25-6:大阪府 豊能郡 能勢の高燈籠

所在地:大阪府豊能郡能勢町倉垣415

取材時期:2005年4月

ジャンル:お祈り系

珍スポ度:☆☆☆☆ (☆五個が最高得点)

コメント:
この連休の大目玉、能勢の高燈籠(たかどうろう)行って来ました。前日は徳島から明石大橋を通り神戸を抜け、宝塚入りしてチボリ・カラカラテルメに宿泊。朝早めに出発し、池田で国道477に入り北上する。のどかな山道をしばらく走り、歌垣に近づいたところで左折すると見えてきました高燈籠。山腹にニョキッと生えたカタツムリ様の建物なので直ぐに分かる。ちょっと離れたところに黄金大仏もいるではないか!事前調査では巨大仏も見物であると言う情報は得られていなかったので非常に楽しみ!誘導看板通りにバイクを進めると駐車場に到着。カメラを取り出し早速取材開始だ。

まずは入り口に「知らねば恥ずかしい・・三十三身応現総観音合祀塔 能勢の高燈籠」と強気のポスターあり。実はこのポスター、あとでお土産に貰えて、自宅に持ち帰った後壁等に貼り付けると御利益が得られるという優れものなので、忘れずに頂いてこよう。ポスターの他、看板には

塔の中 博多人形多数 ご鑑賞ください
土(沙)の霊塔『高燈籠』の強大な引力の呼び寄せに応じた
 - 土(素焼き)の『博多人形』 -
各種各様の姿、約700身を塔内に飾りました。
 -土より出でて、土に帰る『人の身』の -
生命、肉体の『延命、長寿』の追加補充をするのが、
『仏に言い付けられている我々人形(土)の役目』じゃ、引き受けたり。と、
只今、塔内にあって、勇気凛々、手ぐすね引かんばかりです。
どうぞ、皆さん、御詣りの途次、ゆっくり、ご鑑賞ください。
この因縁(土の同類 相互関)の経文よりどころ

うーむ、手ぐすね引いて待っているらしいぞ、博多人形たち・・。ちょっと怖い気もするが勇気を出してGO。階段を登ると門が閉めてある。入って良い物か悩んでいると庭の掃除しているおじさんが、「鹿がおるからの、開けたら直ぐ閉めてや」。ハイハイ、と早速入場する。その言葉通り鹿君たちが草をムシャムシャやっていたが、ニカに気付き「何しに来たんじゃボケ」と睨まれてしまった。件のおじさんとちょっと立ち話などして、塔方面へ移動し、「入り口」と書いてあるドアを開けて中に入る。するとお姉さん二人がおり「10時からです!」と怒られてしまった。そうかまだ9時50分。開塔まであと10分もあるではないか・・。スゴスゴと退散し庭から建物の写真などを撮り時間をつぶす。塔正面には「正浄遺伝子組替祈願霊場」の文字が・・。しかし不思議な建物ですね〜、あのニューヨークのグッゲンハイム美術館くらいぶっ飛んだ建築物ではありませんが、巨大巻き貝といったところか・・。などと感心していると先ほどのお姉さんがわざわざ呼びにきてくれた。

入湯料じゃなかった入塔料300円を払い、いざ取材開始。正面のご本尊様右横に受け付けブースがあり、そこには10台以上のテレビモニタがずらっと並んでいる。その画面には監視カメラで捕らえた塔内の様子が映し出されているではないか。なんか凄い所に来てしまったなぁ、と思いまずはご本尊様に手を合わせる。係りのお姉さんの一人とちょっとお話させていただきましたが、何故この場所に来たのかを聞き出したいようであった。うーん、まさか珍スポ取材です、と言うことも出来ない。遺伝子組替祈願霊場ということだったので、バイオの研究をお仕事としてやっている関係で「微生物の供養に来ました」と答えを既に準備していたのだ・・。ほへ。

そんなこんなしているうちに、件のお姉さんが何やらご本尊横にスタンバイしている。その前には沢山の模型車両が・・。そう、これが噂の汽車ポッポ巡礼トレインなのである。本日一番に巡礼を開始するのは、なんと聖徳太子トレイン号!汽笛こそ無いが、低いモーター音を響かせながら右巻き螺旋回廊をゆっくり登って行く。ニカも聖徳太子様に付いて回廊を登り始めた。入り口看板にも書いてあったが、回廊の展示棚には夥しい数の博多人形が飾られている。その周りをゆっくり登る巡礼トレイン。渦巻き状の人間用巡礼路の各角には監視カメラ!どうやらこれは無許可で三十三身佛の写真を撮る輩を威嚇しているのではなく汽車ポッポのトラブル、途中で動けなくなったトレインに次の巡礼列車が追突するなどという事故を避けるためにあるのでないか。そうだよな、こんな広い巡礼塔をお姉さん二人で切り盛りしているのだから・・。

グルグルと巡礼路を行き、最期に辿り着いた先は、なんと・なんと阿波踊り人形(動いている)がミニ回転寿司テーブルに載って無限の踊りを続けるシュールなオブジェ。その奥の壁面にはお遍路衣装の老夫婦の巨大モノクロ写真。た・たぶん教祖さんなんでしょうが、不思議な空気が流れる謎空間が演出されている。回転阿波踊り人形に度肝を抜かれていると、後から「どうでしたか?」とお姉さんに声を掛けられた。その隣にある金色仏に供えてある献花を取り替えにきたようだ。「す・すごいですね」とついホンネがでてしまうニカ。「微生物の供養でしたら施灯もできますから、下の受付でお願いしますね」などと、ニッコリされてしまっては断るワケにもいかない。

元来た巡礼路を下り、受付に戻り施灯をお願いする。施灯とは供養の言葉を書いたお札を巡礼トレインに載せ、塔を一周させるのだ。これ一回千円なり。早速ニカもお札に「研究により犠牲になる微生物たちへ」と書き千円を支払う。するとお姉さんが達筆でその横に何やら呪文のような漢字をすらすらと・・。その後、件のトレインがそのお札を載せて一回キリの巡礼に出発するのだ。トレインのご本尊前通過に会わせ、合掌。その後、マイトレインと一緒に螺旋を登る。うーん、すごいぞ!高燈籠。登りながら博多人形の間を良く見てみると、300回とか900回とかの立て札と共に氏名が書いてある。そう、これはその人が何回施灯したかを示す立て札なのだ。最上階には1000回の満願達成者名簿が誇らしげに飾ってある。一回千円なので・・・。つい銭勘定をしてしまうニカはいつまでの悟りは得られないのかもしれない。しかし、祈りの形態はイロイロあるものだ。

このトレイン、あまりにも遅いので途中で一緒に歩くのがイヤになってしまった。途中で引き返し、お姉さんに「あとはよろしくお願いします」と頼み塔を後にしたのだ。帰宅後、ネット調査するも、この宗教法人世界大法教・要会の情報は殆ど得られなかった。ちょっと興味があるので、もう少し調べてみようっと。

写真:
  

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