22-5:静岡県 伊豆極楽苑

所在地:静岡県田方郡天城湯ケ島町下船原370-1

取材時期:2004年11月

ジャンル:お祈り系&おいろ系

珍スポ度:☆☆☆☆ (☆五個が最高得点)

コメント:
数年前に一度取材したのだが、すっかりレポートするのを忘れておりました伊豆極楽園。MGFの峠試乗も兼ねて再取材してきました。本当は県道18号で、だるま山公園へ向かうつもりであったが、台風の影響で通行止めとなっていたため国道の利用となってしまった。出口交差点を西に向かうとすぐに伊豆極楽園発見。赤鬼像があり見落とす心配は殆どない。まずは隣のドライブインで朝食を取り、取材開始。

正面受付で呼び鈴を鳴らすも反応なし。おそらく先に入った客への解説を行っているのだろう。時間がかかりそうなので極楽園周りの写真を撮りまくる。ちなみに内部は撮影禁止です。しばらくすると作務衣を着たお母さん現れ、受付開始。一人900円の地獄料を払い、いざ取材開始!まずは事前レクチャーよりスタートです。広い畳敷きの部屋に椅子が十脚程度あり、その正面に閻魔さん達の人形が並ぶ。その上に死後の世界概略を示したパネルが・。お母さん、「人は必ず死にます、死亡率は確実に100%です。誰も逃れられません。その後は・・」と始まり、生前の行いから死後どの世界に送られるかが決まり、天国・地獄はどんなものかを簡単に説明してくれます。質問もOK。ニカの「天国と天上界の違いは?」などと初心者チックな質問にも親切に答えてくれます。5分程度のお話を聞いた後、お待ちかねの地獄巡り開始です。

まずは三途の川ジオラマよりスタート。うら寂しい河原に白装束の人形達。ここを渡るにも6文のお金が必要なんですね。さあ、一度渡ると後戻り出来ない川を渡って次のジオラマへ。荒れ地で子供の人形達が鬼にどつかれております。石を積み上げる者もおります。親より先に死んでしまい、親を悲しませた罪を償っているのだそうですが、ちょっと違うような・・・?お次は奪衣婆登場。着物を脱がされ木の枝に掛けると、生前の罪の重さに応じて枝がしなるのだ。「死後には毛皮のコートもダイヤモンドも関係なし!」などの文句も的確だ。さらに進むと、やっと生前の罪を裁かれる所にやってきた。一週間に一人の裁判官で7回判定を受けるので49日かかる。ほう、それでシジュウクニチですか!しかしここでもお手製のジオラマパワー炸裂しております。生前のどんな行いもビデオテープに収められており、それを映し出す鏡も用意されているのだ。閻魔さんは究極のストーカー、プライバシーの尊重なんてこの世界には通用しない。

ここからは死後の六界ジオラマ。餓鬼界・畜生界・人間界・天上界、それぞれの世界がパネルもしくは人形で解説。その中でも天上界の解説が・・。天女と交わって快楽に浸れるのが天上界なのだそうだが、これはいかがな物か?もうちょっとましな世界だと思うが。でもアンディランド内、丹波哲朗プロデュース天上界も、似たような絵が描いてあったなぁ。さて、六界の内、最も力が入る地獄界。伊豆極楽園の最大の見せ場に足を踏み込んでみよう。 さすが地獄、最も広い展示スペースに各種地獄の寄せ集め。赤鬼・青鬼たちがあの手この手で罪深き人間達を痛めつけている。サイの目切り刻まれたり、皮を剥がれたり、釜ゆでなんてあたりまえ。やっと死ねたと喜んでいるとすぐに生き返り、また鬼にいじめられる。これを何億年も続けないと地獄界から抜けられないのだ。でもこれじゃ地獄界もそのうち人間であふれてしまうかも。入界できるまで自宅待機なんて事にならないかな?で、地獄の出口でゴリエのような女鬼に見送られて「地獄破り」完了!

階段を降りて宇宙空間のような廊下を抜けると、そこは天国です。おなじみのコピー「天国、気温ハワイ並み・敷金礼金無し・食べ物に不自由しない」がかなり笑える。金ぴかのお釈迦様を中心に緑の丘陵が広がるなか、こちらも金ぴかの金閣寺ライクな建物が無数に広がるジオラマ。天国のオーナーは観音様だったのか・・。

牟岐・正観寺の地獄巡りの強烈さにはかなわないが、関東近辺で堪能できる地獄としては最高の部類に属するでしょう。最後に件のお母さんとお話をさせていただきました。ここは家族で経営している展示館で、なんでも旦那さんが真言宗のお寺で修行を積まれたかたなのだそうだ。前回に訪れた時と比べて大きく展示替えされた様子は無かったが、聞くところによると少しずつ手を入れているとの事。修善寺あたりに観光に来た際、ちょっと寄ってみると良いだろう。

最後におまけで秘宝部屋もある。こちらは地獄巡り終了した方なら誰でも(18歳以上ですが)鑑賞可能。インドの秘像や、和物、東南アジア物など彫り物を中心としたラインナップで楽しめる。しかし、ここのメイン展示はなんと言っても真言立川(たてかわ)流48手展示の奥の間であろう。江戸時代に伊豆地方で大ブレイクした宗派なのだそうだ。うーむ、地獄・天国にエロですか。なかなか強烈な取り合わせで、素晴らし過ぎるぜぃ。

写真:

リンク等:
IZUバーチャルツアーさんのページ
・坂東千年王国さん「親鸞と立川流」:真言立川流がわかりやすく解説されている

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