51-7:北海道 札幌市 弥永北海道博物館 



所在地:北海道札幌市北区北19条西4丁目1−10

取材時期:2013年3月

ジャンル:展示系

珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)

久しぶりに札幌にやってきた。今回は公共交通機関での訪問だったので、どこか適切な取材スポットがないか?と例によって「ひとり歩き・北海道」をパラパラとめくっていると北大18条門の近くに「弥永北海道博物館」というものがあることを知る。北海道関連グッズ、とくにアイヌ関連資料が大量に展示されている書かれているので、地下鉄に乗り取材に出かけてみた。

20年近く前にこのあたりに住んで居た時には、まったく気がつかなかった。博物館としては30年近い歴史があるとのことなので、興味があるかないかで認識するものも違うのだなあと実感する。確か、創価学会の建物はあったように記憶しているが、こんなに広くはなかったな?などと、雪道を歩きながら進むと「弥永北海道博物館」の看板が見えてきた。ひょろ長い建物が目指す博物館である。表示がなければ全くの一般住宅であるので、入館するのには少し勇気がいる。まずは風除室にはいり、玄関ドアを開けるとすぐに受付が。靴を脱いで上がり、入館料500円を支払い取材開始。ありがたいことに写真はOKだ。

まずは道内主要都市の鳥瞰図コレクションから。明治のころのものであろうか?小樽や函館、旭川などの町並みを細密に描いているものだ。これは縮小版が受付前でしおりとして販売されているので、興味のある方はどうぞ。さらに奥に進むと鉱石展示室へとつながる。巨大アンモナイトや輝石・奇石類がびっしり並べられておりイシマニアにはたまらない場所であろう。その中でも異彩を放つのがコハクコレクション。北海道産ではないが、トカゲが封入された巨大コハクは必見、これは凄い!恐竜化石やマンモスの牙など、なんでここにあるの?と思わせる貴重な品々がてんこ盛り。回転する石製ビアマグは、おそらくココでしか観れません。

  

順路は二階へと続く。もう一つの目玉。アイヌ関連資料展示室だ。彼らは宗教的な理由で人物の絵や文字を忌み嫌っていたため、自分たちの姿を自分で描いた物が存在しない。よって展示されている絵はすべて倭人が描いたものなのだそうだ。それでも、アイヌの人達の生活を知る上では貴重な資料であるのは間違いない。クマ狩りや海に漁にでる様子などが克明に記されている。民具なども展示されているが、もう少し解説を詳細につけてくれると有り難いな?。この後に訪れた近代美術館のアイヌ特別展でみたイクパスイ(へら状の木製祭具)も展示されていた。

さらに奥には古銭・古紙幣の展示がある。世界各地のコインをよくもまあこんなに集めましたな、といった感じ。道内銀行の資料もあるが、ここで一番面白かったのが南方の島でかつて使われていた巨大な石をくり貫いて作られたお金。実物は直径30cm程度のものであったが、写真では2mくらいあるものも存在したようだ。まるで「はじめ人間ギャートルズ」を地で行っている。実際に使われていたこともあるのだなぁと感心しきり。炭鉱で使われていた山札なども展示されておりその筋の専門家にとっては資料的価値が高いのだろう。

さて3階が最上階。ここには砂金関連の資料が揃う。道内のどこで、どんな種類の砂金が採れるのか一目瞭然のパネル展示がうれしい。砂金といえば佐渡や土肥が有名であるが、北海道もゴールドラッシュで賑わった時代があったことも初めて知った。砂金採りの様子を再現したジオラマや、民家なども良くできている。この階では是非「金属探知機」を体験して欲しい。良くテレビなどの埋蔵金探索などで登場するあれだ。実際にスイッチを入れ、砂場に埋めてある金属に反応する様子が自分で確かめられる。さらにその奥は世界の黄金工芸品展示室。なんと豪華なことか・・。残念ながら、このコーナーは道内のものはほとんどなさそう。

  

ということで、取材終了。しかし、この弥永さんとはいったいどんな人なのか?どうしてこんなにコレクトしてしまったのか?謎に包まれたまま、博物館をあとにしたのであった。今度は弥永館長の話を聞きながら展示をみて廻りたい。



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