雑学練習帳
 駄洒落練習に変わって、ちょっと真面目な漢字の起源。文.蔑.道.辺.方.妾.白に共通する概念は?漢字が成立し始めた紀元前、殷から周にかけての言葉が神と結びついていた頃の発想ですね。 解答は「死」かまたは「殺」。
文:屍体を聖化するため人の胸部に加えた文身(いれずみ)の象形。
蔑:異族との戦いの先頭に立ち敵に呪詛をかける巫女(ふじょ)が呪眼を強めるために
  目の上に飾りを付けたのが媚飾(びしょく)。それを付けた人が媚女。戦いに勝った
方が負けた方の媚女を、相手の呪力をそぐために戈(ほこ)でにかけて殺すのがこの字。
道:産土神(うぶすながみ)に守られた故郷を出ると異神邪霊に囲まれ、呪詛が加えら
  れた道を行くのでわざわいを受ける。これを防ぐには呪禁をしなければならず首
  を埋めて修祓(みそぎ)をするか、首をぶら下げていく。
辺(邊):自は鼻で鼻きょうが上を向いたシャレコウベの鼻。下のH形は台座。方は文
  化程度の低い異民族の国。 方:また方自体も死体を架した形で、境界に死体を中
空に置いて悪霊をおそれさせた。
妾:(しょう)というのは女子に辛(はり)をもって入れ墨する字で、神への犠牲として
  捧げる。 白:頭蓋骨の形から象形したものが色も指すようになった。

他にも真実の真は、旧字眞に頁をつけた「てん」に倒れるの「てんとう」で相手が倒
れるまで呪詛をかけて必ずそうなるので本当の意味が生じたとか。
  いずれも一連の白川静の文より。   「漢字」岩波新書,「字訓」,「字通」,「字統」以上平凡社




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