フラクタル受講者へ
年明けのこの授業の予定をまとめて書いておきます。
1月14日(火)
振り替え授業日なのでこの授業はなし
1月21日(火)
通常授業(試験前の最後の講義。)
1月28日(火)
期末試験
(試験期間前に試験を行うことにしました。この日でこの授業は終わり。
試験の教室は8−101および8−102。誰がどちらの教室で試験を受けるかについては、
1月21日の授業中に知らせるつもりです。)
2月の試験期間中
なにもなし。
12月1日(日)から12月14日(土)まで、 マルティン・ルター大学(ドイツ)のリーガー教授を招聘し、 共同研究を行います。マルティン・ルター大学は今年でちょうど500年の 歴史をもつとても伝統のある大学で、かつてはあのマルティン・ルターが いた事もあるので彼の名が大学名に使われています。 また、カントールの3進集合のあのカントールがかつていたこともあり、 この授業の受講者には興味深い大学のはずです。 ですので、リーガー教授に授業に参加していただき何か話していただくと みなさんにとっても意義深いことであろうとは思っていましたが、 「なにせ英語となるしちょっと無理かな」と判断しました。
とはいえ、共同研究をするために招聘したので、私にとってはこの 2週間はとても貴重です。従って、
12月3日(火)、12月10日(火)は休講
の予定です。
フラクタル図形は図形列の極限として得られる図形です。 数学的な取り扱いが可能であるフラクタル図形は、
単純な図形を初項とし、単純な規則で図形列を作ったときの
極限として 得られる図形
です。極限として得られる図形を正確に描くのは一般に不可能ですが、 初項の図形、第2項の図形、第3項の図形、第4項の図形...と 極限に至る図形列を順次描いていくと、極限図形の概形を想像することは可能です。 しかし、たとえ初項が単純な図形であり図形列の生成規則が単純であっても途中の段階を手書きで描くことが困難な場合もあります。極限図形を思い描くのにはさらに困難が 伴います。例えば、
初項
第2項
第3項
第4項
や
初項
第2項
第3項
第4項
第5項
などを見て下さい。この二つはいずれも、初項は立方体とか正四面体とかの単純な図形であり、図形列の生成規則も 単純です。でも上の図のように、少なくとも、 第4項、第5項ぐらいまで描いてみないと極限図形を想像するのは なかなか容易ではありません。
林の中などで普通に見ることができる「羊歯の葉っぱ」も同様に 「単純な図形を初項とし、単純な規則で図形列を作ったときの極限として 得られる図形」として捉えることができますが、途中の図形列を 手書きで描こうと思うと困難が伴うし、この図形列の極限が「羊歯の葉っぱ」であるであろうことは、 何段階か描かせてみないと想像するのは難しいでしょう。
興味がある人は、
ここ
や
ここ
で遊んでみてください。
初回の授業の後で、フラクタルに関する本について質問されたので
amazonにおいて「フラクタル」で検索した結果
をリンクさせておきます。 沢山の本が出版されていることがわかると思います。
フラクタルに関する本は大雑把に言って2種類あります。
ひとつは「啓蒙書」。フラクタル生成プログラムがいろいろ載っていて、 図が沢山ある本などはこの部類に入ります。
もうひとつは、「上級者用専門書」。 難度が高く、読むのに骨が折れることが多いです。
この両者を区別するのに、値段が一つの目安になりますね。
啓蒙書を眺めても勉強にはなりますが、いかんせん数学の部分がいいかげんな ことが多いです。「フラクタル」は自然界にある様々な形を扱う学問とはいえ、 数学の話なので、この授業では数学の部分を(予備知識を仮定せずに) 扱ってみましょう。
ウェブ上にも情報は沢山あります。たとえば、Googleにおいて「フラクタル」で検索する と
こんなに
出てきます。手書きではうまく描けない図が多いので、フラクタルはウェブに 向いていると言えるでしょう。ただ、ウェブ情報はどうしても無責任になりがちなので 情報を選別する眼を養う必要があるとも言えますね。
初回の授業中に説明したように、予定していた教科書が絶版になってしまったので 「教科書はなし」で授業を行うことにしたいと思います。
自己相似性を理解する
ことを目標にします。
初回の授業では、ビデオデッキの調子が悪くてビデオを見ることが出来ず、 申し訳ないことをしました。いずれ、見ることができるようにしたいと思います。
予約していた教室に入りきれなくなったので教室を変更しました。
8号館101教室
で授業を行います。時間割表に記載されている教室とは異なりますので注意して 下さい。
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