47-2:福井県 大野市 九頭竜湖畔慰霊碑 



所在地: 福井県大野市

取材時期:2009年9月

ジャンル:お祈り系

珍スポ度:☆☆(☆五個が最高得点)
道の駅「九頭竜」で、動く恐竜モニュメントを堪能した後、九頭竜湖畔を白鳥町方面に向かっていた時のことであった。左手に奇妙な祠が見えた。こ・これは・・珍スポに違いないとナナ助号を転回させて現場に到着。まずは、どういう施設なのか調査を開始した。「無料さん」「一休さん」「弁当さん」「仮眠さん」と表にデカデカと掲げてある。うーん、謎だ?外観は粗い造りの丸太小屋ではあるが、ものすごい手作り感バリバリの施設である。恐る恐る中に入ってみる。

  

どうやら「無料休憩所」と言うことらしいが、内部はとても荒れていて、あんまり休憩したい雰囲気ではない。祠の先には巨大な石が立てられており、よく見ると「慰霊碑」と彫られている。何かの鎮魂のために建てられた休憩所のようである。一応「慰霊碑」であるので、何はさておき手を合わせて置くのである。祠に戻って内部をさらに観察する。すると正面に由緒書きが貼られていた。

それによると・・
1973年に九頭竜ダムが造られ、その後自殺者や交通事故が多発したため、例の慰霊碑が設置された。それを30年以上守ってきたのが、この祠の製作者である梅坪国男さんというかた。その梅坪氏が慰霊碑前に誰でも自由に利用できる休憩所の建立を始めたのが2004年。ほぼ自力で2年をかけ完成させたのがこの休憩所ということである。建立物語が切々と語られている案内板は涙なしでは読めないものである。

 

その案内板の真下には寝床らしきものがしつらえてある。が、ここで仮眠を取る勇気のあるヒトは殆どいないであろう(もちろん、冬季で雪の中彷徨っていた場合はとても有り難い設備であることは想像できるが・・)。現在では殆どメンテナンスされていないため、かなり荒れてしまっている。他人事ながら梅坪さんの体調が心配である。こういう鎮魂の施設を、私財をなげうってまで造る郷土愛。今見習うは、こういった精神なのかもしれない・・。


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