47-3:茨城県 稲敷郡 ケネディ電気 



所在地:茨城県稲敷郡河内町長竿3540-1

取材時期:2009年11月

ジャンル:展示?系

珍スポ度:☆☆☆☆(☆五個が最高得点)

関東圏内にありながら、なかなか取材ができていなかったケネディ電気。取材自体があまりできないない状態であるが、とある日曜日、思いつきで出かけてみた。アクアライン〜館山道〜東関道と通り、成田から国道408を北上。利根川を超えたところにそれはあるらしい。ナナを走らせていると左手になにやらガラクタの山(失礼)が・・。おおっ!ここが噂のケネディ電気かぁ!と車を駐車場らしきところに押し込み。写真を撮っていると、おばちゃんにいきなり怒られてしまった。そりゃそうか、個人の敷地ですからね。ひたすら頭を下げて許してもらったが・・。取材のやり方も、見直さねば・・。

  

そうこうしていると、「中に入って話を聞きなさい」とのことであったので、これはあの社長の話が伺えるものと思い、ほいほいと事務所に。そこには近所のおじさんと話し込む河原田社長がドンッとソファに腰掛けている。な・なんだこの迫力は。しかもこの事務所の中の雰囲気は・・。どう見ても珍スポである。まずは自己紹介などをさせていただき、社長の向かいに座る。まあ、まずこれでも、と缶コーヒーをごちそうになり、ケネディ電気に興味を持った経緯などを話し始めた。うーん、この雰囲気では、缶コーヒーだけごちそうになって、さっさと引き揚げる訳には行きそうもない!ええぃ、それなら、今日の取材は徹底的に社長に食らい付いて、話を聞きまくるぞ!と開き直ることにした。

それから、話は、このケネディ電気にやってくる訳のわからない珍スポファンの愚行に始まり、ミサイル発射塔を観て立ち寄った宇宙飛行士の山崎直子氏、本業のリサイクル事業展開、地元会津でのヘリコプタービジネス、議員会館まで踏み込んで行った陳情、日本の大企業を相手に起こした裁判でのやりとり等々、本当に貴重なお話を聞かせていただいた。全てをいちいち紹介出来るわけもないので、この辺にしておきますが、お昼もお母さんお手製の肉蕎麦を頂いてしまい、本当に篤い熱いスポットでした。

話の切りの良いところで、まずは事務所内の撮影許可を頂き、営業秘密に関わるカレンダーやデスクの上は当然ながら撮影禁止だが、それ以外は自由に良いよ、との事だったので、遠慮無く撮影させていただいた。天井には非常に水が降り注ぐスプリンクラー(手作りです)あり、至る所にヌードポスター、社長手書きのスローガンもあちこちに貼ってある。「俺の発想の原点は 会津の伊南村から生まれるのだ!」 「一・戦いは他人を相手とせず 自分を相手とせよ 一・女の美とは色気である 一・男の美とは決断である 一・男のかちは女できまる 一・人はまちがいを相手のせいにする 一・目でわかることは口にだすな 」これは良いですね〜。「活気のない人 死人と同じ」は凄い一文。

  

「時は技術開発なり」「ここより新開発が生まれて行く 自信をもて、人のために」なんてのもあったな。技術者の端くれとしてはとても勇気のでる言葉ではある。しかし、一番の驚きは天井から吊されたモニターに映る映像。国道からケネディ電気への入り口に向けられたカメラからの送られてくるものであるが、ニカ家が事務所でお話を聞いている最中にも、何人もの人間が断りもなしに敷地内に入って写真などを撮っている。それがこのモニターでしっかり観察されていたのだ!それを見つけた社長は、拡声器を使い、「ごらぁ!無断で撮るな!」と一喝。それでたいていの侵入者は逃げ帰ってしまうのであった。くれぐれも訪問するさいは一番奥の事務所にまず立ち寄り、社長もしくは奥様の許可を得てからにしましょう!

事務所の取材が一通り終わると、「おい、面白い物みせてやるから二階に上がれ」ときた。社長についてヒョコヒョコ階段を上がる。そこは社長の寝室兼物置。「面白いものを見つけてみろ」とのお言葉に、寝室をジロジロ観察するが、面白い物だらけで一つだけを選ぶのは困難な状況。うーんとうなっていると、社長、天井を指さす。そこには四角い天窓が・・。「いいか、俺はいつもここにこうやって寝る。すると星がきらきらときれいに見えるんだ。しかも日によっては月も見える。成田から飛び立ったジャンボジェットが視界に入ることもあるんだ。どうだ凄いだろ!」うーん、それはそうだけど、もっと驚いたのは、その天窓は社長自らが天井をぶった切って強化ガラスを天井まで持ち上げ固定したという事実。やはり篤い珍スポオヤジにはセルフビルド力が備わっているというニカ理論を再確認してしまったのだ。

「それじゃ、今度は俺の研究開発成果をみせてやる。外へ出ろ」ということで事務所の外へ。「これだ!」と社長が指さす先には廃冷蔵庫。ん?れ・冷蔵庫が開発品?と思い、半分かかっていたブルーシートを剥がすと、冷蔵庫の扉部分に巨大なスピーカーが埋め込まれている。「いい音が出るんだ、いまは繋がっていないから出ないがな」とかなり自慢げな社長。開発は組み合わせだ!というのが社長の持論。お次は本業のリサイクル品を陳列している仕事場へ。ここにも社長自慢の開発品である扇風機とビデオカメラを組み合わせた防犯装置を見せてくれた。最後に外に展示されているドラム缶ミサイルとドラム缶戦闘機の説明だ。少し前に「ぶらり途中下車の旅」で元巨人の宮本氏が旅人で訪れたときにはジェット噴射装置を背負って大変な取材をしたらしい。「ぶらり・・」はほぼ欠かさずチェックしているのだが、その回は見逃したようだ・・。しかし、とても「ぶらり」と来れるような場所では無いと思うが・・。

  

そんなこんなで、すっかり陽も傾き、夜になろうとしてきたため、流石にお暇させていただくことにした。このまま話し込んでしまったら晩ご飯までお世話になってしまう状況でしたので・・。久しぶりに超強力な磁場を持つ珍スポでした。横浜からそれほど遠くないので、是非またおじゃまさせて頂きたいスポットです(それなりに自分のテンションを上げてから行かないと潰されてしまうので、大変ですが・・)。最後に、ほぼ終日おつきあいして頂きまして、有り難うございます、社長と奥様。


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