1.しつけについて
(子育ての記)

僕をしつけたって?ホント?

「えっ!ノアローちゃんにしつけを?」
と、思われた方もいるかもしれませんね!
で・も、
我が家でもちゃんとしつけはしているのですよ。
本当ですよ。

ノアローの年齢も1歳半を過ぎました。
忘れてしまわない内に、そのしつけの奥義をここに
書き残しておこうと思います・・・・???

◆ も  く  じ ◆
1.真っ黒ラブラドール、現る!

2.子犬ちゃん

3.獣医さんの探し方

4.しつけをする前に

5.噛むということ

6.飼い犬に手を噛まれた

7.トイレの練習

8.注射は痛いか?

9.間食はダメよ

10.ノアローママ舐められる

11.パパとママ、鬼となる

12.私たちの考え

13.去勢について

14.もうじき4歳
問題1.吠える
問題2.盗む
問題3.興奮し過ぎ


15.今、思うこと 2002年8月

16.去勢について・追記

17.こんな事で良いの?




1.真っ黒ラブラドール、現る!

 
幸いなことに、私の家では、ノアローを家に連れてくる前にある程度、子犬の知識を本から得ておりました。誠に不幸中の幸いと言えましょう。ホント、ホント。
 我が家に着いたばかりのノアローは、一通り部屋を探検し、気に入った場所でおしっこをしてから、ヒンヒン鳴いた後、疲れて眠ったのでした。その夜は、私たちは疲れながらも浮き浮きと寝床についたものです。

 翌朝から、「戦い」は始まりました。正に、待ったなしという感じで。
 私たちは、仕事を放り出し、言われた通りに「つきっきりで」ノアローを育て始めました。多分、そう言われていなかったとしても、私たちが、あの可愛らしい、この世のものとも思えない程に魅力的な子犬の側から、自ら離れるということなどなかったことでしょう!

 本によると、子犬は「歯が生え替わるために」歯をむずがゆがり、何か噛まずにはいられないということでした。私たちは、実は、ノアローの為の準備を何もしていなかったのです!
 部屋中をノアローのトイレにされない内にと、パパはノアローグッズを買いに車を走らせました。
 その時、可愛いが、得体の知れない、しかも、何かと手の掛かる黒いヤツと部屋に残された私は、「あああ、早く帰って来て欲しいなぁ!」と心から思ったことです。ハイ!
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2.子犬ちゃん

 
ノアローが家に来たのは、およそ生後40日で、これはかなり早い方でしょう。ワクチンもまだでした。子犬には生後2ヶ月くらいまでは母犬から貰った抗体がある為、それまではワクチンも必要ないのです。
 食事は一日3回でした。教えて貰った通り、アイムスのユーカヌバ・スモールビットを水にふやかして与えました。「こんなものが美味しいのかな?」と思った私です。オイリーな感じのフードでした。
 あとは、トイレの場所を覚えて貰わなければなりません!それと、ワクチンや予防注射を受ける獣医さんを探しておかなければ・・・・・・。

 赤ちゃんノアローの写真を撮ることを忘れなかったことは、私たちの最大の幸運なのかもしれません。赤ちゃんの毛は柔らかくて、今とは全然違います。小さくて、とーーーーーーっても可愛らしかったでーーーす!
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3.獣医さんの探し方

 
みなさんは、どんな風に今通っている獣医さんを探しましたか?うちの場合はとても恵まれていたと思います。
 まず、最初に獣医さんのことで人に言われたのは、「近所を散歩している、犬を大事にしてそうな人」或いは、「高そうな、立派な犬を持っている人」に獣医さんの情報を得たらどうかということでした。
 「フムムム」とノアローママたちは思いました。近所にそれに該当する人物は見当たらないし、第一、その人が本当に自分の犬を大事に思っているかどうかなんて、見た目ではわかりません。

 そこで、ママは手持ちの犬の本を持ち出し、後ろの方に書いてあった各犬種ごとのクラブの一覧をじっくり見ました。クラブをしている人なら、良い獣医さんを知っているに違いないと思い。
 すると、ここがノアロー一家のラッキーな点なのですが、近所にある犬種のクラブを主催している方がおられたのです!早速、ママは電話を掛けて、その方に事情を説明して獣医さんのことを伺ってみることにしました。

 またまたラッキーなことに、その方は、とてもハキハキとした良い方でした!!!その方が何年も掛けて、その間、様々な苦い思いをなさって見つけたその獣医さんを、私たちは快く教えて貰うことが出来たのでした。感動しました!
 ここまでの間、私たちは、ノアローを譲ってくださったご家族と、獣医さんを紹介して下さったご婦人に出会いました。今まで会ったこともない方たちと、ノアローが縁で知り合えたのです。それだけでも、ノアローは私たちの生活を今までとは違う色に塗り替えてしまったと言えるのかもしれません。

 獣医さんは車で30分くらい掛かる所にあるんです。遠いでしょうか?しかも、私の家の周りには比較的沢山の獣医さんがあります!そのことでも、いかに私たちがラッキーだったかおわかりになるでしょう?遠くても行く価値があると、その方は教えてくれたのですから。
 私は自分で体験したことはありませんが、獣医さんでのトラブルは良く聞きます。みなさんも獣医さん選びに妥協せず、色々な人のお話を聞いてみたら如何でしょうか?愛犬家同士、きっと快く情報を下さると思います。
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4.しつけをする前に

 
私たちは、ノアローにしつけをする前に、まず、「どんな子になって欲しいか」を考えました。最低限、トイレは覚えて欲しいですよね。後は、「お座り」が出来て、「待て」が出来ればOKです。と、こんな感じで、我が家のノアローへの「人間社会適応性に対する期待度」は、かなり他の家庭よりも低かったと思います。

 と言うのも、私たちがノアローに一番期待していたのは、「私たちへの依存度」だったからです。私たちは、我が愛するノアローに、私たちなしではいられない程、超超甘えっ子になって欲しかったのです。そして、それは、叶えられました!と、先に結論を出しておきましょう!!!(嬉しいから)

 それに、私たちは、ノアローのお母さんワンちゃんを知っています。彼女の血を受け継ぐノアローであれば、心配はナイ!と最初から信じていました。寧ろ、「良い子」になり過ぎる方を心配していたくらいです。ハイ!

*ヒント*
 目標を低く設定すると、ストレスが少なく済む上、少ない努力で達成感も得られるという利点があります。
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5.噛むということ

 
前に述べましたように、子犬の内は、物を良く噛むのです。(成犬になっても、ノアローはカミカミ星人ですが)
 始め、私たちは、大胆にも食卓のテーブルと椅子を噛むことをノアローに許しました。それらを噛むことをノアローが楽しんでいたし、子犬の性質の上からも「良いこと」だと思ったからです。それと、パパが買ってきた木製のダンベルと、木製の家具なら、要は同じではないかと考えたこともあります。

 しかしながら、その考えは、ノアローが朝方、「キュッポン、キュッポン」と奇怪な音を立て、胃の中の物を吐き出した時に変わりました。吐瀉物を見て、ノアローパパとママは顔を見合わせました。見事な木の削りカスがその中に入っていたからです。

 その後、パパとママは狂ったように「オモチャ」をノアローに買い与えました。「ぬいぐるみ」「ボール」「ロープ」。中でも最も効果を発揮したのは、アメリカ製のNYLABONEです。これは、骨の形をしたナイロン製の噛むオモチャです。その中の比較的柔らかい物を最初、ノアローに与えました。私たちの歯ではそれはとても堅くて歯が立たないのですが、ノアローは熱心にカジカジし、割と簡単にそれを制覇していきました。

 お陰様で、ノアローは以後、木製の家具を囓っては「駄目」ということを聞くようになり、NYLABONEを囓るのが大好きになったのです。時には、食べ過ぎて吐くこともありましたが、それは、ノアローのカジカジ状態をよく見ながら、時には取り上げるなどして解決されました。

 また、始め、カーテンなどにも興味を示し、カジカジ&引っ張りを実行していたノアローですが、NYLABONEのせいか、その内に興味を失ったようです。
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6.飼い犬に手を噛まれた

 
「飼い犬に手を噛まれる」とは諺ですが、これは、実際に家の中で犬を育てたことのない人が思いついた諺だと思います。なぜならば、「飼い犬」は、容易に、何の悪気もなく、飼い主の手を噛むからです。

 ノアローはママの手を囓るのが実に好きでした。噛み心地が良かったのかもしれませんし、大きさが丁度良かったのかもしれません。しかしながら、そのどちらにしても、噛まれた方のママは「とても痛かった」と言っております。流血の惨事になることはありませんでしたが、小さな引っ掻き傷は出来ました。自慢の手が台無しですヨ。

 子犬の歯は、尖っていて、小さな小さな「矢じり」のような形をしています。それは小さいながらも当たると痛いです。ノアローの場合、3ヶ月くらいから抜け始めました。残念ながら、最初の歯は行方不明になり、私たちは確認出来ませんでした。その後は、あちこちで抜けた歯を二人でせっせと拾い歩きました。それらの小さな「思い出たち」は、小さな箱に入れられ、引き出しの中に大事にしまわれています。
 ノアローの歯がすべて抜け替わるまで、枕、ぬいぐるみ、座布団、毛布、など、ノアローが抜けそうな歯で噛んだあらゆるものが血だらけになりました。

*ヒント*
 ノアローがどのようにして、ママの手を噛まなくなったのか、もう誰も覚えていません。今でも時々噛み(しゃぶる?)ますが、痛くなる程噛むことは滅多にありません。
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7.トイレの練習

 
ノアローがトイレの場所を覚える迄の間、二階の部屋のカーペットは結構ノアローのオシッコだらけになりました!「ジ〜ッと」ノアローの様子を観察していても、なかなか「その時」がつかめないんですよねぇ。それに、子犬ながら動きが素早いし・・・。
 その為、私たちは本当に困りました。「一生覚えてくれないかもしれない」と思ったからです。そんな馬鹿な、な話なのですが、その時はそう思うんですよ。

 それに、トイレの教え方って、二通りあるんです。一つは「絶対に叱らない法」で、一つは「叱る法」です。始め、うちでは前者の方法を取っていましたが、それではらちがあかないと思い、途中から後者の方法に切り替えました。
 ノアローがトイレ以外の場所で「粗相」をした場合、「鬼のように」怒り、ノアローをトイレの場所まで引きずって行くのです。見るも恐ろしい「残酷場面」です!可愛い子犬のノアローは頭上から、「ここがトイレだ!!!」と延々と怒鳴られ、己の過ちを思い知らされるのでした・・・・。

 この鬼の特訓が効いたのか、ノアローはやがてトイレで用を足すことを理解しました。メデタシ、メデタシ・・・。
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8.注射は痛いか?

 
生後2ヶ月になると同時に、私たちはノアローを獣医さんに連れて行きました。ワクチンを受けるためです。その時のノアローは小さく、何処に連れて行くのも大変楽でした。
 最初の注射の時、ノアローは鳴きませんでした。が、その後、二回目の注射を受けた時、ノアローは「ヒン!」と鳴いたのです。注射によって痛いのと痛くないのがあるのでしょうか?
 今まで、ノアローが注射で鳴いたのは、その時一回だけです。
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9.間食はダメよ

 
始め、私たちは、ノアローを「ドッグ・フード」のみで育てようと考えました。ドッグ・フードには犬に必要な栄養が過不足なく含まれていると本に書いてあったし、毎日の生活の中に、何か不自由があった方がノアローの「独善的な性質」を押さえるのには良いと思ったからです。

 しかし、私たちが楽しく食事をしている最中、ノアローが「つまらなそうに」下からこっちを見ている風景は、余り気持の良いものではありません。子犬でも、私たちが美味しい物を食べていることくらい、簡単にわかるみたいです。ただ、何を食べていて、それがどんな味をするかまではわからないので、同じ物を食べたことがある犬よりは抑制がきくのかもしれません。
 始めの頃、ノアローは不服そうに椅子をカジカジして、その「イヤな時間」を過ごしました。椅子を囓るのを禁じられてからは、NYLABONEを狂ったように囓っていました。

 最初に折れたのはパパです。「自分も同じ物を食べたい気持ち」をNYLABONEを囓ることで紛らわしているノアローが「不憫」だと言うのです。
 パパが考えた折衷案というのは、私たちが食事をしている間、ノアローには「オヤツ」として、少量の「ドッグ・フード」を一粒ずつ与えるというものでした。人間的立場から言うと、「えええ?オヤツったって、同じドッグ・フードじゃん。そんなので満足するの?」ですが、ノアローは大変喜んでフードの「オヤツ」を食べたものです。

 その時から、パパは、「ノアローが大人になって、気持ちもしっかり出来た後なら、フード以外のオヤツを上げても良いかもしれない」と話しておりました。ネ!甘いでしょ?

*ヒント*
 自分のワンちゃんは食べ物に執着がない、とお喜びのあなた!ノアローも子犬の頃はそうでした。でも、大きくなると食べ物を前にすると、涎を出すようになります!大きくなるって、そういうことなんですねぇ・・・。
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10.ノアローママ舐められる

 
これは、ペロペロ顔を舐められたとか、そういう楽しいことではありません。

 子犬のノアローが、やがてその本性を現し、暴君に納まろうとするまでそんなに時間は掛かりませんでした。「何を根拠に君はそんなに威張るんだい?」と聞きたくなるくらい、ノアローは小さいながらもその傲慢さを発揮していくのです。
 始め、ノアローの愛らしさに盲目となり、奴隷となりかけていたノアローパパとママは、はっと我に返り、「こんなガキ犬ごときに負けてなるものか」と、ノアローの宣戦布告を受けて立つことになりました。

 何がきっかけだったのか、はっきりしませんが、とにかく、ノアローは「悪さ」をして叱られる立場にあったと思います。それなのに、ノアローは「シュン」となって、我々に「許し」を乞うどころか、「ウウウウウウウ」と、私たちがそれまで聞いたこともないような反抗的で挑戦的な唸り声を上げ、私たちを睨み付けたのです!
 「なんだ!この態度は!?」と私たちはとても驚きました。何かの見間違いかと思った程です。
 しかし、その時、この小さな黒い毛のかたまり君にも己の意志があって、今、それを強行に主張しようとしているのだと、私たちははっきりと気づいたのです!

 そんな時、力を発揮するのはパパです。「そんな態度は許し難い」と感じた彼は、「ウウウウウ」の唸り声に見合った報復をしなければならないと決心したようです。が、ノアローとて、黙ってお仕置きを受けるような玉ではありません。目一杯の抵抗を試みた挙げ句、いつも素早く逃げ出しました。
 ノアローが部屋の中を逃げ回ると、トイレシートは破れ、ベッドの上はグチャグチャになり、すべてが破壊されるようでした。逃げている本人と言えば、遊ぶのに真剣なのか、逃げるのに真剣なのか、判別出来ない有様です。

 パパはノアローを捕まえて、彼を「キャン!」と言わせようと試みました。そうすれば、自分の方が弱い立場にあるということを理解すると思ったのです。耳を噛みました。すると、ノアローは「キャン!」と言い、参ったのか、しばらくは大人しくなりました。
 それが、ママには出来なかったのです!耳を噛むと言ったって、ちょっと噛んだくらいじゃ「キャン!」とは言いませんし、元々が臆病なママに、そんなことはとても出来そうもありません。
 ママは安易にも、「悪いことをした時はパパに叱って貰えば良いや」と、自分は何もしない人になろうとズルイことを考えました。

 すると、どうでしょう?ノアローは何故か、自分を痛い目に遭わせたパパに懐き始め、ママとの関係が悪くなったのです。ママの言うことを聞かない、悪い子になってしまったのです・・・。
 「可愛いノアローちゃん!ナデナデしましょうね」
 数分後、
 「何すんのよー!痛い!こら、ノアロー!放しなさい!!」
 毎日がこの繰り返しで、ママは、その度に、「こんな犬いらな〜い!大嫌い」と思い、イライライライラとノイローゼになりそうでした。
 ノアローはママを標的にし、ママの服を引っ張ってビロンビロンにしたり、ママの服を噛んで穴を開けたり、その度に間違ってママの腕の内側の柔らかい部分を噛んだりして、ママに悲鳴を上げさせた挙げ句、ママの手や顔を噛んだり、引っ掻いたり、髪を噛んで引っ張ったりと、とにかく、ママが怒り狂うことばかりしていました。

 今思うと、すべては過去のことなので、何でそんなに腹が立ったのかなぁ、などと呑気に思ったりもしますが、(噛まれて青くなった所も今は癒え)、その頃は、あの反抗的で憎ったらしい、私(ママ)を馬鹿にしているような、小さいノアローに腹が立って腹が立って仕方がありませんでした。
 「チビ犬の分際で*この私*に反抗するとは許せない!」と、そう思っていたからなのかもしれませんね・・・・。(^^)ゝ
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11.パパとママ鬼となる

 
やがて、ノアローは気に入らないことがあると、唸ったり反抗的な態度を取るようになりました。「選んではいけない子犬」の項目の中にあった、威張り屋の犬だったのかな?厄介だったのは、怒られても褒められても興奮し、結局は悪い子になってしまうことでした。

 とにもかくにも、この悪しき習性を正さなくてはなりません。どの本にも「褒めて躾ましょう!」「体罰はイケマセン」と書いてありました。でも、どうやってこの言葉も通じない小さな子犬に物事を教えたら良いのでしょう???
 威厳?をもって諭す?
 ノアローパパとママは頭を絞って考えに考えました。何とか平和的解決方法はないものか?と。しかし、褒めて育てようにも、反抗期?のノアローは褒められるようなことはしなかったのです。

 これは、やるしかない。と私たちは決心し、ノアローが唸ったり反抗的な態度を取ったら強く叱ることにしたのです。ママの大好きな通販のカタログをクルクル丸めて、ガムテープでグルグル巻きにしてお仕置き棒を作りました。捕まえてお尻を叩く為です。
 その時の事は忘れることができません。まだ小さくて本当に可愛らしいノアローを部屋の角に追いつめて捕まえて、お尻をバンバン(panpanではありません)叩いたのですから。ノアローは抵抗しました。すると、余計に残酷に見えました。「何で唸るんだ!唸っちゃダメだ!」などと大声で叱責するパパの目には涙が浮かんでいました。

 そうやって、私たちはノアローを育てました。その内、ノアローが大きくなると、前ほど可哀想にも残酷にも見えなくなり、私たちも心から「このガキ!」と思いながら怒るようになりました。
 怒られると、やっとノアローは落ち着き、私たちの顔色を伺い、少しオロオロして見せた後、すぐに楽しそうにはしゃいで私たちの元にやって来たものです。そして、甘えたりふざけたりしている内に又興奮したり、傲慢になって、すぐに怒られる--その繰り返しだったように思います。

 しぶといヤツだなぁ、と感心しました。どんなに怒っても、叩いても、ノアローは私たちに対して怯えた素振りを見せたことがありません。只、私たちも、ノアローの表情には注意をしました。首輪を捕まれ追い詰められると、ノアローの目つきが変わったからです。それは、何とも言えない、追い詰められた者の目の色でした。恐怖と攻撃心が混ざり、ついには正気を失ってしまうような・・・。だから、そういう表情が出たら、私たちは怒るのを止めました。

 その効果の程は定かではありませんが、お仕置き棒はいつの間にか使われなくなり、捨てられました。今のノアローが強く叱られることも滅多にありません。成長して自然にお利口になったようでもあるし、怒られて怒られて成長したようでもあるし、良くわかりません。一歳を超えてから、かなり私たちの言葉を理解出来るようになったようです。

 でも、ノアローが褒められて「やる気」を見せるようになったのは、ごく最近ですよ。「良い子」と呼ばれたくなったのかな?「悪い子」という言葉もわかってきたみたいです
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12.私たちの考え

 
私たちは私たちの考えで、ノアローのお尻をバッタバッタと叩いてきました。ラブラドール・レトリーバーは体が大きいばかりでなく、体自体が筋肉の塊で、そういう人間が強気であるように、その体型に見合った根性を持っている犬だと思っています。しかも、頭が良く、人間が人間に対してそうであるように、自分よりも弱い者を舐める性質を多分に持ち合わせているようにも思います。

 どうしたらノアローに舐められなくなるか?矢張り、私たちがノアローよりも上位にいると心からわからせなくてはならなかったのです。ノアローは私たちに捕まると観念するようになりました。それは、私たちに対して精神的に敗北宣言をしているからだと思います。そして、たとえ捕まっても「コワイ目」に遭わないことを知ったからだと思います。
 ノアローは怒られると少しは反省するらしく、すぐに怒った人の顔をペロペロ舐めに来ます。パパはすぐに許しますが、私はもーーーっと怒りんぼなので、ペロペロさせないで意地悪をする時があります。すると、ノアローはオロオロと心配そうに、遠巻きに私の後をついて歩きます。そして、許して貰うと、再びプシュン・プシュンと勢いよく鼻汁を飛ばしてじゃれてきます。

 私たちは自分の家族であるノアローを、他人に預けて「しつけ」を受けさせる気は全くありません。自分がそういう目に遭わされたくないと思っているからかもしれないし、何よりも、それは愛するノアローに対する裏切り行為のように思えるからです。ノアローは文字通り、私たちの「手」を痛めて育てた私たちの子です。(ラブのお尻を素手で叩くと痛いです)涙を流して子を叩けるのは親だけではないでしょうか?
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13.去勢について

 
ノアローは去勢をしていません。
 初め、私たちは、本に書いている通りにノアローを去勢させるつもりでした。そこで、獣医さんに相談したのですが・・・・。獣医さんは去勢する必要はないとおっしゃいました。去勢することによって心配なくなる病気についても、万が一、病気になってから去勢しても遅くはないというお考えでした。
 しかしながら、私たちが去勢しないことを決めた一番大きな原因は、「去勢すると太る」と言われたことです。ある人は、去勢するから太るのではない、食べるから太るのだとおっしゃいますが、そうでしょうか?

 私は医学者ではありませんので医学の知識はありませんが、私たちの体の部品で必要のないものは何一つ存在しないのではないか、という考えを持っています。小さな部品の一つ一つが複雑に作用し合い、私たちの体の均衡を保っていると思っているからです。
 すべての動物にとって、生殖器とは体の中でも最も大切な器官の一つだと私は思います。だから、出来るのなら私はそれを損ないたくないのです。
 去勢をした事によって太り出すのなら、それは何か体のバランスが崩れたことを意味するのではないでしょうか?私はそう感じました。だから、ノアローを去勢することを止めてしまったのです。

 性本能によるストレスについては、私たちは余り心配していません。家の回りに人家はないに等しいし、発情期のメス犬がいるわけでもないからです。オスの犬であっても、人間とは違うので性的妄想に取り憑かれ、苦しむようなことはないと思います。
 ノアローの元気が良すぎるのも、去勢をしていないことによるのかもしれません。でも、彼はいつだって元気を発散して、ストレスとは無縁の生活を送っているようですよ!

 ただ、去勢しないなら、去勢しないなりの生活の仕方があると思っています。去勢しないオス犬を少しの間でも外でノーリードで過ごさせることは、大変に非常識で周囲に迷惑を掛ける元凶だと思います。お散歩中のメス犬に乗っ掛かる、他の犬に喧嘩を仕掛けるなど言語道断です。
 周囲に絶対に迷惑を掛けず、望まない繁殖を絶対にさせない。これがノアローを去勢させない私たちの果たさなければならない責任なのです。
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14.もうじき4歳

 
これと言ったトレーニングをする事もなく、すくすくと大きくなったノアローも、今月(2002年8月)の22日で4歳です。
 
 今、ノアロー問題で困っていることは、殆どありません。が、これは、私たちがノアローによって慣らされてしまっていると言えるかもしれません。

問題1. 吠える
 

 家の敷地内に人が来た時、自動車の音がした時、そして、何故か?テレビの中で自転車のキキ〜という音がした時、ネコが庭を通り抜けた時、大きなカラスを見た時、嬉しい時、出かける時に興奮して、etc, etc...
ノアローは数限りなく、機会を見つけては吠えています。
それはうるさいのですが、楽しくて吠えたり、嬉しくて吠えたりの場合、それを止めさせるのも精神衛生上良くない事だと思い、積極的な方策は取っていません。
 「うるさい」とか「大丈夫よ」とか「ありがとうね」とか、でしょうか?言うことを聞くこともありますが、状況によっては聞かない事もあります。人間が顔を隠していると、かなりしつこく吠え続けます。
 興奮している時は、お座りさせて「待て」させるようにしています。首輪を軽くつかんであげると、何とか我慢出来るようです。

 幸い、家の周りに人家はない(と言えば、笑っちゃいますが、限りなく事実です)ので、ノアローがどんなに吠えても騒いでも、近所から苦情が来ることはありません。助かります。


問題2. 盗む
 

 タオルやティッシュがあると、テーブルの上からでも盗みます。これは100%の確率で来ます。
 この頃は、紙にも来るようになりました。紙の場合は、タオルよりは抑制が効くらしく、床の上に落ちていた場合や、低い台の上に載っていた場合に限られます。
 スリッパ?
 スリッパは、人が履いているのを力づくで奪い取ろうとさえします。この場合、爪が食い込んで痛いです。

 こういう悪癖のあるノアローですが、食べ物を盗んだことは、数える程しかありません。テーブルの上からタオルを盗むことが出来ても、テーブルの上に置きっぱなしのお菓子(ノアローも好きなお菓子)があっても、それを盗んだことはありません。
 お正月にみかんを丸ごと盗んだ事がありますが、本人的にも”未知の体験”だったらしく、すぐに放しました。
 この”未知の体験”に対するノアローの慎重さは、時には、とても良い働きをします。
 ヘアピンやクリップをノアローが盗んでクチャクチャした時も、追い掛けると、ノアローは割と簡単に降参します。”未知のもの”は、すぐには飲み下したりしないようです。クチャクチャしている時間が長いので、捕まえて手を入れて取り出すことが出来るのです。
 危険なものを床の上に落とすのは、私たち人間の過ちですから、いつも気を付けなければならない事の一つです。ワンコは、そういうものをよ〜〜〜く見ているんですよね。


問題3. 興奮し過ぎ
 

 これは問題ですねぇ〜〜〜。
 4歳になろうかと言うノアローですが、楽しい時や、浮き浮きしている時に発するエネルギーは、未だ衰えず、です。
 こういうエネルギーの発露を、強制的に抑えることには抵抗を感じます。誰だって、嬉しい時には騒ぎたいものでしょう???
 今後は、この問題に取り組んでいきたいと思っています。
 では、また、何年か後にお会いしましょう〜?
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15.今、思うこと 2002年8月

 
ノアローを育てて4年近くなりますが、今でも私が時々後悔することがあります。それは、ノアローが生後半年くらいの頃に、私たちの言うことを聞かせる為に、ほうきの柄でノアローのお尻を叩いた事です。それは、私たちが行ったノアローへの最大の体罰です。

 ノアローが一番怒られたのは、お留守番の時に、家を破壊した時です。家の壁を壊された時には、さすがに何とか止めさせなければならないと、そう思ったのです。
 3回、ほうきの柄でお尻を叩く事をしたでしょうか。(やや強く、でも十分に加減はしました)それは、パパの仕事でしたが、ノアローを捕まえて叩く、その行為があまりに酷い有様に見えて、私たちはすっかりイヤになってしまい、ノアローにお留守番をさせるのを止めました。

 叩かれても止めないと言うことは、止めないと言うことだと私たちは理解したからです。ノアローは夕方のある時間を過ぎると、パパとママが帰って来ない事がイヤになるのか、私たちがいる方向の壁をベリベリと引っ掻くのを、叩いて止めさせることは出来ないと悟ったのです。
 もしも、そういう行為を力づくで止めさせようとするのなら、多分、相当過酷な体罰が必要かと思います。力づくで相手を屈服させると言うことは、そういうことなのだと思います。
 そんな事は、私たちには出来ないです。

 それから、しばらくの間、ノアローは私たちが仕事をしている間中、大きくなった体には狭いサークルの中で過ごすことになりました。それは、彼にとっても快適なものではなかったと思います。特に、バイクのエンジンをテストする時には、私でも耳の鼓膜が破れそうな大音響を発するし、排気ガスの匂いも半端ではありません。
 つくづく仕事場で過ごす事がイヤになった事でしょう。
 また、電話が鳴ると吠える、お客さんが来れば飛びかかる、で私たちの方も快適ではありませんでした。

 半年もそうしていたでしょうか?私たちは再びノアローを家で留守番させる事にしたのです。
 幸いなるかな。この時はノアローは家の壁を破壊する事はありませんでした。少しの間、階段や敷居をがりがりしたくらいで、後は普通にお留守番が出来るようになったのです。(今では、家を完全に留守にしても、ノアローは何時間かは何事もなくお留守番が出来ます。)

 お留守番の最中に、ワンちゃんにいたずらをされたくない場合、クレートトレーニングをしてクレートに入れておく、という方法もありますが、それは私たちの好むやり方ではありませんでした。
 もっと賢いやり方があったのではないかと、思うこともあります。もっと時間を掛ければ良かったのかな?とか。

 しかしながら、私が言いたいのは、世の中にどんなに素晴らしい躾の方法があったとしても、結局、私たちには私たちの出来ることしか出来ない、と言うことなのです。生涯忘れないような後悔の気持ちを持ったとしても、その時、私たちは私たちなりのベストを尽くしたわけですから、私たちの知識と能力ではそれしか出来なかったという事なのです。
 ノアローがそうであるように、私たちも又、完全ではあり得ないのです。

 今、私がほうきの柄を持っても、ノアローはクンクンしてくるだけです。それで叩かれない事を知っているからだと思います。それを見て、私はほっとします。そういうノアローと一緒に暮らすことが出来て、本当に幸せだと思っています。

 欠点も含めて相手のすべてを受け入れ、愛する。それは、ノアローが私たちに対して実践している事で、それは、ノアローが私に教えてくれた大事な事の一つです。
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16.去勢について・追記

 2003年4月26日現在、ノアローは矢張り、去勢をしていません。intact(手をつけられていない、もとのままの)にこだわって、今日までノアローは未去勢のままです。

 考えてみれば、intactにこだわる論理的な理由はありません。ノアローの大臼歯は、数年前に欠け、治療を施してあるのだから、もはやノアローは厳密にはintactと言えないのだから。

 今でも、去勢に対する私たちの考え方は変わっていませんが、ここで一言、大事な事を付け加えておきたいと思います。

 この頃、ノアローを外に出したり、お友達のワンちゃんたちと一緒に遊ぶ機会が出来て、去勢していないワンコの不便さをつくづく感じてしまいます。柵をはりめぐらせた安全な場所がない限り、ノアローを放して遊ぶのはとても危険だからです。
 万が一、どこか遠く離れた所にでも、ヒート中のメス・ワンちゃんがいたとしたら、一体どうなるのでしょう???本能に目覚め、脇目も振らずにその子めがけて走り出すかもしれません。
 そんなこんなで、野外で伸び伸びと自由に遊ぶことなど、夢の又夢です。

 そして、又、家族や人間に対しては、ハイパーだけれども従順でお茶目、マウンティングはしないノアローであっても、他のワンコに対しては、去勢していないオスならではの強引さが出てしまうように思います。フレンドリーな中にも、興奮のあまり、節度をなくしていると言うか・・・。ほとほと疲れ果ててしまいます。

 幸い、我が家の周りには人家が極端に少なく、周囲数百メートル内はノアロー一頭の縄張りのような状態ですので、何もトラブルは起きていませんが、一般の住宅環境で住んでいる方には、とても勧められません。

 そうです!私が付け加えたかった大事な事とは、正にこの事なんです!!私は誰にも「未去勢」を勧めていません。私にとっての、去勢の定義とは、「繁殖をさせない」に他なりません。ですので、「未去勢でも繁殖させない事が出来るのなら、去勢しなくても良い」が私たちの考えの基本なんです。

 いつも、いつも、ヒート中のメス・ワンちゃんが何処かにいたらどうしよう???と心配するのは非常に疲れます。オシャレなドッグ・カフェでお茶を飲むのにも、相当の覚悟と精神安定剤が必要かもしれません。そういう不便さだらけです。
 周囲に家がたて込み、ワンちゃんが沢山いるような場所で暮らすのなら、たとえ、去勢したくないと思っても、そうしなければワンちゃんにとっても不幸な事だし、事故を防ぐのは容易な事ではないと思います。

 ペットの去勢&不妊が常識化、半ば義務化された事によって、事故による繁殖は激減したと思います。メリットの方が遙かに大きくて、むしろ、深刻なデメリットは殆どないのではないでしょうか?
 それでも、外科的手法を用いなくても、繁殖や生殖本能によるトラブルを避けられるのなら、自分の意に反してまでノアローを去勢する事はないと思っています。それが私たちの選択であって、そう言う「選択の自由」がなくなってしまうことをとても恐れています。

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17.こんな事で良いの?

 
うちが一般的な躾方法の中でも、一番逆らっている部分は食事かな〜?とにかく「食事は楽しいイベントだよねっ!」なので、ノアロー一匹に寂しい思いをさせたくない、そういう”擬人化”が、ノアローをのさばらせてしまう原因なのかもしれません。


 
ノアローは、良い子にしていれば、お裾分けが自分にも来ると信じて待っています。たまに催促する事もあります。


 
あら、あら、お箸でお豆腐でも分けて貰いましたか・・・。こういう口移しの類は、
人畜共通感染症が心配ですので、絶対にマネをしないでね!


 オヤ〜〜!テーブルの上のドーナッツに心を奪われている模様。催促の一種ですね。

 幸い?、ノアローは今までテーブルの上の食べ物を盗んだ事はありませんが、それは、子犬の頃のある時期、私たちの食べ物を全く分け与えなかったからかもしれませんし、元々、そういう野心がない子なのかもしれないです。

 この「甘やかしの精神」の根底に流れているものは、ノアローパパの言う「どうせ、この子は、長くても十数年しか生きられないんだ」なんでしょうかね?
 ま、うちは、こんな考えです。
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This page was last updated on June 2, 2003.


真っ黒ラブラドール・ノアローちゃんの部屋