51-1:長崎県 長崎市 福済寺 万国霊廟長崎観音 


所在地:長崎県長崎市筑後町2-56

取材時期:2012年6月

ジャンル:お祈り系

珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)

巨大な観音様が、これまた巨大なカメに載っている。高層マンションが長崎駅前に林立する前は長崎駅からも観音様を拝むことができたという。長崎恐るべし!ということで、梅雨まっただ中、観音様を拝みに長崎に旅立った。さて前日の所用を終えた翌朝、天気は曇天。この年の梅雨は九州一帯が大雨で長崎〜大分にかけては「これまで経験したことのない雨」が降ったりして、一体どうなっているのだ?ということであったが、日頃の行いが良かったのか土砂降りは免れたのであった。早速長崎駅バスターミナルのコインロッカーに荷物を押し込み、徒歩にて福済寺(ふくさいじ)を目指す。珍寺というと比較的新興のお寺が多い中、この福済寺は歴史がある。なんと1600年代にまでその寺歴を遡れるというのだ。あの坂本龍馬と勝海舟が宿泊したという話もあるようだ。しかし残念なことに、あの原爆投下で寺院は消失し、その後再建されたとのこと。原爆投下とは一体なんだったんだろう?と少し考えさせられる旅ではあった。

さて、福済寺への道のりは続く。長崎は坂の街である。地図上は駅からほど近いように見えてもかなりの登りが続くのでなかなか到着しない。「萬国霊廟長崎観音」の看板を発見しさらに坂を上るとやっと観音様が見えてきた。文殊般若の門をくぐると目の前に問題のカメさんと観音様の図。ウヒャァ〜、久しぶりの珍寺訪問で何だか嬉しくなってしまった。早速、お約束通り、本堂でお参りからだ!と思い本堂を探すが、それはなんとカメさんの内部であり、観音様の真下にあったのだ。拝観料は特に要求されないので、お賽銭を投げ入れ、木像の観音様に手を合わせる。ふと気付くとご本尊様の正面に何やら円形の鉄枠があり地下に続いている。さらに頭上からは一本のワイヤーロープが・・。そう、これが噂の「フーコーの振り子」ではないか!その正体は本堂の地下ではっきりするであろう、と地下に急ぎたいところだが、まずは落ち着き本堂を一周。その間に寺紹介パンフなどもゲットしながら、地下への入り口を発見した。



さて周りには誰も居ないし、「フーコーの振り子 地下室にあります」という看板があるので、まずは突撃してみることにした。階段を下り、恐る恐る入り口ドアを押すとカギはかかっていない。真っ暗だが、入り口横の照明スイッチを勝手に入れると蛍光灯が灯る。特に撮影禁止の注意書きも見あたらないので、写真を撮らせてもらった。やはり気になるのは中央にあるフーコーの振り子。残念ながら、今回はおそらく展示室が改装工事のまっただ中であったのだろう、振り子は動いていなかった・・・。うーん、残念。しかし、この展示室は勲章やら軍服、海底から引き上げた機関銃なども同時に展示されており、じっくり見ると興味深い。また、「写真で見る元国宝福済寺」などというパネル展示もあり、原爆で消失する前の寺院がわかるようになっている。また外には戦艦陸奥の遺材なども置かれているので見逃さないように。やはりここ福済寺はフーコーの振り子も重要だが、なんと言っても巨大観音様とカメの取り合わせというビジュアルがキモであろう。そいつを十分堪能するには、観音様の背後の斜面に階段状に配置されている墓地からの光景を是非カメラに収めようと、再度急斜面を登った。



階段を登ると観音様にすがる子供達の像も気になってきた。観音様が与えてくださる水を欲しているだろうか?これも原爆の影響を暗示しているのか?子供達の顔が妙に大きいのは、下から見上げるの前提に作られているからなのだろうが、同じ高さからみるとちょっと滑稽ではある。さらに登ると、観音様の背中越しに長崎市街が見渡せるので、訪れた際は是非ここまで登ってみて欲しい。足下の階段に墓石が利用されていることにも気付くであろう。



左手に見える奇妙な搭は「日本26聖人聖フィリッポ教会」(西坂教会) の二本の搭であり、こちらも珍建築好きならチェックしてみてもよい。塔にはなぜか焼き物が貼り付け羅れているのだ。長崎も思い出深い街となりました。


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