38-9:鹿児島県いちき串木野 ガウンガウン祭り



所在地:鹿児島県いちき串木野市野元 深田(ふかた)神社

取材時期:2007年3月

ジャンル:まつり系

珍スポ度:☆☆(☆五個が最高得点)
コメント:
数年前の事である。前沢のウシ博物館二階展示室で出会ったウシのかぶり物。あまりに強烈でのけぞるほどであったので、いったい何に使うのだろうと思い展示をよく読んでみた。するとこれは鹿児島は串木野で執り行われる「ガウンガウン祭り」という豊作祈願の祭りで使われるとのこと。みうらじゅんのトン祭りとはちと違うが、ニカ家的には非常に興味深い祭りなので、絶対に取材しなければ・・、と毎年思っているのだが、やはり鹿児島は遠い!2007年の春、やっとその時がやってきたのだ。

まずは準備からなのであるが、ウェブ上にも正確な開催日時が載っていない。これじゃ飛行機の予約もできないので、ウェブにある電話番号へ問い合わせる。するとそこは串木野役場・・。担当の方もいつやるのか分からないといった有様。うーん、本当に地元のごく一部の住民を対象にした超マイナーな祭りなのである。祭り実行委員の方を何とか紹介してもらい、電話してみると・・・。まだ決まってない(当時前年の12月)!なんとも呑気な。でも時間の流れがゆっくりしていて、ちょっとうらやましい。その後、何度か連絡させていただきやっと3月18日(日曜)に開催されるという情報を得た。それからやっと旅行の手配である。

そんなこんなで前日の17日に鹿児島入り。またも電話で開始時間を聞いたが、役場では分からないらしい。調べてもらうと午後2時からなので、18日は鹿児島市内のホテルをゆっくりチェックアウトし、レンタカーのパッソで串木野を目指す。昼前に到着し、話題のマグロラーメンをすすった後、いざ深田神社へ。またしてもなかなか発見出来なかったが、午後1時前には到着(祭りは早めの到着と場所取りが肝心です)。

境内ではすでに準備が始まっていた。神社では祝詞があげられており、社務所前ではウシマークが背中に入った法被姿のおっちゃんたちがPAなどをセッティングしている。しかも流されている曲が演歌とロック(クィーン)、さすが神社、なんでも来い!だね。ニカ家の到着はかなり早いほうであったが、南日本新聞のカメラマンやその他の報道関係者はすでに脚立持参でスタンバっている。入口付近の実行役員メンバーテントでは交通安全のお守りが臨時販売されており、ニカ家もすかさず購入。ガウンガウンウシもキャラ化して売り出して欲しい・・。

 

しばらくすると近隣住民のかたが集まりだしてきた。この祭りの主役はずばり子ども達である。登場人物?はテチョ(父親)とその息子達の太郎・次郎+ウシ。境内の広場にカトちゃんもびっくりの派手な化粧に野良着のテチョが登場し、太郎・次郎・ウシと共に即興劇が執り行われる。地元の子ども達が、出てきた登場人物の足を、鍬を模した木の枝で引っかけて倒せば今年は豊作、というお祭りなのである。なので、まずテチョが現れた瞬間に子ども達がテチョに群がりもう大変なことになるのだ。

簡単な祭りの解説が放送され、ガウンガウン祭りは始まる。前述の通り、始まったトタン子ども達とカメラマンがテチョに集中し、周りのギャラリーからは殆ど何も見えない状況となる。テチョの小型マイクから様々な口上が繰り出されるのだがかなりきっつい地元言葉なので、関東人にはほぼ分からないようになっているが、「ちょっと待て!」とか「痛い!痛い!」と叫んでいるのは聞き取れるのだ。うーむ、役者さんたちの足首やすねは青アザだらけになっているに違いない・・・。

どんどん祭りは進行し、太郎・次郎も登場。直ぐに子ども達に倒されて社務所に退散。ストーリーはは逃げたウシを探す事になっているようだが、それはどうにか解決した模様で、次の場面はウシが畑を耕すらしい。やっとお待ちかね、ウシの出番である。社務所の奥から太郎?に引かれたウシが出てきた。おおっ!あの前沢で見たウシだぁ!と感動するまもなくウシも子ども達の餌食となり倒されていたのだ。が、しかし取り囲まれた場から上手く逃げ出し、脱兎のごとく疾走。境内の端までダッシュしたところでテチョ?により取り押さえられる、といった演出。

  

一通り終わったところで、田植えを模した儀式を行って祭りは終了である。最後は餅蒔きでシメである。うーん、とっても楽しかった。お世話になった旧実行委員長さんから、例の木の枝を頂きました。ありがとう!でも鹿児島空港での機内持ち込みが出来ず、巨大な縦長ボックスに収納され羽田の預け入れ手荷物として受け取ったときにはちょっと恥ずかしかった・・。また行きたいな〜、あのウシかぶり物欲しいな〜。

 

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