情報処理語学文学研究会会報 第10号(1991年12月14日) 旧仮名遣変換について 岡島昭浩 [一] 仮名漢字変換と旧仮名遣 「旧仮名遣で漢字変換できたら……」という望みは国語国文学の研究者・国語 の教師だけでなく、日本に関わるあらゆる歴史的な研究に携わっておられる方々 に共通なものの様です。また、歴史的研究でなくとも、現行法の中に戦前の旧仮 名で書かれてあるものも残されている現状では、法律研究者なども旧仮名による 漢字変換を望んでいるのではないでしょうか(片仮名からの変換を望んでいる人 も居るようですが、これは一括置換が良いでしょう。FIXERなどでは可能なよう ですが)。ところが、今通行しているFEPではそれをサポートしたものは見当りま せん(矢野徹氏の『ウィザードリィ日記』角川文庫124頁によれば、PC8801MR上で 動くワープロソフト「即戦力MR」は、「古語・方言の仮名遣いでも、あっさり変 換してくれる」ということですが、矢野氏が挙げておられる例の中には、純粋に 「仮名遣」の問題であるものは入っていませんし、筆者は8801には触ったことが 有りませんので、どのようなものなのか、なんとも分かりません)。 しかし、「旧仮名による漢字変換」と言っても、望まれるのは、変換後は漢字 の中に隠れてしまう部分ではなく、変換後も仮名のまま残される、送り仮名など の部分が旧仮名で打つことが出来たらよい、ということになるでしょう。それに、 漢字に変換されてしまう部分を旧仮名で打とうとする場合には、ユーザー登録単 語を旧仮名で入れておけば対応できる場合が多く有ります。「ゐゑ」などは、 FEPによっては、平仮名とは考えていないものや、変換元の平仮名としては使え ないものなどが有りますが、「うぃ、うぇ」で登録することによって回避するこ とも出来るでしょう。どうしても回避できないのは、やはり送り仮名の部分に現 れる旧仮名的部分、特にハ行四段動詞であります(ハ行の一段動詞は単語登録に よって変換が可能になるはずです。一段動詞にハ行のものを登録させないように 成っているFEPは無いと思います)。 それから、「旧仮名」の問題では有りませんが、二段動詞からも変換したいと いう希望も有ります。これは次善的な方法ですが、一段動詞として、「受く」 「捨つ」「揺る」等を登録する、という手が有ります。上一段動詞と下一段動詞 を区別しているような不経済なFEPは無いのではないかと想像しますが、「受け」 「捨て」「揺れ」の登録されている一段動詞に、更に「受く」「捨つ」「揺る」 を加えてやることで、「受くる・受くれば」「捨つる・捨つれば」「揺るる・揺 るれば」が変換されるようになります。しかしこれは、「受くない・受くて・受 くます」「捨つない・捨つて・捨つます」「揺るない・揺るて・揺るます」を変 換してしまう、という副作用を伴いますので注意してご使用下さい。なお、これ はPC-VANのSIG-ORIENTのcosmos#247において、こんやすさん(近藤泰弘氏)が提唱 されている方法ですが、既に実行なさっている人も多いのではないでしょうか。 さて問題のハ行四段ですが、これは単語登録でごまかすのは困難です。「思は」 「思ひ」「思ふ」「思へ」という単語を、どういう品詞として登録するのが良い のか、という問題が有ります。それから、これらの登録だけでは巧くいかない場 合「思はず」「思はない」等々をも登録して行くことになると、これは大変です。 「ワア行五段動詞」としての「おも→思」は既に登録されているのに、それ以外 に、一語の為に何語分もの登録をせねば成らぬとは無駄な話です。なんとかFEP の文法解析の部分を書き換えて、「ワア行五段動詞」として登録されている単語 の後にハ行の仮名が来た場合でも、「ワイウエオ」の仮名が来た場合と同じ様に 変換して呉れるようになれば有難い訳です。 これを松茸V2上で可能にして呉れたのが、BUNPO.COMというフリーウェアーソ フトです。松茸はBUNPO.DICという名で文法解析部分が独立しているので改造が しやすいのだそうで、このBUNPO.DICを書き換えてユーザーの望み通りの文法解 析を可能にして呉れます。 作者は高木薫さん、或はwhy_notさんとおっしゃる方です。松茸V3でも可能に なるようにお願いしているのですが、小生は高木さんの本場であるFMINDにあま り顔を出していないものでその後の経過は存じません。 BUNPO.DICの書き換えでハ行4段を可能にするのは、同梱されているバッチファ イルによって簡単に変更できます。さらに二段動詞も単語登録しさえすれば変換 できるようになっています。そして、もっと自分で頑張れば「未然形+ば」「未 然形+なむ」なんてのも変換できるように登録することも可能です。是非一度お 試し下さい。ただ、あまりにたくさん登録しすぎると候補が増えてしまいますの で適度な登録に留めておくのがよいでしょう。たとえばサ行イ音便なんてのは登 録可能ですが、「書いて」に変換したくて「かいて」と打ったのに「貸いて」が 候補に挙ったりすると、文法解析が不十分であった頃のワープロを思い出すこと になりましょう(私が以前使っておりましたサンヨーのサンワードは「とって」 から「飛って」なんてのを出したりしていました。結構気に入っていたワープロ なのですが、こういうのは困りものでした。ちなみに、気に入っていたのは、単 漢字変換に複合指定が出来ることでした。つまり、例えば「葉」という字を呼出 すのに「は」でも「よう」でも候補が多いので、「は、よう」という具合に両方 指定して遣れば、両方の読みを持つ文字を候補に出してくれる、というものでし た。後の機種では「くさかんむり、は」なんて指定も可能でしたから結構重宝し ていました。パソコン上のFEPでそのようなことが可能なものはありますでしょ うか)。 さて、このBUNPO.COMの所在はPC-VANであればSIG-ORIENTのパピルス#815-820 にISHで入っています。NIFTYならFGALSTのライブラリ7入力・出力関連ツールの 44か46です(45はMINDソースです)。日経MIXにもあるはずですが、場所は分りま せん。 旧仮名入力も良いが、中近世のものなど、仮名遣が無茶苦茶なものは、旧仮名 から入力しても、新仮名から入力しても、書き換える手間は一緒だ、と考える人 も居られると思います。しかし、「おもわず」で変換すれば「思わず」となり、 「おもはず」で変換すれば「思はず」になるこの便利さは捨て難いものが有りま す。 なお、BUNPO.COMについては、 PC-PAGE19『日本語入力読本』翔泳社¥1500 の中でも紹介されていますが、古文の入力のため、というよりは「口語の変換が 可能になる」というものとしての紹介です。ちなみに複数のFEPを取り上げた本 としては、 『最新日本語FEPハンドブック』菊田将克他、秀和システムトレーディング¥1400 もありますが、古文の入力にはどれがよいか、などの視点では勿論書かれていま せん。また、月刊THE BASICに連載されている「電脳辞書の国語学」は、FEPの比 較を毎号行っていますが、辞書に登録されてある単語について比較してあるだけ で、「国語学」と銘打つには問題が有ろうかと思います。登録単語の問題はユー ザーが自分で単語登録して行くことによって解決されることが多いはずです。問 題にすべきはもっと基本的な部分でしょう。文法解析の有り方や、学習機能の及 ぶ範囲・遡る範囲、ローマ字入力の仕様(「てぃ」「とぅ」ぁぃぅぇぉゐゑ等の 出し方等)、単語登録の限度の有無、知りたいことは色々有るのですが、なかな か情報は得られません。 [二] SEDによる新仮名から旧仮名への一括変換 さて、これまでは入力段階で旧仮名を用いることについて書いてきました。こ れが不可能な場合、入力は新仮名で行なって、後から(或は変換直後に)書き換え る、という方法が取られます。その場合、 おもいます と平仮名で打って、 ↓ 思います と漢字変換。 ↓ 思ひます カーソルを二つ戻して「い」の上に「ひ」を重ね書き。 或は「い」を消して「ひ」を書く。 という手順で行なわれると思います。文章入力後に纏めて書き換える場合には見 落しが有るでしょうし、変換直後に書き換える場合にはカーソルを行ったり戻し たりと面倒です。これをなんとか一息に行なえないかと目指して作ってみました のが、この後に掲げるSEDのスクリプトファイル、QKANA.SEDです。会報八号の高 木元氏のスクリプト中のQKAN.SEDは、常用漢字の字体を旧漢字に直してくれるス クリプトでしたが、これは現代仮名遣で書かれた漢字仮名混じり文を旧仮名遣に 改めることを目指して作ったスクリプトです。 これは高橋半魚さん(高橋明彦氏)のVZマクロ、FILTER.DEF Ver1に見える QKANA.SEDの名に、どのようなスクリプトで有ろうかと、想像をめぐらせたのが、 そもそものきっかけです。その後、高橋半魚さんよりQKANA.SEDを送って戴き、 半魚さんの意図である「仮字の古文風変換」の「風」の字をなるべく取り去れる ように努力しました。 PC-VANのSIG-ORIENTで、木越治氏が「新仮名と旧仮名がSEDで変換できないか」 と発言されたのを受けて、木越氏の意図とは違うものでは有りますが、そこに掲 示しました。その後、ばうやうさん・高橋半魚さんの御助言、また諸氏のはげま しを受け更に頑張りました。 漢字交じり用なので、漢字に隠れる部分には対応していません。ただ、仮名書 きされることも多いものについてはなるだけ対応しようとしました。原文を書く 段階から、このスクリプトを通すつもりで書いていれば、つまり、平仮名ばかり で書くような文節は最初から旧仮名で打込んでいたりすると楽かも知れませんが、 そんな意図も無く書いた文章を対照とした変換を目指しています。あくまでも、 「目指している」という段階ですから、間違った仮名遣が見られることも有るで しょう。そういったものは手動で直すようにして下さい。私はVZエディタ上で、 「い」の上にカーソルを置いてマクロを実行すると「い」→「ひ」→「ゐ」→ 「い」とぐるぐる変換するマクロを作ってやっております。 それから、このQKANA.SEDは直前の文字や直後の文字に依って、「い」を「ひ」 にすべきか、はたまた「ゐ」にすべきか、或はそのまま「い」にしておくのがよ いかを判断しております。例えば、 s/¥([恥閉綴怖いおと]¥)じ/¥1ぢ/g と言うのは、直前に「恥閉綴怖いおと」の文字のうち、何れかの文字がある「じ」 は「ぢ」に書換えろ、という意味で、つまりは、 「恥じ」を「恥ぢ」に 「閉じ」を「閉ぢ」に 「綴じ」を「綴ぢ」に 「怖じ」を「怖ぢ」に 「いじ」を「いぢ」に(「いじける」などを考えている) 「おじ」を「おぢ」に(「おじさん」「おじけづく」などを考えている) 「とじ」を「とぢ」に 書換えろ、という命令です。以下はスクリプト中の説明で、著者の意図を御理解 頂ければ幸いです。このように文字連続を手がかりに変換して居りますので、文 中や文節中に改行の入らぬ形でないと正常に機能しませんので、文書整形は変換 後に行なって下さい。 なお、本スクリプトは説明付きで巨大になっているので、実際の使用の際には、 SED -e /^#[^!#]/d -e s/#[^!#].*// qkana.sed >qkana.bat 等で余分な部分を取除いてから使用して下さい(コメントが多くてゴメンと書い ておこう)。纏まりのないスクリプトですが、安易に動かすと今まで巧くいって いたのがいかなくなったりするので難しいのです。ともかく、きちんとした計画 の上に作られたスクリプトではなく、いろんな文書を変換しながら、洩れていた ものを増補する、というかたちで作り上げたスクリプトですので、「こうした方 が良いのではないか」などという御意見が戴けたら大変助かります。また、「こ の行は無駄ではないか」とか、「なぜ〜〜には対応していないのか」という御意 見も戴ければ幸いです。 会報第9号にも付載のyax.batで切出してからご使用下さい。姉妹品odori.sed も付けておきます。 岡島昭浩 NLF06372@PCVAN MGH03027@NIFTY -----^ QKANA.SED ( date:91-12-01 time: ) ----------------------------- #! SED -f #漢字仮名交じり文用歴史的仮名遣変換指向sedスクリプト by岡島昭浩 ##四つ仮名。 s/¥([恥閉綴怖いおと]¥)じ/¥1ぢ/g s/ずつ/づつ/g s/はず¥([かるれべ]¥)/はづ¥1/g #「恥づ〜」「はづれ」。「筈」は「ず」 s/わずか/わづか/g s/¥([先ま]¥)ず/¥1づ/g s/¥([かがくぐげこさしじずたとどなのばぶぼやらるれろわ暗囲慰萎育因喫飲営詠怨凹温苛霞怪悔屈噛憾緩含企忌詰休汲窮拒践怯狭謹窪求恵倦好巧刻込恨混済窄撮産止嫉酌腫住縮潤傷笑]¥)まづ/¥1まず/g s/¥([畳食蝕慎進睡嵩澄棲清生積染潜羨疎組阻挿憎弾弛挑沈痛掴啄摘澱妬悼盗踏読呑悩膿拝白否病富僻蔑編歩包望勇遊淀頼絡涼力臨挟励論和歪儚咬嗜噤孕悴揉撓滲睨竦莟蕾軋誦讀諱娩凍]¥)まづ/¥1まず/g s/じゃ/ぢや/g s/¥([なかま額力腕地定金銭談盤み]¥)ず¥([かきくけこい]¥)/¥1づ¥2/g #うなずく,ぬか(額)ずく,ひざまずく,つまずく,腕ずく,汗みずく等、「みずから」も s/おのず/おのづ/g s/ねじ/ねぢ/g s/いず¥([れくこち]¥)/いづ¥1/g #「出ず」「いず」には困る。「出(で)ず」「出(い)づ」「居(ゐ)ず」「いづこ」 ##ワ行仮名 s/¥([率用]¥)い/¥1ゐ/g s/¥([飢植据]¥)え/¥1ゑ/g s/¥([くぐ]¥)らい/¥1らゐ/g s/¥([てで]¥)¥([はも]*¥)い¥([なぬざずまたらるれよて]¥)/¥1¥2ゐ¥3/g s/¥([てで]¥)¥([はも]*¥)お¥([らりるれろっ]¥)/¥1¥2を¥3/g #「ゐる」の判定は難しいので、ともかく「てゐる」だけでもと言うことで……。 #「ゐぬいぬはいぬ」居ぬ犬は往ぬ。なんてね。後の方でもう少しだけ対応している。 s/まい¥([らりるれっろ]¥)/まゐ¥1/g s/おかし/をかし/g ##ハ行5段 s/¥([あいとどまなら逢扱囲謂違唄云厭掩沿歌会叶患願寄揮疑吸救競狂喰遇憩敬結嫌遣言雇乞交向構行香合擦伺使思飼失呪愁拾習臭襲輯集従祝潤償商笑拭食振震酔整誓請占宣戦洗繕狙喪想]¥)わ¥([なぬねずざじゆらりるれろっせすしば]¥)/¥1は¥2/g s/¥([現争装遭揃損奪担弔調追通適添纏伝闘匿馴匂能培買這伴煩庇飛漂負舞副覆払奮紛蔽補慕倣縫訪迷貰問憂誘謡養隣聯連労賄惑會傳勞咒哥嗤圍從憇戰擔拂撓爭犒篩纒舫衒裝諂謠謳鄰醉鬪]¥)わ¥([なぬねずざじゆらりるれろっせすしば]¥)/¥1は¥2/g #↓連用形の接続を指定するのは複合動詞も有って困難。 s/¥([あ逢扱囲謂違唄云厭掩沿歌会叶患願寄揮疑吸救競狂喰遇憩敬結嫌遣言雇乞交向構行香合擦伺使思飼失呪愁拾習襲輯集従祝潤償商笑拭食振震酔整誓請占宣戦洗繕狙喪想相幸]¥)い/¥1ひ/g s/ああひ/ああい/g #ここで戻しておかないと「ああいう」が「ああいふ」にならぬ #「いまいます」「そしたらいま」等も困る。 #連用形からは「ま」「ら」を削って、次のを加える。 s/¥([すずしかたみやる見敬]¥)まい/¥1まひ/g s/¥([きすずじづはむぶめもわ計食語患安弔逆]¥)らい/¥1らひ/g s/¥([争装遭揃損奪担弔調追通適添纏伝闘匿馴匂能培買這伴煩庇飛漂負舞副覆払奮紛蔽補慕倣縫訪迷貰問憂誘謡養隣聯連労賄惑會傳勞咒哥嗤圍從憇戰擔拂撓爭犒篩纒舫衒裝諂謠謳鄰醉鬪]¥)い/¥1ひ/g s/¥([あいなまら逢扱囲謂違唄云厭掩沿歌会叶患願寄揮疑吸救競狂喰遇憩敬結嫌遣言雇乞交向構行香合擦伺使思飼失呪愁拾習臭襲輯集従祝潤償商笑拭食振震酔整誓請占宣戦洗繕狙喪想]¥)う¥([^てちた給]¥)/¥1ふ¥2/g s/¥([争装遭揃損奪担弔調追通適添纏伝闘匿馴匂能培買這伴煩庇飛漂負舞副覆払奮紛蔽補慕倣縫訪迷貰問憂誘謡養隣聯連労賄惑會傳勞咒哥嗤圍從憇戰擔拂撓爭犒篩纒舫衒裝諂謠謳鄰醉鬪]¥)う¥([^てちた給]¥)/¥1ふ¥2/g s/¥([^い]¥)まどう¥([^てた給]¥)/¥1まどふ¥2/g s/¥([あいどなまら逢扱囲謂違唄云厭掩沿歌会叶患願寄揮疑吸救競狂喰遇憩敬結嫌遣言雇乞交向構行香合擦伺使思飼失呪愁拾習臭襲輯集従祝潤償商笑拭食振震酔整誓請占宣戦洗繕狙喪想さ]¥)え/¥1へ/g s/¥([争装遭揃損奪担弔調追通適添纏伝闘匿馴匂能培買這伴煩庇飛漂負舞副覆払奮紛蔽補慕倣縫訪迷貰問憂誘謡養隣聯連労賄惑會傳勞咒哥嗤圍從憇戰擔拂撓爭犒篩纒舫衒裝諂謠謳鄰醉鬪]¥)え/¥1へ/g s/¥([あいどなまら逢扱囲謂違唄云厭掩沿歌会叶患願寄揮疑吸救競狂喰遇憩敬結嫌遣言雇乞交向構行香合擦伺使思飼失呪愁拾習臭襲輯集従祝潤償商笑拭食振震酔整誓請占宣戦洗繕狙喪想]¥)おう/¥1はう/g s/¥([争装遭揃損奪担弔調追通適添纏伝闘匿馴匂能培買這伴煩庇飛漂負舞副覆払奮紛蔽補慕倣縫訪迷貰問憂誘謡養隣聯連労賄惑會傳勞咒哥嗤圍從憇戰擔拂撓爭犒篩纒舫衒裝諂謠謳鄰醉鬪]¥)おう/¥1はう/g #未処理のもの(向か,からか,振る,巣く,まと,腹ば,流離,彷徨,躊躇,おぶ,さまよ,しょ,etc) s/おもわ/おもは/g s/おもう/おもふ/g s/おもえ/おもへ/g s/おもおう/おもはう/g s/おもい¥([まなつは]¥)/おもひ¥1/g #「重い」の平仮名との戦い。 s/¥([ちて]¥)がわ/¥1がは/g #「違う」と「あてがう」 s/¥([ちて]¥)がう/¥1がふ/g s/¥([ちて]¥)がえ/¥1がへ/g s/¥([ちて]¥)がおう/¥1がはう/g s/¥([ちて]¥)がい¥([まなつはが]¥)/¥1がひ¥1/g #「〜たちが」の平仮名との戦い。 ##ひ→いに戻す #「向(むか)ひて」と「向(む)いて」は困る。 #でも現代文向けのものでは「むいて」優先だろう。 s/向ひ¥([たちて]¥)/向い¥1/g s/¥([うくすつぬふむゆるえけせてねへめれきしちにひみりゐ]¥)まひ¥([()。、かがけとしにね]¥)/¥1まい¥2/g #助動詞「まい」の表記。「ふるまひ(振舞)」がねえ。 s/¥([あう]¥)まひ/¥1まい/g #あまい、うまい、の処理。 s/あひさつ/あいさつ/g ##ハ行その他 s/¥([をとに]¥)¥([はも]*¥)いい¥([まつ、]¥)/¥1¥2いひ¥3/g s/¥([をとに]¥)¥([はも]*¥)いいながら/¥1¥2いひながら/g #「といいなあ」(と良いなあ)を「いひなあ」にせぬよう頑張った結果。見苦しい。 #「〜だといい、のですが」等には困る。 s/ちいさ¥([いかきくけなめ]¥)/ちひさ¥1/g s/¥([あ-ん亜-熙]¥)わわ/¥1はは/g #第二水準の終りは龠ではなく7426番 s/¥([あ-ん亜-熙]¥)わい/¥1はひ/g s/¥([あ-ん亜-熙]¥)わう/¥1はふ/g s/¥([あ-ん亜-熙]¥)わえ/¥1はへ/g s/¥([あ-ん亜-熙]¥)わおう/¥1ははう/g s/¥([与誂訴愁憂押抑教衰抱数構考鍛衡咥拵答応栄支浚従添供具揃耐堪蓄讃称湛例違使支仕番調整唱称捉捕擬震迎弁交替換変代加伝傳終備携狽とかがう]¥)え/¥1へ/g #「〜さへ」と「さ(冴)え(ヤ行)」は前者を優先。 #平仮名の「たえ」は「絶えて」「堪へて」で困る。 #ハ行下二の未処理(ととのえ,[ゆ結]わえ,かぞえ,こたえ,うろたえetc) s/わし¥([いかきくけ]¥)/はし¥1/g s/強い¥([たてるれ]¥)/強ひ¥1/g #「つよい」と「しいて」 s/¥([憂恋]¥)い¥([たてるれ]¥)/¥1ひ¥2/g s/¥([^おことどな]¥)おり/¥1をり/g #「折り」 s/¥([おことどなよ]¥)お¥([いくかけきしせさすらりるれろっ]¥)/¥1ほ¥2/g #多覆掩氷凍滞直治遠 #但し、「おおい」の「多い」と「覆ひ」はどうしようもない。 s/とほっしゃ/とおっしゃ/g s/なお¥([、,、,のさい一や]¥)/なほ¥1/g #尚猶。直治は上で。 s/¥([関係關断斷承教捉捕交替換変代現表加伝傳終備携かと]¥)わ¥([さしすせそらりるれろっ]¥)/¥1は¥2/g s/きわ¥([まめ]¥)/きは¥1/g s/おわ¥([らりるれっろ]¥)/をは¥1/g ##開音表記。 #漢字交じりでは合音表記は少ないので簡略変換 s/こう/かう/g s/ごう/がう/g s/そう/さう/g s/ぞう/ざう/g s/とう/たう/g s/どう/だう/g #「如何(どう)」も「だう」でいい。柳田征司氏論文(国語と国文学55-5)あり。 #それがいやなら、取ってしまって良い。ダ行5段は無い。 s/のう¥([^ちへ]¥)/なう¥1/g #「そのうち」等の回避 s/ほう¥([らりるれろっ]¥)/はふ¥1/g # ↑「放る」 s/¥([くすつぬふむゆるのたいじ]¥)ほう/¥1はう/g #  ‾‾‾‾‾動詞連体‾‾‾     「方」 s/ぼう/ばう/g s/もう/まう/g #「〜もうまい」「〜もうれしい」「〜もうるさい」「〜もうたう」etc.困った。 #マ行5段動詞の他に副詞の「もう」も有るし、どうしようか。 #副詞の「もう」はロドリゲス大文典に開音表記が有るそうな。 #やはりオ段を引延ばした音は開音の方なんですね。cf.豊島正之氏論文「国語学」136 #副詞の「もう」を「まう」にしたくなければ、マ行五段の用例を集めねば成らぬ。 s/¥([げつそ]¥)ろう/¥1ろふ/g #かげろふ、うつろふ、そろふ s/ろう/らう/g s/¥([うくぐすずつづぬふぶむゆるのないた]¥)よう¥([だでなに]¥)/¥1やう¥2/g #「受けよう」と「受けるやうだ」を基本とし、「受け様」の「受けやう」は、以下に s/¥([にひびり]¥)よう¥([がとはものだでに、]¥)/¥1やう¥2/g s/¥([あ-ん亜-熙]¥)よう¥([はものだで]¥)/¥1やう¥2/g s/¥([あ-ん亜-熙]¥)ようが¥([^、。、。,.,.]¥)/¥1やうが¥2/g #「受けようが知った事か」と「受けやうが知れない」の区別は困難 s/¥([あ-ん亜-熙]¥)ようによ/¥1やうによ/g s/¥([同お]な*¥)じよう/¥1じやう/g ##拗音など s/¥([きぎしじちぢにり]¥)ゅう/¥1う/g s/¥([でま]¥)しょう/¥1せう/g y/ぁぃぅぇぉっゃゅょゎ/あいうえおつやゆよわ/ s/¥([^な]¥)い¥([たるよて]¥)/¥1ゐ¥2/g s/ゐた¥([さすせる]¥)/いた¥1/g #致す・至る s/ゐたし¥([まて]¥)/いたし¥1/g #「〜してゐたし」 s/いれ¥([ばど]¥)/ゐれ¥1/g s/¥([^た]¥)いな¥([いかきくけが]¥)/¥1ゐな¥2/g s/¥([^さざ座坐すや]¥)いま¥([しすせ]¥)/¥1ゐま¥2/g s/^い¥([たるれよて]¥)/ゐ¥1/g #「今」の平仮名表記さえなければこんなには苦労しないのだが。 s/ゐまし¥([がも]¥)/いまし¥1/g #いましがた、いましも s/ゐますぐ/いますぐ/g s/ゐよゐよ/いよいよ/g s/ゐたく¥([^存思なはて]¥)/いたく¥1/g #「ゐたく」表記にいたく心を痛め、書加えたが、効果が薄いか。 #元々、「痛い」と「居たい」の区別は無理な相談。 #「〜ひたく」やカ行動詞は考えなくてよい。 ##カ行イ音便のゐ表記書き戻し s/¥([おむかさざしつづぬめ引曳堰徃解懷開咳割渇乾卷喚貫輝欺急泣響驚空傾缺結捲效向好行轟差挫碎裁咲捌撒蒔惹就瞬書除招燒省拭訊吹炊逝説閃掃掻即續戴退拓叩嘆彈置築着聽頂點吐]¥)ゐ¥([てたち]¥)/¥1い¥2/g s/¥([だたまき歩妬透仂動導突屆覗播破背拔挽描附敷浮赴葺沸噴焚聞抱飽暴磨明鳴涌溶利履裂俯劈呟呻嘔囁憑拱梳疼眩碾縋繙跪躓轢頷齧懐欠効砕焼続弾聴点働届抜付湧於基本慄雪]¥)ゐ¥([てたち]¥)/¥1い¥2/g s/ひらゐ/ひらい/g s/¥([ぶさぼ]¥)やゐ/¥1やい/g #カ5の残り(うそぶ,おのの,くだ,こび,たなび,こまね,しぶ,もが,ゆわ,結わ,わなな,見えす) s/ゐた¥([めだ]¥)/いた¥1/g #「〜してゐただけである」はこうしようか。 s/いただけ¥([^るれなばたてま]¥)/ゐただけ¥1/g #形容詞語尾のゐ表記もまま残る。また、サ行イ音便の表記があると、殆どゐになる。 #カ行同様の書き戻しが必要となる。 -----$ QKANA.SED ( lines:155 words:171 ) ----------------------------- -----^ odori.sed ( date:91-12-01 time: ) ----------------------------- #! SED -f #踊り字。旧仮名のおまけ。  by岡島昭浩 #もと、qkana.sedの後に付けていたが、切り離した。 #踊り字も機械的にやると驚くべき変換をして呉れる。qkanaに書いた「いぬいぬは」も #踊ってしまうし、「岡島の島の字は」も「岡島の/\字は」になってしまう。 s/が/か゛/g s/ぎ/き゛/g s/ぐ/く゛/g s/げ/け゛/g s/ご/こ゛/g s/ざ/さ゛/g s/じ/し゛/g s/ず/す゛/g s/ぜ/せ゛/g s/ぞ/そ゛/g s/だ/た゛/g s/ぢ/ち゛/g s/づ/つ゛/g s/で/て゛/g s/ど/と゛/g s/ば/は゛/g s/び/ひ゛/g s/ぶ/ふ゛/g s/べ/へ゛/g s/ぼ/ほ゛/g s/ぱ/は゜/g s/ぴ/ひ゜/g s/ぷ/ふ゜/g s/ぺ/へ゜/g s/ぽ/ほ゜/g :hira s/¥([あ-ん]¥)¥([゛゜]*¥)¥([ゝ゛゜]*¥)¥1¥([゛゜]*¥)/¥1¥2¥3ゝ¥4/g t hira :kata s/¥([ア-ン]¥)¥([゛゜]*¥)¥([ヽ]*¥)¥1¥([゛゜]*¥)/¥1¥2¥3ヽ¥4/g t kata s/゛¥([ヽゝ]¥)゛/゛¥1/g #この2行生かせば「がが」→「がゝ」、外せば「がが」→「がゞ」仕様 s/¥([ヽゝ][ヽゝ]¥)゛/¥1/g #いずれにせよ「がか」→「がゝ」となる。 :kanj s/¥([亜-熙]¥)¥([々]*¥)¥1/¥1¥2々/g t kanj s/¥([亜-熙]¥)¥([亜-熙]¥)¥1¥2/¥1¥2々々/g #s/¥([亜-熙]¥)¥([亜-熙]¥)¥1¥2/¥1々¥2々/g #古態、「頓々首々」 :odri s/¥([あ-ん亜-熙]¥)¥([あ-ん゛゜亜-熙]¥)¥([あ-ん゛゜亜-熙]*¥)¥([あ-ん゛゜亜-熙]*¥)¥(/*\*¥)¥1¥2¥3¥4/¥1¥2¥3¥4¥5/\/g t odri s/¥([あ-ん]¥)¥([あ-ん]¥)¥([あ-ん゛゜]*¥)¥([あ-ん゛゜]*¥)¥1゛¥2¥3¥4/¥1¥2¥3¥4%\/g s/か゛/が/g s/き゛/ぎ/g s/く゛/ぐ/g s/け゛/げ/g s/こ゛/ご/g s/さ゛/ざ/g s/し゛/じ/g s/す゛/ず/g s/せ゛/ぜ/g s/そ゛/ぞ/g s/た゛/だ/g s/ち゛/ぢ/g s/つ゛/づ/g s/て゛/で/g s/と゛/ど/g s/は゛/ば/g s/ひ゛/び/g s/ふ゛/ぶ/g s/へ゛/べ/g s/ほ゛/ぼ/g s/は゜/ぱ/g s/ひ゜/ぴ/g s/ふ゜/ぷ/g s/へ゜/ぺ/g s/ほ゜/ぽ/g s/ゝ゛/ゞ/g s/ヽ゛/ヾ/g -----$ odori.sed ( lines:74 words:83 ) -------------------------------