49-9:埼玉県 春日部 地下神殿 


所在地:埼玉県春日部市上金崎720

取材時期:2011年7月

ジャンル:展示系

珍スポ度:☆☆☆☆(☆五個が最高得点)

春日部の国道16号の地下に放流路が存在するのは知っていたが、見学出来るのは平日のみであったためなかなか取材できなかった。今回電力消費平準化のため変則勤務となったため早速見学予約を入れ、久しぶりにバイクでの取材に出掛けてみたのだ。東北道は岩槻インターまで順調に進む。そこから16号に降りると激しい渋滞。すり抜けもできず真夏の照り返しもきつくGPSを頼りに横道に逸れた。結局かなり迷ってやっと江戸川土手沿いにある龍Q館にたどり着き、コンビニで買ったおにぎりで昼食。見学予約は13時からであったので何とか間に合った。

  

受付を済ませ案内があるまでロビーで待機。そうしている間に他の見学者もゾロゾロ集まってきた。一回のセッションは25人が定員であるらしいが、今回は20名前後。案内のお姉さんに聞いたところによると例の震災以降見学者は少な目に推移しているとのこと。まずは地下放水路の概要説明からスタートである。ジオラマや地図を多用し放水路の必要性や仕組みを係りのお姉さんが解説する。このあたりは地形的に低い土地となっており、まわりにある小さな川が氾濫して洪水被害が絶えなかった。そこでいくつかの川から地下の放水路を通じて江戸川に水を導くために16号地下に水路が作られたのだそうだ。最終的に江戸川に揚水するにはケロシン駆動のジェットタービンが使われるとはちょっと驚き。しっかり勉強させてもらったのち、いよいよ地下神殿の見学である。

  

龍Q館の建物を出てグランド(実はこの真下が問題の地下神殿なのであるが)の端にある地下豪入り口に全員集合。ここでも係りのお姉さんに注意事項の説明を受けたあと、いざ地下に進む。階段と踊り場は安全のため撮影禁止になっているがずんずんと下る。だんだんとヒンヤリしてくるとともに湿度が上がり、ビル5階分下るとそこが巨柱が林立する貯留槽である。

  

この空間は支流から流れ込んだ雨水を江戸川に放流する直前の地下ため池としての役目をになっており、巨柱は流れ込んでくる水流の勢いを弱めるために作られたものである。広大な薄暗い空間に林立する石の柱が醸し出す幻想的な空間は仮面ライダー等のロケに使われたのも納得だ。見学できるスペースは泥かきが行われている10m四方に限られており、見学時間も10分なのが少し残念。あと5分自由見学時間が欲しかった。この放流槽は年に10回程度は利用され、稼働前と比べて圧倒的に浸水被害が減ったとのこと。まあこれだけ大がかりな土木工事をして効果薄では許されないでしょう。国交省の管轄なのでしかたないのかもしれないが、ぜひ土日も開放してほしいですね。


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