43-7:愛知県 南知多 貝がら公園 



所在地:愛知県知多郡南知多町豊浜字半月140-1

取材時期:2008年9月

ジャンル:展示系

珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)

今回の東海取材(強行軍だけど)の主目的は、この貝がら公園取材なのであった。というのも公園を管理している山本良吉氏が大分ご高齢であり、なるべく早く取材したいな〜、と思っていたためなのである。アンコール・ミュージアムで予期せぬ時間を消費してしまったので(これも取材の醍醐味なのではあるが)、すこしペースを上げ、昼食は貝がら公園取材後に回すことにして、ひたすら知多の先端を目指すのであった。知多半島に入り、武豊の高い某窯業会社の煙突を横目に見ながら伊勢湾側に抜ける。国道247を内海温泉を抜け、豊浜へ。東海取材では欠かせない「バカルト紀行」で詳細な入り口をチェックしたところ、常滑信金の角を山側に入る、ということであった。

特徴的な地形であるため、GPSナビでもこの辺だろうな〜という地点に来ているはずなのであるが、信金など影も形もない。入り口がわからず引き返すと山の上に例の展望台が見えるではないか!おおっ!あれだぁ〜!見えているのにたどり着けないもどかしさ・・。247を行ったり来たりで5往復はしたろうか、最後には自分で探すのをあきらめ、道を歩いているオバチャンに「あの〜、この辺に貝がら公園があるって聞いたんですけど」、「それならすぐ先の細い道を左にはいればあるよ」との事。やっぱり近かったんだ、最初っから聞けば良かった・・。オバチャンにお礼をいってXJを進めた。

  

やっと見つけた「貝がら公園入り口」。なんとバカルトで信金と書いてあったところは2008年秋には葬儀屋になっていたのである。非常に狭い道なので車を停めるところなさそう。車の場合は近くのお寺に停めさせてもらう以外手はないだろう。バイク一台くらいなら入り口横のわずかなスペースでもOKと判断し、いざ公園へ。入り口のモニュメント文字も埋め込みの貝がらで造られている。急な坂道をズンズン登る。斜面にはいろいろな花が植えられているような札が掛けてあり、メンテされていることを窺わせる。中腹まで登ったころであろうか、完全に草で埋もれた「遊園地」が現れる。ふと後ろを振り返ると、そこは豊浜漁港の先に伊勢湾。なかなか風情のある風景である。

  

さらに登ると一面きれいに整備された広場に出てきた。その先に鳥居、左手には中年のおっちゃんがベンチでたばこをふかしていた。この人が山本氏では無いだろうとは思ったが、一応挨拶をして先に進む。鳥居に近づくと、あぎゃ!これもしっかり貝がらで装飾されている。中央には「白山」の文字がヒョウタン型板に書き付けてある。正面の第二鳥居(これには貝がらが埋め込まれていない!)の先には「本殿?」があり、お参りできるようになっている。当然入園料など取られていないので、お賽銭100円を奢り、チャリーン・パンパン。などとやっていると横から爺さんが現れ、件のおっちゃんと会話を始めた。どうやら景気の話をしているらしい。たぶん、この爺さんが二代目公園守の山本良吉氏だ!しばらく写真などを撮っていると、裏にもいろいろあるから観て行けとのお言葉。知ってはいたが「裏にもあるんですかぁ〜」などと驚いた振りをして、本殿を迂回しさらに奥へ。

  

すると、あるわあるわ!貝がらオブジェのてんこ盛り。大砲から観音様、ヒョウタンオブジェやベンチ・テーブル、何から何まで貝がらが埋め込まれている。規則的に小さいものが並んでいるものを極端に忌避するヒトを知っているが、彼女がここにきたらもう、全然だめであろう。即下山である。この中でも一番の力作はあの国道から見えた展望台を擁する竜宮船「白山丸」である。コンクリ製全長12m(適当です)の山頂にある船の丁度中央に高々とそびえ立つ展望台。山本翁が後から付いてきて、見晴らしが良いから登ってみ〜と、あまりのぼろさに少しヘジッとするニカの肩を押したのであった。「そ、そうですね・・」と階段を上り始めたところ、意外にしっかりとした造りでまだまだ持ちそうである。

  

見晴台に到着すると先ほどの豊浜漁港と伊勢湾がくっきり。床のモザイクもとってもお洒落?所々に鏤められた鳥オブジェも素晴らしいセンスである。ニコンの固定式双眼鏡はすでに用を足さなくなって久しいが、過去ここに設置されていたという事実も驚きだ。ひとしきり撮影も終了し下船すると、山本翁が草むしりに余念がない状態となっている。「これ全部一人で管理されているんですか?」「あったりめ〜、何十年もやってるからにゃ」などという会話に始まり、近頃のご時世は・・といった世間話を少しさせていただきました。本殿横のプレハブ小屋で爺は一日の大半を過ごすらしく、ニカが下山するときにも小屋の中から「またおいで〜」と声を掛けてくれたのであった。まだまだ元気で公園守をして欲しいものだ。


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