34-9:福岡県 久留米市 救世慈母大観音

所在地:福岡県久留米市上津町 大本山 成田山 久留米分院

取材時期:2006年5月

ジャンル:おいのり系

珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)
コメント:
国道3号線、久留米市内を走っていればイヤでも目に付く巨大観音。それは久留米成田山の救世慈母大観音、62mなのである。九州随一を誇るだけ有って、さすがにデカイ。到着が夕方になってしまった関係上、内部の取材は翌日持ち越しだが、夕日に染まる観音像を激写し、とりあえず久留米温泉湯の坂に向かった。

  

さて翌日、博多どんたく初日のため、久留米市内も大渋滞。やっとの思いで成田山に到着し取材開始。まずは協力金として500円を奉納し、内部へ。さらにパンフは別料金100円也、しっかりしている!まずは観音様胎内巡りからスタートだ。残念ながら内部は撮影禁止なので、公式ページを参照して欲しいが、胎内にはあまり見所がない。入口付近に腕のなが〜いお釈迦様がいらっしゃって、ヒトやら動物やらを暖かく包み込んでいる、って言うか腕長すぎで気色悪い。水子供養塔を過ぎると、あとはひたすら階段を登らされ、肩の部分が最上階。そこにチンケな仏塔があり、ハイ終わり、となっているのでわざわざ上まで行く価値ないですね。でも階段途中の窓から眺める久留米市街はなかなかのもの。特に出窓から平和大仏塔極楽殿(これまた凄いネーミング)を見下ろすと、ここはもう日本ではありません。

 

さて順路に従い地下に潜ると、そこは親孝行壁画がずらっと並ぶ階下回廊。古今東西の親孝行昔話が壁画で表現されている不思議空間。絵のヘタウマ度合いが非常に微妙で見逃せない。物語も何じゃこりゃ?的なものもあったりで、じっくり読み進めると全て鑑賞するのに30分以上かかってしまう膨大な量だ。また宝石歴史館という、これまた珍スポ好きが喜びそうな展示もあり、チープな(でも本当はお金のかかっている)雰囲気を存分に味わえるようになっているのだ。雰囲気的には仙台武家屋敷の国分氏ジオラマに近いなあ。

回廊の終点に位置するのが「八大地獄絵巻・地獄館」という素晴らしいアトラクションなのである。まずお約束の閻魔大王登場からはじまり、各種地獄絵巻が展開されている。かなり本気で作り込まれており、おどろおどろしい地獄の様子がばっちり楽しめるらしい!と奥へ進むが、ほぼ真っ暗でチイとも怖くない。あれよあれよ、という間にハイ出口。照明が壊れてるんじゃないの?と受付のおばちゃんにクレームを付けたところ、「あんな不気味なところ、あたしゃ入ったこと無いから分からないよ」だって。

諦めて大観音や仏塔を激写していると係りのお姉さんがやってきて、照明をもう一度チェックしてくれるとの事。すると足下のセンサー感度設定がいまいちらしく、ニカが通るとなぜか反応しなかったのだ。革パンに黒ブーツだと認識しづらいのかもしれない。何度もセンサー前を通過するとやっと照明がつき鬼達が動き出すのだ。なるほど、これなら十分楽しめるわい。なんでも昨年完成の地獄らしく血の池地獄や針地獄なども出来たてホヤホヤ感が滲み出ていて素晴らしいテイスト。マニヤック度合いでは牟岐の正観寺には敵わないが、子供の教育には十分な威力を発揮するのではないか。最後は天国ルームなのであるが、や・やはり気合いの入った地獄と比べると明らかな手抜き。お釈迦さんの壁絵と蓮の花では天国らしさの表現が足りない。せめて伊豆の地獄天国巡りに見られるような「家賃タダ、気温ハワイ並」といった解説札の立った黄金ジオラマくらい気張って欲しいものだ。

これで一応取材終了であるが、極楽殿内部や本堂も一見の価値ありですので、お忘れ無く。おみやげにレアな慈母観音絵はがきはいかがでしょうか?

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