30-8:宮城県 仙台市 人間教育館

所在地:仙台市青葉区荒巻字青葉33-1

取材時期:2005年11月

ジャンル:展示系+少しお祈り系

珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)

コメント:
月曜に仙台出張が入っていたので、日曜から仙台入りして少しだけ取材をしてみました(もちろん宿泊などは自腹です)。当然足が無いので、公共交通機関頼みの取材となります。仙台駅近郊の珍スポといえば、あの仙台大観音が有名ですが、調査してみると、ありました超マニアックスポットが・・。仙台武家屋敷内にある人間教育館。ここで地獄ジオラマを見学できるらしい。それではっ、とバスで仙台武家屋敷へ。「成田山行き」のバスに揺られること20分。ターミナルに着くと、バス停を降りたところが直ぐに武家屋敷入り口。おおっ!取材開始じゃ。

まずは入り口にそびえ立つ銅像・・。あんた誰?と思い、台座に掛かれた由緒書きを読んでみると、この屋敷を建設した国分というじいさんらしい。まあ、いいか、と思い「仙台武家屋敷」と大書きされた門をくぐり、どんどん下った先に赤門美術館入り口発見。ガラス越し受付が見える。日曜の昼時だからであろうか、来館者は殆どいないらしく、受付にも誰もいない。ドアを開け進んで行くと奥からおじさんが現れた・・。「見学ですか、1050円になります。あ、ここは美術館だから撮影禁止ね」と釘を刺されてしまった。

この武家屋敷(って言うより展示館といった方がしっくり来る)は、戦国時代ジオラマルームに始まり、その上階の武具展示会場、ずっと下って古美術を、なまら並べてある赤門美術館、最地下の人間教育館(地獄巡り)から成り立っている。各階のテイストがバラバラで全く統一感が無い。それもそのはず、この屋敷は、件の国分氏のマイ生い立ち自慢およびマイコレクション見せびらかし屋敷を本質としているのだ。その中でもヒトキワ異彩を放つのが人間教育館なのですね。まずは順を追って紹介してみよう。

受付での指示で、兎に角階段を上れとの事だったので、順路に沿って進む。すると廊下左右にブースを区切ってジオラマが展示してあるのだ。まずは解説版をじっくり読ませて頂くと、むかしむかしの戦国時代、この仙台近辺は国分氏が支配していたそうな〜。その時の栄華を誇らしげにジオラマにして、代々の領主であった国分家がいかに素晴らしかったを見せつけているのだ。でもそのうち伊達政宗にやっつけられちゃうんだけどね・・。ということで、宮城の歴史に何の興味もないニカはツラツラと展示を眺めながら足早にこの階は通り過ぎた。他人の自慢話を金を払って聞かされているようで、あまり良い気分ではない。

さて順路は上階となっている。早速上がってみるというと、そこには鎧甲・参勤交代籠、刀剣類が所狭しと並べられている。骨董品に興味が無いわけではないが、イマイチおもしろくない。足早に展示を見せていただき、順路通り階下へ。そこは地下一階の赤門美術館という所だった・・。ここにも夥しい数の美術品がずらりと並べてあり、大観(だったかな)の屏風だとか日本洋画家高橋由一作「鮭」(吊されて半身削られているやつです)もあったりする。焼き物の数が膨大でどれがどう素晴らしいのやら、とてもわからないのであった。

順路はさらに階下へと続く。そこが地の果て、人間教育館および七不思議館なのである。まずは七不思議館から探索開始!いや〜参った、まいりました、このチープな不思議空間。回転して上下どちらからも顔に見えるように造られているお面、これがモーターでくるくる回る。次の間には湾曲した鏡、さらに行くと天井から椅子がぶら下がっている「さかさまの間」。アルファベットのお勉強ができるスライドも上映されているから、よい子のみんなも十分楽しめるぞ!続いて本日のメインイベント「人間教育館」へと足を踏み入れる。

まずはお約束、三途の河ジオラマからだ。うんうん、なかなか良く出来ておる、などと感心しつつ進むと、おっと向こうに閻魔様がいるではないかって、これもお約束なんですが・・。さて閻魔様に近づくとセンサーが感知し、閻魔様のお言葉が聞けるのだ。この声優さんがデーモン木暮じゃないかっていう噂が「ロードサイドジャパン」に出ていたので楽しみにしていたのだ。何度もセンサーを動かして「お言葉」を聞いてみる。うーん、聞けば聞くほど閣下の声のように聞こえてくるのだ。こんなところで小銭を稼いでいたのね、閣下は・・。しかし悪魔と閻魔様は随分遠い存在のような気がしないでもないが、どうでしょう?たしか閻魔様ってお地蔵さんの化身のはずでは・・?まあ、細かいところは気にせず先に進むと、そこは地獄ジオラマが展開されている。なかなかの出来ではあるが、全国一位の牟岐・正観寺の地獄巡りには到底及ばない。でさらに進むと次は極楽だ。いつも思うのだが、地獄造りのパワーに比べ極楽の手抜き度合いは一体どうしてなんだ〜!教育館の極楽もご多分に漏れず蓮の花の周りに寺院があり、中央の銀幕にスライド上映、といったお粗末さ。もう少し工夫が欲しいな。

これでお終いかと思ったら、いやいや次の間は広大な講堂となっている。そこに、これでもかっ!という数のベンチが並べてあり、正面には巨大スクリーン。そう、ここは死後の世界を学べる映像スペースだったのだ。壁にあるスタートスイッチを押し、教育映像をスタートさせる。被教育者はニカ一人。約10分強のスライド映像とナレーションであったが、なかなか良くできているぞ、と思っていたら終わりに監修「学研」と出てきた。うーむ、デーモンといい学研といい、こんな仕事もありなのね、と感心して教育館をあとにしたのだ。素晴らしいぞ、仙台武家屋敷!

写真:
  

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