大阪府茨木市出身。京都市立堀川高校音楽科(現京都市立堀川音楽高校)を経て桐朋学園大学音楽学部首席卒業。在学中に第51回日本音楽コンクール管楽器部門第3位入賞。桐朋学園オーケストラとR.シュトラウスの協奏曲を共演するなど、在学中よりソリストとしての演奏活動を行うと同時に、現代音楽の作曲家とも広く交わり、多くの新曲の初演を依頼されるなど、多方面で活躍。また、中学時代より興味を深めた演劇の分野でも、高校、大学時代にミュージカル、ストレートプレイなどの舞台経験を積むなどし、音楽の分野にとどまらない「舞台芸術」への造詣を深める。大学研究科をバロック・オーボエ専攻で修了。同時にチェンバロも履修。その年、第1回山梨古楽コンクール第3位入賞。
1989年の渡仏直後より、フランスの主要なバロック・オーケストラ「ラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ」(J-C.マルゴワール指揮)、「レ・ミュージシャン・デュ・ルーヴル」(M.ミンコフスキー指揮)、「ル・コンセール・スピリチュエル」(H.ニケ指揮)て演奏活動を開始。パリ高等音楽院にてM.アンリに師事し、ソリスト・ディプロマを得て卒業した。1992年より「レザール・フロリッサン」(W.クリスティ指揮)のオーボエ奏者としてフランスを拠点に演奏活動を行っている。パリ・オペラ座、オペラコミック座、シャトレ劇場、シャンゼリゼ劇場をはじめとするフランス各地の歌劇場、またエクサンプロヴァンス、ウィーン、ザルツブルグ、エジンバラなど各地の音楽祭に定期的に出演。ニューヨーク公演にも毎年のように参加している。ラモー作曲のオペラ『優雅なインドの国々』『イポリトとアリシ』『レ・ボレアード』『レ・パラダン』、リュリ作曲『アルミード』『アルチェステ』『アティス』、ヘンデル作曲『アルチーナ』『オルランド』『ヘラクレス』『セメレ』などなど、数多くのオペラ上演で演奏。世界的歌手(C.バルトリ、N.デュセイ、A-S.v.オッター、Ph.ジャルスキーら)との共演も多い。また、英仏共同制作であるパーセルの『妖精の女王』や、仏国立コメディー・フランセーズ座との共同制作で行われたモリエール劇『恋は医者』『シシリー人』にも出演するなど、バロック時代の舞台芸術作品の上演に数多くたずさわっており、CDやDVDへの参加も多数。1996年に自らが音楽監督として「アンサンブル・デュ・ソレイユ(現「ソレイユ・ルヴァン~植野真知子と仲間たち~」)」を旗揚げし、全国各地で独創的なプロジェクトを展開中。近年は若手育成にも力を注いでいる。日本におけるフランス・バロック音楽演奏の第一人者。パリ在住。 |