39-1:愛知県 犬山市 牛岩の円空ジイ



所在地:愛知県犬山市牛岩

取材時期:2007年5月

ジャンル:おいのり?系

珍スポ度:☆☆☆☆(☆五個が最高得点)

コメント:
それは犬山城から多治見に向かって走行中のことであった。「愛知万博のインド秘仏様をお迎えし、ただいま公開中」といった内容の看板を偶然発見した。黄色のバックに江戸文字フォント、道端から珍スポ電波をビンビンに発信しているではないか!こ・これは是非取材せねば、とMGを誘導看板の方角へ向ける。看板自体は黄色で目立つのだが、どうもその道のプロが仕掛けた誘導方法ではないらしく、注意して進まないと見落としてしまうかもしれない。結局県道16号から側道へと導かれ、少し山側へ進むと左前方に仮設テント。その奥に祠発見!テントにはジイさんが数人の客と話をしている。

道をはさんだ駐車場にMGを押し込み取材開始!と、祠に向かうまでもなくテントのジイさん寄ってきて「あんたら、どこからき〜なさったん?ありゃ〜横浜か、でりゃ遠いところご苦労さん」。キターッ!強烈珍スポには欠かすことの出来ないのは篤いオヤジである(この場合はおじいさん)。

 

テント横には水くみ場があり、地元のおばちゃんやらおっちゃんやらがペットボトルをいくつも抱えて水を汲んでいる。そんな光景を横目に、まずは秘仏の取材だ!と祠へ向かう。ジイさん「ゆっくり見ていってな〜」。テントを迂回し一段高くなった祠に近づくと、これま仰天の光景。建物全体が木彫りの仏像で埋め尽くされている、っていうか木彫り仏像で建物が出来ているってな感じだ。イ・インド秘仏様ってこれかぁ!随分想像と違うぞ、と祠正面に廻ると、やっぱり違った。きちんと祠内部に安置されている黄金の仏像。うんうん、これぞインド秘仏様。しかし取り巻きの木彫り君達はいったい何なんだ?

何はさておき、まずはお詣りである。おいのり系取材なので、(入場料や拝観料を強制徴収される場合は別だが・・)お賽銭チャリーンと南無南無と拝ませて頂く。と、背後から「どうですか?」うわぁ、びっくりしたよ、ジイさん。篤い珍スポジイはいつも話好きだ。「これはジイさんが掘ったんじゃぁ。この辺のは最初に掘ったのでたいしたことにゃ〜が、最近では掘る前に木の中にホトケ様がみぇーるんだな」ときた。す・すげえぜ!「それじゃ、現代の円空じゃないですか」「いや〜円空さんにはまだまだじゃ、千くらいしか彫っとらんからな」→これ以外にもまだ山のように木彫り仏があるってことか!

  

祠奥にもまだまだ木彫り君達はぞろぞろいる。そちらを探索しグルリと一回り。そこで爺に疑問をぶつけてみた。「なんで地球博の秘仏様がここにいらっしゃることになったんですか?」、するとジイは解説を始めた。なんでも、ジイは地元の爺さん婆さんたちへのボランティア活動を積極的に進めているらしく、その関係で車いすを押して地球博へ何度も出かけたそうな。会期も終盤になったころインド館を訪れた際にググッと来たのがこの秘仏様。そこでインド館の担当者に掛け合ったところ、大事にしてくれるなら、と譲り受けた、という顛末である。これはこれで何となく凄い。

ジイのお話に聞き入ってしまい、取材用の写真を取り忘れていることに気付く。ジイの話はコンコンと続くので、「あの〜写真を撮らせてください」と話に割ってはいる。そのご祠周りの撮影を続け、一番最初に目に入った水くみ場に辿り着く。それは「尾張富士の伏流水:牛岩の水」が地下から汲み上げられているらしく、とても旨い水だと近所でも評判なのだそうだ。試しに飲んでみると、確かにまろやかで旨い。水を汲んでいるおばちゃんに「これでご飯を炊くととってもおいしいよ」だって。

若い頃の旅行や、ボランティアの話題など興味深い話が沢山聞けて、非常に楽しい取材となったのであった。「これからは、わしが車いすで押してもらう番じゃ」などと言っていたが、なんのまだまだ、元気で頑張って欲しい物である。


 
また来るよ・・・

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