だけになって、其の一吹きで勢いよく手品のように終わるんですね。種を明かし過ぎと怒られそう。聴いているほうは、曲芸を見ているようで楽しい。色白美人クラリネットでした。

♪ コンサートが終わると演奏者と和気あいあいの挨拶や笑いの中、かなりの雨あしの中なのに、なんだかとても軽やかな雰囲気。

 片付けをしてサロンを出ると筆者の目に入ったのは、我が町商店街会長夫人のUさんである。ビニール袋を持って近づいて来られた。この雨で小雀が親雀とはぐれて、飛び立てないので、袋に入れてやり、Uさんの家猫から安全なところに移したいとのこと。覗くと、この雨で羽を濡らしてしまった小雀ちゃんがじっとしている。心細いんだ。雨は上がりそうもなく、小雀の母親も心配でも探せないでしょうね。形が面白くて買った鳥かごをお貸しした。ちゃんと大人しく入ってくれて、2人でほっとして笑いあった!「おかあさんが迎えにくるといいね。安心して今日はここでおとまりしなさいね!」

 翌日Uさんが来られた。鳥籠を持っておられる。「親達3羽が迎えに電線にとまっていました!」と喜んで帰られた。「よかった。役に立てたんだわ。この古い鳥籠が…」

 どうか、皆さんの周りにもそういう小さな命が、迷っていたら、周りの子どもさんがいたらと一緒に助けてくださいね。きっとその子は大人になっても、傷みが分かる人になり、助けることの大切さをいつまでも大切にされるでしょう。
 あの痛ましい事件から、このようなことがもうないようにする為にできることを一人一人考えたいですね。。

胡桃庵

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