32-7:京都府 私のしごと館

所在地:京都府相楽郡精華町精華台7丁目5-1

取材時期:2006年4月

ジャンル:展示系

珍スポ度:☆☆☆☆☆ある意味ね(☆五個が最高得点)

コメント:
朝ズバって朝から、みのもんたの戯言を聞かせられるのが嫌であまり見ないのだが、たまたま掛かっていた時に放送していた京都にある「私のしごと館」。かなり凄まじい施設らしく、バブリーでいつ閉館させられても不思議では無いように感じたため、今回の京都ツアーのメイン取材として訪ねてみた。

近鉄は新祝園(しんほうその、と読める人は関西人ですね)、JRなら祝園からタクシーで10分くらい。バスもあるが1時間に2本程度である。とても「皆さん〜来てくださぁ〜い」という場所では無い。タクシーの初乗り1メーターでは辿り着かず、1500円くらい掛かってしまった。今回は時間重視のスケジューリングなので仕方ない・・、トホホ。しかし、入り口に近づくにつれ、その異様さが際立ってくる。なにせデカイ施設なのである。しかも前面ガラス張り。

エントランス・ロータリーでタクシーを降りると床は総大理石となる豪奢な入り口。岐阜の「光記念館」も真っ青なバブリー度合いである。各都道府県の近代美術館でも、こんな豪華な造りの建物を持つ自治体は無いと思われる。早速内部へ。近未来的なロビー中央に受け付けカウンター。中に受付嬢二名。お姉さんに聞いてみると、有料スペース見学の場合は券売機でチケットを買え、との事。何で他人の仕事を知るのに金払わないといかんのか、疑問に思ったが入らないとレポート出来ないので大人一人700円を機械に投入しチケット・ゲット。さぁて、しっかり見せてもらうぞぉ!と気合いを入れて有料スペース内部へ。別なお姉さんにチケットを見せて入場する際、「写真はダメですから」ときた。なんとケチくさい。

レンズキャップを閉めて、見学開始だ。「しごと探索ゾーン」では、恐らくトヨタの協力を得ているのでしょう、自動車会社をモチーフにして、営業マン・整備士・研究員や工場作業者などの仕事が簡単に紹介されている。プリウスの切断モデルも展示されているが、こんなのトヨタの工場見学に行った方が早いし、良く分かるのでは?さまざまな職の紹介スペースがコンセプトなしに並べられているが、中でもぶっ飛びは旅行代理店カウンターがそのまま移動してきたコーナー。良く駅ビルとかで見かけるJTBのカウンターそのまんまです。これまた、皆さんが良く利用する駅に行けばタダで見られるもの。さらにその奥の巨大スクリーンでは、旅行会社社員がインタビューを受けている場面が流される。「この仕事は、人とのつながりが大事なんです。」って、旅行代理店なんだから当たり前だろう。さらに進むと、テレビ局の収録スタジオが再現されており、(たぶん)本物の撮影機材が設置されているのだ。ここでは収録体験も出来るようになっているらしい。これじゃ、この施設作るのにお金が掛かるのも無理はない。全く回収の見込みのない設備投資を行っているのだから・・・。これらを見て、「あっ、この仕事しよう!」と感じる中高生がどれだけいるのだろう。

館内があまりに広大なので、ウロウロしていると「しごと体験ゾーン」にぶつかった。ここでは主に職人系の仕事を体験できるようになっているらしい。木工や手芸系あり、アート系あり、しまいにはピアノ調律まで体験出来る。でも、これって地方の道の駅とかでも体験出来ちゃったりするような気も・・。しかも体験料は全て入館料とは別料金だ。さらに進むと噂の一体300万円なりのフィギュアコーナーが。サッカー選手から看護士、警察官から研究員まで、100体近くあるんじゃないかな。あまりの無駄遣いに目を覆いたくなる状況である。

さらに奥には「しごと発見ゾーン」と銘打って、職業適性を判断してくれるPCがズラリ。実際にPCを操作している客はゼロだが、操作説明のための係員はウジャウジャいるぞ。どうなってんだ、しごと館!これで一通り見せて頂いたが、ある意味でここは紛れもない珍スポであり、☆5つ上げます。しかもこの施設の運営資金は我々サラリーマン(正確には会社)から強制徴収される雇用保険から拠出されているそうだ。で、公務員は失業しないから雇用保険は払っていない。ここは公共の施設であり、働いているのは公務員?でしょう。とすると、ここは「(サラリーマン家庭の)私のしごと館」ではなく、「(ここで働く、もしくは周辺事業で儲ける)私のしごと館」という図が見えてくるのであった。かりに自分が公務員で、ここに配属されたら毎日の仕事が苦痛だろうな〜、心が痛むよな〜。

写真:
  

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