W・中学生日記

葦座は田舎生まれの田舎育ちである。

特に中学校は田舎ならでは(?)のハプニングが重なった楽しいところであった。

まず第一に校舎がボロい、古い、汚い。

昭和30年ごろの鉄筋コンクリートの校舎で、既にボロボロ。

例をあげると・・・・・、

ぼっとん便所で、そこに猫が落ちて大騒ぎになったことがある。

窓サッシは鉄製で、既にさびてボロボロ。錆び付いて動かなくなっているものも多数。

体育館の窓ガラスは半分がプラスチック製(不透明)。

雨が降ると、校舎中が結露してびしょ濡れになる。誰も必ず一度は滑ってこける。

台風が来ると床上浸水。ぼっとん便所の内容物などが大変な事になる。

とまあ、こんな感じ。

その中でも群を抜いたエピソードを2つ。

一つは落雷事件

当時の担任教師は無類の説教好き。

その日も提出物の提出状況が良くないという感じでガミガミしていた。

当時葦座は窓際の席に座っていた。

教室は2階で、窓のすぐ外にはソテツっぽい木が手を延ばせば届きそうなところに植わっていた。

で、退屈にその教師の説教を聴いていた。

唐突に感極まった教師が叫んだ。

「ばかやろう!!」

どぉぉぉ〜〜〜〜ん

その瞬間、全てのものが青い光に包まれた。

一瞬遅れて、暴走した火災報知気がジリジリ鳴り出した。

どうやら教師が叫んだ瞬間に窓の外の木に落雷したらしい。

幸い、小さな落雷だったので、木もほとんど影響が無く、けが人も出なかった。

ただ、雷の高電圧電気にやられた電気機器の幾つかは交換する羽目になったらしい。

で、教師、

「いや〜〜、もうダメかと思いましたよ〜〜」

とかのんきな事をほざきやがった。

 

もう一つは火事事件

この学校では火災報知機の悪戯が日常茶飯事。

三日に一度は悪戯等で火災報知機がジリジリ鳴っていた。

その為、火災報知機が鳴っても誰も動じなくなっていた。

ある日、昼休み頃、給食を食べているとまたジリジリ音がする。

「あー、うっせーなーー。またかよ。早く止めろよ」

そんなことを思いながら飯を食っていると突然教頭からの放送が入る。

「今のは本当です。」

一瞬遅れてクラスは爆笑の渦に巻き込まれた。

何かが間違っている!!

で、僕らは自分たちが置かれている状況を理解するのに更に5分ほどの空白の時間が必要だった。

で、火の点いたとされる校舎に自分たちがとどまっている事に漸く気が付く。

結局燃えたのは体育館の一部で、幸い小火ですんだ。

狼少年は周りにも迷惑を掛けることを知った方がいいと思う。

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