「ぼんせき」という言葉をご存じですか?
「盆石」は長い歴史をもつ日本の伝統芸術です。


盆石とは

盆石(ぼんせき)は、黒い盆の上に白い石で風景を描く芸術です。
盆石特有の道具を使い、白い石を山や川、海などに造形し、
日本の美しい風景を盆の上に再現します。
盆石では、盆の上になにかを描くことを「(石を)打つ」といいます。


盆石の歴史

盆石の歴史は、資料が少ないためはっきりしません。
天武天皇のころ(在位673-686)お茶やお花と同様に
宮廷の女官たちの間でさかんになったといわれます。

しかし天武天皇以降の盛衰については不明な点が多く、
ふたたび盆石が歴史に登場するのは室町時代です。
足利義政のころに再興され、以来活発に行われてきたといいます。
江戸時代の文化文政のころには、盆に詠歌を添えることが流行しました。

しかし、以前は16もあったといわれる流派も、
現在は ほんのひと握りになってしまいました。
参考文献:『諸流盆石指南』(実業之日本社/明治43年)