18-5:鳥取県米子市 アジア博物館・井上靖記念館

所在地:鳥取県米子市大篠津町

取材時期:2004年5月

ジャンル:展示系

珍スポ度: ☆☆(☆五個が最高得点)

コメント:
境港からR431の美しい松並木を南下しているときであった。国道の案内板に「アジア博物館」と出ているではないか。何度かこの表示を見ながら走るうちに、「ちょっと寄って見ようかな」と思うようになってきた。

そこで取材開始。国道すぐ横の入場門がもの凄く立派で、なんとなく新興宗教の総本山といった感じ。全くの予備知識無しの飛び込み取材なのでちょっと及び腰になるが、バイクを奥へ進める。一台も車が無い駐車場にバイクを停め、受付へ。入館料800円(ちょっと前まで1500円だったらしい)のところJAF割引で700円くらいになったのではないか?で、早速内部へ。手入れの行き届いた日本庭園の中を順路通りに進むと、まずは染織工房。うーん、染め物とアジアがどうも直接に結びつかない。機織り機や藍染めの道具をただ並べた空間で、ちっとも面白くないぞ。

順路を次に行くと、これ以降の館内は撮影禁止となってしまった。絣館という建物の中には藍染めの着物などが展示されており、あとからガイドブックを読み直すと、どうやらこれらは「浜かすり」という米子特有の着物だったらしい。お次は波斯錦(ペルシャにしき)館。米国在住のイラン人ラヒム・アナビアン氏のペルシャ錦および刺繍コレクションを買い取って展示しているものだ。買い取りにあたっては、あの江上波夫氏も深く関わっているらしい。展示されている刺繍をみると本当に細かい細工でビックリしてしまう。さて次のヤカタは蒙古(モンゴル)館です。ウシを何頭も繋げての大移動の模様がミニチュア模型で展示されており、結構な迫力がある。王様の椅子なんかもあるが、どうも展示内容はあまりパッとしないが、二階壁際にあるパネル展示には興味を惹かれた。このアジア博物館代表の横地治夫氏がモンゴルを訪れた際の紹介があり、横地氏はどういった人物なのか、知りたくなってしまった。

で、ちょっと調べてみると、ダイニッカという会社の現会長で、かつ柔道家としても良く知られる人のようだ。この柔道つながりで井上靖が弟子となり、そこから人脈が広がり、モンゴルやペルシャなどシルクロード関連の展示館を開く事になった。ダイニッカは大日本塗料の販売代理店として有名、この会社の創業者でもあるのだ。もともと、この施設は「浜かすり民芸館」ということで、別の民間人が経営していたところ経営がうまく行かず、市長から立て直しを要請され、横地氏が再建したもの。その際、自分の収集品であるペルシャ錦やモンゴル関連グッズの展示館を併設したのだ。さらに驚きは世田谷にある井上靖の書斎や居間を忠実に再現したレプリカ館までも造ってしまった。ここはかなりマニアックで、書斎に至っては蔵書もまるまる同じ物を同じ順番で並べてあるという・・・。外にはモンゴル国大統領より謹呈されたゲルが数棟建てられているし、B級スポットとはちょっと違うが、ある意味「珍」な場所であることは間違いない。米子に来られた際は、立ち寄って井上靖の書斎で、シルクロードに思いを馳せるのも良いかもしれない。

写真:  

リンク等:
・観光案内のページ

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