22-10:茨城県 東茨城郡 ひょうたん美術館

所在地:茨城県東茨城郡美野里町小岩戸167

取材時期:2004年11月

ジャンル:展示系

珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)

コメント:
さて、水戸合同取材第三弾は、前から気になっていた「ひょうたん美術館」である。こちらもかなり分かりにくい場所にあるため、訪れる際は十分な下調べが重要であろう。今回はジモピーの244さん運転なので安心だ。

さて、美術館駐車場に到着。入り口ゲートにて入館料800円を支払うと、ちょっと先の建物からオバチャンが手招きで「こっちこっち」。どうやら、この800円にはミュージアム・ツアー料金も含まれているようだ。早速靴を脱いで主展示館に侵入。出迎えてくれたのは館長の大和田さんと奥様。まずは奥の間の多量のひょうたんがぶら下げ展示されているメインルームに通され、奥様よりレクチャーを受ける。ひょうたんに関しては全くの素人であるニカにも、その作製方法やお手入れの仕方、良いひょうたんの見分け方や瓢箪という名前の由来までしっかりと勉強させてもらった。最初は白い瓢箪も囲炉裏の煙で燻されて渋い色に変化して行くのだそうで、囲炉裏の消えた現在の日本では、正統派瓢箪はもう作れないのだそうだ・・。そういう意味でこの美術館に展示されている大量の瓢箪は日本の貴重な財産とも言えよう。

さて、お次はちょっと足の悪い館長御自らが蔵を案内してくれるのだ。瓢箪メイン展示館の向かいにある蔵の引き戸を開けると、渋〜い瓢箪はもちろん、瓢箪柄の火鉢、鎧甲、火縄銃、掛け軸から刀剣類に至るまで、数々の古いお宝が目白押し。それぞれに対して、館長の解説付きでツアーは進行するのだ。その中でも鹿児島藩から出たお宝の数々が無造作に積み上げられていたので、どうやって手に入れたのか尋ねてみると、終戦後の混乱時期に手に入れた物が殆どであり、これも瓢箪を集め出してから服ならぬ福が舞い込んできたのだよ、などと嬉しそうに解説してくださる。うーむ、羨ましい。

別棟の蔵へ移動し、今度は館長の娘さん?の解説が始まる。肝っ玉かあさんといった風情のおばちゃんの威勢の良い解説で、展示してある着物や江戸時代の質草、超立派な薩摩切り子などの紹介がなされる。一通り説明が終わると今度は庭園散歩。現在でも大和田家住居に使われている大正時代のお屋敷(閑院宮殿下宿泊!)の玄関を見せてもらったり、岩風呂を覗かせていただいたりで飽きさせない。最後は、これも瓢箪離れに通され、なぜ瓢箪を集めるに至ったのかを教えてもらった。呉服商の館長が若かりし頃、あるお宅に呉服を届けに伺った。するとそこには婆さんが一人。買い物に行くというので、少しの間留守番をして欲しいと頼まれた館長は、快諾した。婆さんは出かけたが、待てど暮らせど戻って来ない。館長、ふと庭に目をやると落ち葉やら木々やらが落ちていて、どうせ暇なら庭掃除でもするか、と思い立ちほうきを持ち出し庭をキレイにし始めた。やっと終わった頃、そのお宅の御主人が帰宅し、館長の行いにいたく感動した。そのご主人の趣味が瓢箪集めだったため、ご主人「うちの瓢箪のどれでも一つ、好きな物を以て行きなさい」と言ってもらってきたのがコレクションの始まり。それ以来、大和田家には福が福呼ぶ状態になったのだとさ・・。うーん、再度羨ましいなぁ。

それほど期待していなかったひょうたん美術館。ツアー付きでこの値段ならまた来たいな。

写真:

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